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JO1を聴こう〜一人のファンによるおすすめガイド〜

 今回のnoteは題名の通り、JO1の音楽にあまり触れた事が無い方向けに、これまで発売してきたシングルやアルバムの特徴、ジャンル毎にオススメの曲を紹介していく。
 直近のシングルの売り上げのキャリアハイ、Spotifyの月間リスナー数の自己ベスト更新、ドラマや映画、レギュラー番組での露出など、今年の上半期のJO1は文字通り「フル稼働」だった。そのフル稼働を少しでも見つけて興味を持ってくれた方を離したくない、というオタク心をエンジンにしてキーボードを叩いている。ジャンル毎の個人的おすすめ曲→これまでに発売したCDまとめ…の流れで紹介するが、読んでいる方の気になるところに飛んでそこだけ読んでもらっても構わない。このnoteがJO1の音楽の簡単なトリセツになってくれる事を願う(簡単なトリセツと言う割にnoteの文字数が予想以上に多くなったのは何故)。
 そしてこれを読むファンの方には改めて、JO1の5年の音楽活動を振り返っていただきたいと思う。




ジャンル毎のおすすめ曲


夏の暑い日に聴きたい曲


・STAY

 JO1メンバーがプロデュースした夏らしいMVが魅力。シティポップに初挑戦し、爽やかな世界観を演出。風のように耳を抜けていく十一人の歌声がとにかく心地良い。聴いていて焦らないテンポ感なので、ドライブのお供にもおすすめかもしれない。

・Touch!

 イントロから爽やかさが弾けているポップソング。前述のSTAYをさらに小気味良くバージョンアップさせたイメージと言えるだろう。ちなみに、甘酸っぱい歌詞はメンバーの作詞である。

・RadioVision

 アメリカンな雰囲気が特徴で、聴いているだけで歩きだしたくなる元気な曲。特にハミングのようなメロディーが心地良い。茹だるような暑さの中に出かける時も、この曲を聴けばどこか軽やかな気分になれるだろう。
 これは個人的な感想だが、この曲は去年ロサンゼルスに旅行した時に歩いたサンタモニカのビーチを思い出す。元気さと開放感、そして耳障りにはならない騒がしさ、それらが共存する世界をRadioVisionは想起させてくれる。


ライブで必ず盛り上がるテッパン曲


・OH-EH-OH

 もう4年前の曲でありながら、ライブで披露されれば絶対に盛り上がる武器の一つ。ひたすら気分を上げ続けるロックサウンドとJO1のパフォーマンスが加わり、まさに鬼に金棒。スターを獲得したマリオ状態である。上着の裾を振り付けの一部として活用するのも珍しさがあって面白い。
 過去にライブで披露したロックverを音源で出しているので、こちらも是非チェックして欲しい。

・YOLO-konde

 有名KPOPグループのStrayKidsに楽曲提供の機会をいただいた事で齎されたダンスナンバー。これまでのJO1には無かったハードで分厚い楽曲で、ライブで低音をゴリゴリにして聴きたい楽曲である。聴く時はイコライザを調整して低音を大きめにしてみてほしい。飛ぶぞ。

・Eyes On Me

 YSLの化粧品のタイアップ仕事の際に、世界的有名DJであるR3HAB氏から楽曲提供してもらって生まれたこの楽曲。YSLやR3HAB氏のルーツとなるモロッコの雰囲気をEDMに落とし込み、近未来的なクラブミュージックでありながら民族的でもある。これまでのJO1では見られなかった新たな世界を引き出した。これもYOLO-kondeと同じく、低音を強めにして聴きたい曲である。

 他にもライブで盛り上がる曲はあるのだが、多くなってしまうのでシングル・アルバムまとめに付け加えておこうと思う。


心に沁みる美しいバラード曲


・君のまま

 JO1は韓国の楽曲制作者から提供をしてもらう事が多いが、君のままは日本の作曲者から提供(今は珍しくもないが、この楽曲が出た2021年春はまだ珍しい部類だった)。最初の「助手席の君の話 頷いてる」の入りがとてもJPOPらしいと思うのは私だけだろうか。
 しんみりしすぎず温かさもある、ちょっとネガティブな時に聴くと持ち直せそうな力を持っている。

