【西洋演劇史#22】スペイン演劇

スペインの演劇が確立したのは、天性の怪物と言われていた劇作家ローぺ・デ・ベーガの優れた作品があったからで、彼は1200の劇を書いたと言われている(そのうちの750篇は現存している)彼の作品は自由な詩のように書かれていて、ありとあらゆる主題、宗教、歴史、牧歌、社会(カトリック的)を描いた。

その社会は、王、貴族、平民の三階級をはっきり分け、王は貴族の助けを借りて平民を統治するが、統治者には権利の他に義務があり、平民には義務の他に権利がある・・・これが「フエンテオベフェーナ」の劇の背景だ。

フエンテオベフェーナには

残虐な領主に対する村人の反抗だけでなく、王に対する領主の反抗も描かれた。貴族は下のものにも上のものにも義務が果たせず、平和が回復する前に立場を追放される。ローペデベーガの作品に見られる邪悪な都市と高潔な田舎との対比は、効果的な喜劇性を引き出すのに成功している。ベンジョンスンの場合もそうだが都市社会の欠陥を非難することは風刺劇の豊富な材料だ。

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