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創造的人生の持ち時間と人生の選択と。

コロナ療養のため隔離生活に入って3日が過ぎた。
体調はすっかり元に戻り、あとは隔離期間が終わりを迎えるのを待つだけだ。

室で1人過ごしているとここが豪華客船の中でカリブ海を航海している最中だということを忘れそうになる。
暇なので、久しぶりにYoutubeをダラダラ見ようとリール動画をあさっていたら、とある楽曲に耳を奪われた。

晩餐歌

tuki.さんという15歳の中学生の子が作詞作曲してアップロードしている曲だ。
少し調べてみると、どうやら、いろいろな人が楽曲カバーをしたり、SpotifyやLINEミュージックなど、サブスク楽曲配信サービスでも人気となっているようだ。

15歳という年齢で多くの人の心を掴む歌声と表現力を持ち、
心に残る歌詞と曲を完成させることが出来る才能。
宇多田ヒカルさんが世に出て来た時のことを引き合いに出している人もいた。
それくらいのインパクトがあるのだろう。

tuki.さんがこの晩餐歌に続いてアップロードした一輪花という曲も素晴らしい楽曲だ。2曲続けてこのクオリティで曲をアップロード出来るのは才能だけで片付けられない。
本人の計り知れない努力があってこその賜物だろう。


紅白歌手となったAdoさんもそうだが、
若い世代の才能の露出が続いているように思う。

アメリカでは少し前からその傾向があったように思うが、
SNS、特にTikTokの影響で才能が埋もれずに世に出るケースが増えて来ている。
おそらく、このトレンドは今後も続くだろう。

20世紀に生まれた人と21世紀に生まれた人は、根本的に違ってくる。今後、若い世代の能力に20世紀に生まれた人々は太刀打ちできなくなるだろう。
という意見を10年くらい前にネット上のどこかで見た気がするが、
それが現実のものになりつつあるなと私は感じている。

物心がついたころから身近にネットがある世代の台頭は今後も止まらないだろうし、物心ついたころからAIがあり、それを扱うのが当たり前という世代が世に出て来ることになった際、
20世紀生まれの私たちでは、きっと思いつかないようなアイデアの数々を出して世の中を変えて行くだろう。

これは諦めではなく、私は喜びとして捉えている。
いかに、私を含めた上の世代に下の世代の邪魔をさせないようにしていくかが、
今後どの業界でも重要な成功要因になるのではないかと思う。

願わくば私たち世代が世を変える世代になりたかったところではあるが、
世界を大きく変えるのは、30代の私たちではなさそうである。
2000年以降に生まれた世代がおそらくその世代だ。


創造的人生の期限を考えて

今後の世の中は、想像したものごとが、ものすごい速さで現実のものとなっていく世の中になっていくだろう。
そんな世の中で重要となるのは、創造的人生の持ち時間の使い方なのではないだろうか。

ジブリの作品で、「風立ちぬ」という映画がある。
宮崎駿監督の作品の中で、個人的にとても好きな作品だ。

その中のキャラクターのセリフで、「創造的人生の持ち時間は10年だ。設計家も芸術家も同じだ。君の10年を力を尽くして生きなさい。」というものがある。

このセリフを初めて聞いた時、
私は18歳の頃のとあるエピソードを思い出したのをよく覚えている。

夜遅く、バイト帰りに自転車に乗り、河に架かる橋を一人走っている時に頭の中にメロディーが浮かんできた。楽器なんて何も弾けないし、歌を歌うのは得意じゃない。カラオケも人生で数えるほどしか行ったことがない。
それなのに、流行りの曲じゃなくて、全く聞いたことのないメロディーが頭に流れて来て、その時の気持ちを歌詞に変え、歌いながら一人夜の街の中を走り抜けていく。
メロディー自体は短いものだったけど、自分にとってはとても良いものに思えた。

どんなメロディーだったかなんて、今ではまったく思い出せないけど、
間違いなく創造力が溢れていた。

子供が自分で考えた歌を歌っているのを耳にしたことがある親も多いのではないかと思う。それも人が生来持っている創造力から来るものだろう。

全ての人は創造力を持っており、それをフルに扱える創造的な時間というのは限られている。というのが、風立ちぬを通して、宮崎駿監督が観客に伝えていることなのではないだろうか。

持ち時間の10年という時を過ぎた後でも作品を作ることは出来るだろうが、
持ち時間の過ぎた後に出て来るものは、過去に作った作品に似通ったものとなり、
まったく新しい素晴らしいものはもう出てこないのではないだろうか。
それは、10年という創造的な人生の時間の中でその人が生み出せる期間の限界を迎えてしまったから。

10年を過ぎた先にあるのは、新しいものを生み出すことではなく、
既存のものの精度を高めていくこと。技術を洗練していくことだと思われる。
その点で言えば、真に完成したものが生み出されるのは、創造的な人生の持ち時間の後に来る人もいるのだろう。

しかしながら、期限があることを私たちは忘れてはならない。
時間を無駄にしてしまえば、創造力は開花する前に終わってしまうか、
中途半端で終わってしまうかもしれないのだから。

何歳であったとしても、今からの10年が私の持ち時間だと思えるタイミングがあったのだとしたら、思い切って全力を注ぎこんでみるのが良いだろう。

インターネット、SNSのおかげで、
良いものは良いと認め拡散されやすい世の中になった。
この傾向は今後もしばらく続いていくだろう。

インターネットのおかげで、世界中どこに居たとしても、質の高い作品に触れやすくなった。
子供たちは、これからも様々な刺激を受け、
すべての業界で先人たちを驚くほどの若さで超えていくだろう。

月並みな言葉だが、野球界の大谷翔平さん、将棋界の藤井聡太さんのような存在が様々な業界で出て来ることとなるのだろう。


人生の選択を考えて

これからの自分の人生のことを私は最近よく考えている。
何をしていこうか、何をしたいのか。
やりたいことはたくさんあるにはある。
しかし、何かを残したというものはもうほとんどない。

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