・飛べるから

 JO1の楽曲の中だと最長の長さで、楽曲の中に物語が詰まっている至高のバラード。一見普通の壮大なバラードに聴こえるが、2020〜2021のJO1の2年間を象徴して作られている。ラップ担当のメンバーもメロディーラインをしっかり歌っており、物珍しさも感じさせた。

・ZERO

 壁一つない真っさらで広い場所で聴いているかのような響きが聴こえてくる曲。広い世界に漂うかのような解放感に溢れた曲であり、制作者のこだわりが感じられる。歌詞に並ぶ言葉も優しく、疲れた時に聴くと癒されそうな一曲である。ZEROのようなバラードが今後も増えてくれたら嬉しい。

・Romance

 個人的に一番おすすめのバラード。メンバーが主演を務めたドラマの主題歌として生まれた。イントロからドラマの世界観を感じさせると共に、歌が紡がれれば紡がれるほど聴く人の心に沁み込んでいく歌だ。メンバーの歌声の変化に加えて音程の高低差も激しく、次々と展開していく様子はまるでドラマのようで、特に後半は劇的な展開を迎える名曲。


聴く人を唸らせるオシャレさを持つ曲たち


・We Alright

 まるで車のCMのBGMに使われていそうな、芯のある爽快感を音で表現している楽曲。最初のギターを含めたイントロがとにかくオシャレであると共に、サビの「We Alright」の透き通った声が爽やかである。JO1をあまり知らない方が初見で聴くと「こんな曲も持ってるんだ!?」と驚いていただけるのではないだろうか。

・Comma,

 ジャズテイストな曲を好きな人には是非お勧めしたい。この曲自体がJO1にとって初めてと言っても良いジャズへの挑戦であり、独特のノリを見事に歌い上げた。特にBメロの「Too many times すでに〜」からは一聴の価値あり。ダンスも面白い要素が多いのだが、公式からパフォーマンス映像が出ていないのは悔やまれる。

・HIDE OUT

 メンバーが出演したヤンキー映画の主題歌となった曲。これまでのJO1にとっては珍しい、引き算だからこそ映える良さを見せている曲と言えるだろう。使っている楽器自体の数も少なく、メンバーの歌声の音程も低くなっている事から、程良い脱力感や耳に入ってきやすさを感じられる。これを聴くだけで、少し大人になったような気分になれるだろう。



今まで出したシングル・アルバムまとめ


 続いて、デビューして以降発売してきたシングルやアルバムを時系列順に簡単に紹介していく。特徴を振り返りながら、おすすめの曲についても触れていくので、JO1の音楽の流れを知りたい!という方は是非読んでほしい。


1ST SINGLE『PROTOSTAR』


ビジュアルやコンセプトなど、デビューしながらも正解を探している途中。まだあどけない。

収録曲
1. 無限大(INFINITY)
2. La Pa Pa Pam
3. Running
4. Young(JO1 ver.)
5. GrandMaster(JO1 ver.)
6. ツカメ〜It's Coming〜(JO1 ver.)

 JO1のデビューシングル。まだまだあどけなく成長上等!のJO1の声を聴ける。この頃はまだ明確なポジション(ボーカル担当、ラップ担当など)を模索中だったようで、ファンが振り返ってみると帰って新鮮かもしれない。ダンスナンバーが多い中でしっとり聴かせてくれるRunningが良い味を出している(そんなRunningもパフォーマンスとなると踊るのだが)。


おすすめの曲→無限大(INFINITY)

