全てのまちをめぐったこと。旅の終わりに。
2020年の冬、大学生だったぼくに雷が落ちた。
???「ああ、確かに僕は市町村一周の旅に出た。」
「は?なめやがって。そんなことがあってたまるか。」
そう思ったのをよく覚えてる。だけど、彼は旅の記録をキレイにわかりやすくブログにまとめていて、たまたま目に入ったぼくですらもすぐに事実だとわかるほどだった。
あの頃は大学4年生。もうすぐ卒業する頃合いで、神奈川は川崎市内に住んでいた。地元は埼玉県の美里町。これを読んでいるあなたにはきっと馴染みがないほど田舎だろうが、そんな町も当然あの人は訪れていた。その写真も、ぼんやりと場所がわかるような雰囲気だった。
ところが、川崎市を見てみると、川崎駅の近くの写真くらい。住んでいたところからは近くなく、少し寂しかった。
それなら、政令指定都市の行政区まで区分けして、少しだけ細かくして踏襲しよう。
そう思い立って4年弱。今思えばあっという間に終わった旅だった。そんな気がする。
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あなたの生まれはどこですか?今住んでいる町はどこですか?
それがどれほど田舎でも、ほとんど知られていないような離島でも、少しは知っています。ダイレクトに生まれ育った地域ではないかもしれないけれど、ちょっとだけ歩いたことがあります。
301日に渡ったこの旅が、期間にして3年弱ほど走り回った旅が終わった。
よく知らなかった町で町内放送を聞いたり、名前も聞いたことも無かったまちの金木犀の香りで季節の進みを実感することも、もうない。
日本に1741の市町村があることを知って、1896の市区町村をめぐった。時間とお金はかかったけど、おかげで初対面の人との話題を1つは出せるようになった。
「出身はどちらなんですか?」と聞いて、わからないことはない。田舎であればあるほど、「詳しいですねぇ」と、わずかに仲良くなれた気がする。
黒のアクアに乗って旅に出たあの日から、数えきれないほどしんどいこともあった。暑すぎて気絶しそうになった日もあれば、寒くて一晩中寝付けなかった夜もある。予定していたところに行けないこともしばしばで、複雑なしんどさに耐えかねて、裏では泣くこともあった。
反対に、手に負えないほど嬉しいこともたくさんあった。顔も名前も知らない人に食べきれないほど差し入れをもらったり、家に泊めてもらったりホテルを用意してもらうことだってあった。こんなにしてもらってどうしたらいいのか、わからなくなることも少なくなかった。
つらつらと書いたけど、とにかく、当初の目標であった、25歳のうちに全市区町村めぐる旅を終えるという目標を叶えられ、ぼくは本当に幸せです。ありえないほどの人に助けられ、豪運にも恵まれ、お金はびっくりするほどなかったけど、諦めずに走り続ければいけると信じた自分を、今日だけは心から褒めてやりたい。
はじめからでも途中からでも、ぼくの旅に少しでも触れてくれたあなたに感謝の気持ちを。応援してくれてありがとうございました。自力で地図を赤くできたなんて思ってない。ありとあらゆるモノに生かされて、ぼくはこの旅を完遂できたんだ。
さいごに
バレてるかもしれないけど、正直、全然気持ちがまとまってないです。
もう終わったんだ、っていう気持ちもあれば、やっと終わったという安堵感もある。
この旅は走り終えたけど、人生は当然まだまだ続きます。これからやりたいことはたくさんあるし、違う旅もしたい。けど今は、いや、ずっと前からお金がなさすぎるので、しばらくは腰を据えて仕事に励みたいですね。
人生の大きな区切り。では、この旅の写真展の準備に入りましょうか。春までには必ずやりたい、やります。
では最後の最後に、旅の間、それはそれはお世話になった音楽たちを紹介して終わります。
お世話になった音楽
Hello Ethiopia - Yogee New Waves
金木犀の夜 - きのこ帝国
けやき通り - グソクムズ
茜色の夕日 - フジファブリック
魔法のじゅうたん - くるり
ここから、ここから - 宇宙よりも遠い場所 ED
orion - 踊ってばかりの国
マヨイガ - 羊文学
光るとき - 羊文学
トラベルプランナー - ハヌマーン
甲州街道はもう夏なのさ - fox capture plan
S.S.S. - 佐藤千亜妃
銭湯がない - saboten neon house
チャイナタウン - saboten neon house
夏夜のマジック - indigo la End
あこがれ - saboten neon house
真っ白 - yama
夜汽車は走る - Awesome City Club
Toromi days feat.Kuo - Yogee New Waves
真昼の嵐 - ノンブラリ
なにを見ても、どこに居ても - ノンブラリ
雑感 - 柴田聡子
夕日 - 柴田聡子
脳裏 - 15MUS
Elephant - Homecomings
true to true - kojikoji
ひかりのあと - 上白石萌音
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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