【西洋演劇史#13】オペラ劇場の誕生

オペラはバレエ同様、その歴史を追いかけていくとあまりにも道に逸れてしまうので割愛していくが、演劇史においても避けては通れない。

神話や伝説を主題とし、言葉が主要性を占めたところに音楽・歌が乗っかる・・・音楽が最も重要な新しい芸術だった。それはイタリアから西ヨーロッパへ爆発的に広がっていき、圧倒的力を持つようになる。

最初の舞台設計図の本を出したセルリオは、遠近法による3種類の舞台装置を生み出した。そしてそれはその後400年全ヨーロッパの舞台装置家の基本概念となるものになる。

喜劇・悲劇のために、通りの両側に家を配し、舞台袖と背景幕には背景画が描かれた。サチュロス劇(当時のイタリア人にとっては田舎の笑劇以上の意味はなかったらしいが)には、舞台の両側に小さな小屋が、樹木の茂った田舎の風景。そしてその遠近法表現技術は、「観客と演技者」を分けるプロセニアムアーチを発展させることになる。

イギリスの仮面劇、スペインの宮廷劇、そしてパリのモリエール劇、19世紀のメロドラマ(通俗劇)まで影響を及ぼすことになる。

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