 他の曲も掘り下げは出来るが、結局おすすめは無限大になる。紅白歌合戦に初めて出演した時にも披露した思い出深い楽曲だが、一言でまとめるなら「変な曲」だ。ピアノのイントロから静かに始まったかと思えばテンポの良いダンスチューンになり、サビでは「無限大」と力強く宣言、曲調の変化を繰り返しながら最後は高音のシャウトを響かせて開放感たっぷりで締める。ジェットコースターのような展開で初見だと「何だこれは?」になるかもしれない。実際に私は「何だこれは?」になった。
 この楽曲は明確なコンセプトやメッセージ性を張り巡らせているというよりは、「剥き出しのJO1を感じろ!」というデビュー曲にしか許されない勢いと我儘が形になっている。考えるより感じろ、そんな一曲。


2ND SINGLE『STARGAZER』


全てのアイドルが通る道とも言える制服だが、JO1はまさかの不良ルートに突入。

収録曲
1. OH-EH-OH
2. So What?
3. GO
4. KungChiKiTa(JO1 ver.)
5. Voice(君の声)
6. My Friends

 デビュー年にコロナ禍が起こって早速危機を迎えたJO1が打ち出したのは、窓際で微笑む優等生ではなく制服を泥だらけにして突っ走る喧嘩上等少年だった。それに合わせて6曲中3曲はインパクトの強いダンスナンバーとなっており、デビューした頃よりも戦闘力がアップしている。その反面My Friendsのようなポップな歌も入っており、ポップで可愛いアイドルJO1も見たい!というファンの需要にも応えようとしている。


おすすめ曲→GO

 PV公開時にファンに衝撃を与えた傑作であり、世に出て4年近く経ってもなお揺るがない人気を持つ一曲である。スタイリッシュ且つ近未来的なサウンドは聴く人に心地良さとワクワク感を届け、白黒の世界で華麗に踊るJO1は多くの人を魅了した。
 前作のYOUNGや今作のGOなど、JO1は定期的に上品且つセクシーな音楽やパフォーマンスを打ち出しており、このような楽曲は今後彼らの得意分野として進化していく。


1ST ALBUM『The STAR』


2020年の締めくくりとして発売。過去2作と比較しても大胆なイメチェン。

収録曲(シングルに収録されている曲は除外)
1.Starlight
2.Shine A Light
3.Safety Zone
4.やんちゃBOYやんちゃGIRL(JO1 ver.)
5.Happy Merry Christmas(JO1 ver.)
6.MONSTAR
7.Be With You(足跡)

 デビュー1年目の締め括りとして発売。過去2作と比較してみるとパステルカラーのカラーリングが目立っており、世間がアイドルに想像する「輝き」を表現してみようという意図が感じられる。アルバムの一番最初に世界観の前語りも取れる短めの楽曲を入れているのも特徴。
 アイドルっぽさが感じられる楽曲以外にもGOの雰囲気を踏襲した上品且つセクシーな楽曲、ストーリー性を感じさせるミステリアスな楽曲など色とりどりな総まとめとなっている。


おすすめ曲→MONSTAR

 題名は英単語「MONSTER(怪物)」と造語「MON(フランス語で私の)+STAR(英語で星)」でダブルミーニング。こんなにセンス良い曲出せるんだ!と当時は驚かされた。公開された当時、ファンは物語を感じさせる歌詞にそれぞれ想いを馳せていたと記憶している。
 「私があなたの光になる」というメッセージ性を持ちながらも楽曲にはダークな雰囲気が漂っており、闇や影があるからこそ光は輝くのである…という意味が持たせられているように感じる。そしてMONSTARはその後のシングルにてアンサーソングと位置付けられるものが収録されており、ファンからも制作者からも愛される一曲に定着した。


3RD SINGLE『CHALLENGER』


コロナ禍で活動を制限されていたJO1が逆転を賭けて猛修行&準備して作成。最高の2年目を予感させる。

収録曲
1.Born To Be Wild
2.Speed of Light
3.Get Inside Me
4.君のまま
5.Design
6.伝えられるなら

 2020年のコロナ禍によるライブを始めとした活動制限はJO1を語る上で省略する事は出来ない。貴重な一年でアイドルも運営もファンも歯痒い思いと試行錯誤を繰り返したが、そんな中で発売されたCHALLENGERはまさに一筋の希望と言っても良いだろう。特にタイトル曲のBorn To Be Wildが齎した衝撃は凄まじかった。
 Born To Be Wild以外にも名曲が多く、ライブのテッパンとしての信頼を勝ち得たダンス曲のSpeed of Light、JO1の得意分野として外せないDesign、名バラードとして君臨する君のままなど、影の濃いラインナップとなるシングル。デビュー年に定まっていなかったラップやボーカルの担当など、定まってきた印象を受ける。


おすすめ→Born To Be Wild

 初期のJO1を代表する傑作。爽やかで軽快、まさに発売時期の春にピッタリな一曲。11人という大所帯をフルに活かした途切れない歌声は何度聴いても飽きさせる事はなく、擦り切れるほど聴いたとしても色褪せない不変的な魅力がこの楽曲にはある。個人的には、聴かせるBメロからそのままサビに入るのではなく一度楽器を少なくして裏声のフレーズを入れる構成が気に入っている。
 昨年のライブでは昔のアメリカを連想させるようなアレンジで披露されているので、こちらも是非齧ってみてほしい。


4TH SINGLE『STRANGER』


CDジャケットはファンから「謎のコラージュ」「手裏剣」とイジられたりしていた。

収録曲
1.REAL
2.Freedom
3.Dreaming Night
4.STAY
5.ICARUS
6.Blooming Again

 ここまで紹介してきた中だと、一番楽曲の雰囲気がまとまっている印象を受けるシングル。発売された時期が夏という事もあってか、全体的に涼しさを感じたり重すぎずスタイリッシュにまとめられた楽曲が並んでいる。CHALLENGERはインパクトを重視したトラックリストをしていたが、それの反動か今作は「締まり」が意識されているように感じる。
 Freedomはイブサンローランの化粧品のタイアップにもなっており、徐々にタイアップ曲も生まれてきている。


おすすめ→Dreaming Night

 先行配信として世に出た楽曲でMVやPVは無いが、ファンにも愛され当時JO1を知らない方にも耳に届いた(かもしれない)楽曲。Spotifyの大きなプレイリストであるTokyo Super Hitsの表紙にもなり、それを祝ってファンは巨大な街頭ビジョンを一目見ようと渋谷に足を運んでいた。
 振り付けは可愛くまとまっているが、サウンドには切なさも溶け合ってどこか聴く人の胸を締め付ける不思議な楽曲。聴いていると宙に浮いてしまいそうになる電子音のメロディーはまさに夢のようである。


5TH SINGLE『WANDERING』


初めての有観客ライブ直後に発売。難しい中で駆け抜けた2021年を思い起こさせる。

収録曲
1.僕らの季節
2.Prologue
3.Never Ending Story
4.Run&Go
5.We Alright
6.OASIS
7.Infinite City

 2021年後半のJO1は療養に入ったメンバーがいたり初めての有観客ライブを開催したりと、色々と難しさを感じる状況の中で忙しい毎日を走り抜いた。このシングルはそんな状況の中で世に放たれた作品であり、ファンにとっては美しい思い出と古傷、両方の意味を含んでいると思う。そしてその古傷があった場所を見て今を噛み締められるように成長してくれたJO1には、改めて感謝する他ない。
 ハードなダンスナンバーが極端に少ないシングルで、ある意味STARGAZERの対極に位置するシングルと言っても良いだろう。その中でWe AlrightやInfinite Cityのノリの良さはとにかく目立つ。


おすすめ→Infinite City

 MVやPVも無いカップリングでありながら、「無限街」という漢字三文字の略称で愛されている隠れた名曲。聴いているだけで胸が高鳴るイントロから始まり、ワクワクと開放感を煽るストレートさが魅力と言えるだろう。元々韓国のアイドルグループが歌っていた曲の日本語版を何故かJO1が歌う事になり、おまけのような立ち位置で収録された。
 ファンに愛されるもう一つの理由として考えられるのは、オーディション時代の楽曲との類似性である。JO1はPRODUCE 101 JAPANという番組からデビューしたが、その時のテーマソングであるツカメと構成がとても似ているのである。そのため、番組の時から追っているファンは懐かしさを感じるのかもしれない。


2ND ALBUM『KIZUNA』


これまで英単語を題名としていたがここに来てまさかの絆、いや、KIZUNAである。

収録曲
1.With Us
2.ZERO
3.Walk It Like I Talk It
4.Touch!
5.Love&Hate
6.Algorithm
7.流星雨
8.Move The Soul
9.Dreamer

 激動の2021年を終えたその先の平穏の地とも言える2枚目のアルバム。平穏と称してはいるが、激しいダンス曲からセクシーな雰囲気の曲まで、幅広いジャンルに挑戦している。ジャンルの幅広さで言えばCHALLENGERのアルバム版と例えて良いかもしれない。そんな個性入り乱れる楽曲の中で先頭に立つWith Usは、アルバムのタイトルを一番反映していると言えるだろう。


おすすめ→Move The Soul

 とにかくライブで真価を発揮するダンス曲。Born To Be Wildと同様にメンバーの声が途切れる事なく歌い続け、JO1のエネルギーがとことん増幅される曲だ。他アーティストとの合同ライブで披露される事も多く、「会場の観客全員をファンにするぞ!」「他の出演者よりも良いパフォーマンスをしてやるぞ!」というやる気がJO1に溢れ、ボーカルやラップのキレはいつにも増して鋭くなる。
 競馬をコンセプトにしたアニメのOP曲でもあり、手綱を握る振り付けも組み込まれているのがポイント。


6TH SINGLE『MIDNIGHT SUN』


KIZUNAとは打って変わってダークな世界観。収録曲は少ないが、インパクトは十分。

収録曲
1.SuperCali
2.Phobia
3.16(Sixteen)
4.Rose

 結成して以来初めてのライブツアーに合わせてプロモーション・発売されたシングル。収録曲は過去作と比較しても一番少ないが、それも納得できてしまうくらいの情報量を感じ取る事ができる。4曲全てにPVが作られており、JO1の運営の本気度が感じられた。当時のJO1の集大成であり、個人的に一番好きなシングルである。


おすすめ→SuperCali

 無限大の紹介にて「剥き出しのJO1を感じろ」という言葉を使ったが、この楽曲はそこからアップデートして「磨かれたJO1を感じろ」と言いたくなる。11人という大所帯をフル活用した魔法陣のようなダンスを皮切りに群舞を披露し、クラシックやEDMなどジャンルがコロコロと変わるサウンドに飽きが来る事はない。当時のJO1が出来る全てがこの曲に詰まっている。まさに代表曲の一つと言って良いだろう。
 運営からの信頼度も高く、クラシックアレンジやEDMアレンジなど様々な形で披露されているのも魅力の一つだ。これからも様々な姿を見せてくれるだろう。


7TH SINGLE『TROPICAL NIGHT』


前作の題名と反対の言葉を使っているタイトル。海外のライブに行く機会も訪れた。

収録曲
1.Tiger
2.Comma,
3.Trigger
4.We Good
5.Romance
6.Forever Here

 タイトル曲のTigerは野生味溢れる強気のダンスナンバーだが、実は名バラード二曲が収録されている(こちらはジャンル別の章で紹介予定)。収録曲は6曲の形に戻ったが、前作のMIDNIGHT SUNと同じく「磨かれたJO1」をさらに感じることが出来るだろう。
 Tigerはタイトルの繋がりから阪神タイガースの試合で披露する機会を与えられるという縁を齎した。この縁は一年後にサプライズを与えてくれるとは、当時のファンは誰も予想していなかった。


おすすめ→Trigger

 ライブで必ず盛り上げられる、題名の通りJO1にとって大きな武器となった曲。西部劇を連想させる曲調はJO1がこれまで挑戦してこなかったジャンルのため、世に出された時はさらなる進化を予感させた。その進化が年末のレコード大賞でお披露目される機会を得たのだから、2023年のJO1の勢いはまさにこの曲が象徴だったと言っても良いだろう。


3RD ALBUM『EQUINOX』


昼と夜を連想させたシングル2枚の総決算。タイアップ曲も多数収録。

収録曲
1.Venus
2.RadioVision
3.Dot-Dot-Dot
4.Fairytale
5.Itty Bitty
6.Mad in Love
7.NEWSmile
8.Gradation

 EQUINOXはJO1にとって初めてのユニット曲が収録されているアルバムであり、締めくくりとなるアルバムと思わせて挑戦欲を見せている。またこのアルバムではVenusとRadioVisionの二枚看板でテレビでの披露を打ち出しており、聴いているとウキウキしてくるRadioVisionとJO1ならではの儚い世界観を劇的に聴かせるVenusどちらも楽しめる設計だ。
 メンバーが主演を務めた映画の主題歌やニュース番組のオープニング曲と、様々なタイアップに富んでいる事を実感できる。


おすすめ→Mad in Love

 学園ラブコメドラマの主題歌を思わせる、甘くてハートフルでありながらしつこくない、何度でも聴きたくなるラブソング。これは個人の感想だが、初見の際に「嵐にとってのLove So Sweetが令和に生み落とされたぞ!!」と狂喜乱舞した。いつもはラップを歌っているメンバーも歌い上げるフレーズに挑戦しており、長く追っているファンも初見の方でも楽しめる、門戸が広い曲でもある。


8TH SINGLE『HITCHHIKER』


前作と打って変わってアメリカンなスタイルに挑戦

収録曲
1.Love Seeker
2.Test Drive
3.Sugar
4.Lied to you
5.Lemon Candy
6.Aqua

 デビューして4年という歳月が経ち、多くの経験を積んで大きくなったJO1が見せたのは「若さへの回帰」だった。ドーム公演やアジアツアー、レコード大賞の初出演、2年連続の紅白出演など、自分達の今に箔を付ける活動をこなしてきた中で、難しさやインパクトで圧倒するダンス曲ではなく、コミカルで人を楽しませる路線を選んだ。昔であれば若さで押し切ったであろうコンセプトを、経験と実力を持った今だからこそ説得力を合わせて押し出す。これこそJO1の新たなフェーズである。
 シングルとしては全体的に明るく、コンパクトにまとまっている印象。うるさすぎず小さすぎず、聴きやすいシングルである。


おすすめ→Love seeker

 これは音源だけでなく映像付きで楽しんでほしい楽曲。コミカルな振り付けに合わせたJO1のコロコロ変わる表情は一見の価値ありだ。JO1のメンバーたちもこの曲は手応えを感じているようで、パフォーマンスする彼らには自信が満ち溢れているように感じる。
 この楽曲を数多くの場で披露してきたタイミングで、Spotifyの月間リスナー数が初めて100万人の大台に乗った。この楽曲がJO1をどこまで押し上げてくれるのか、注目しよう。



最後に


 JO1の楽曲たちが徐々に多くの人達に見つかってきたのは、ファンの愛無しで語る事はできない。サブスクの楽曲リンクのシェアやShazamのシェア、Stationheadでのリスニングパーティー、ラジオリクエストやハガキでのお礼、CDの購入とそれを頒布する布教など、色んな人の勇気と愛が何年も醸成された結果である。そしてその勇気と愛はJO1がそこにいてくれたから生まれたと言えるだろう。
 これからJO1の音楽に触れてくれる方々の内、どれくらいの方が継続的にJO1を聴いてくれるかは分からない。それでも一音聴いた瞬間に「思ってたより良いな」と感じてもらえたならそれだけで嬉しく思う。今後もJO1ウォッチャーとして、彼らの曲は良いぞ!と文章を書き続けていきたい。


ミトラ



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