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ライフで受ける!漢気エイラビショップ

はじめに

こんにちは!MITOみとと申します。普段は関東圏でシャドウバースエボルヴを楽しんでいます。今回は9/18(日)に行われた第2回ナテラカップ(主催:結城ワタル さん)に持ち込んだデッキが思った以上に使って楽しいデッキだったため、感想noteを書くことにしました。ナテラカップとは?という方は以前の記事をご覧ください。
環境も末期ですが、来期のデッキタイプの礎になれば幸いです。

【注意】この筆者、最終的に「≪イージスビショップ≫が使える人はそっちがいい」と結論付けています。そこだけご了承の上で読んでいただけると助かります。
(記事を書き上げたうえで追記)

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動機

ナテラカップはBO3大会であり、2デッキを持ち込む必要があります。前回大会では、筆者は≪ミッドレンジロイヤル≫、≪秘術ウィッチ≫の2種類を持ち込みました。第2回となる今回、「せっかくだから別のデッキを使ってみたいなぁ…」なんて考えていた筆者、驚くべきことに気づいてしまいます。

「あれ、僕ビショップ使ったことない…?」

そうと決まったら話は早い。早速ビショップを使ってみよう!となり、現在の主流デッキタイプである≪イージスビショップ≫を組み、実際にプレイしてみたところ――

――考えられないくらいにプレイが下手でした…!

筆者の2弾環境でのデッキ使用歴が≪ミッドレンジロイヤル≫や≪秘術ウィッチ≫などの盤面デッキに偏っていたことがスペルコントロールを苦手としていた原因と思われます。

かなりハイレベルな交流ができるナテラカップで、下手な≪イージスビショップ≫を持ち込むのも経験値的にもったいないと考え、このデッキを持ち込むのは断念しました。
しかしながら、何とかしてビショップを持ち込みたい…と、考えていたとき、≪エイラの祈祷きとう≫をストレージで見つけ、これを主軸としたファンデッキを作ろう!ということで構築に踏み切りました。

デッキコンセプト

エボルヴにおけるリソースとは

デッキコンセプトの話をする前置きとして、エボルヴにおけるリソースの話をします。
筆者はエボルヴというカードゲームのリソースは大きく4種に分類できると分析しました。

  1. 体力(ライフリソース)

  2. 盤面(フィールドリソース)

  3. 手札(ハンドリソース)

  4. 進化(EVOLVEリソース)

その他にEXゾーンや墓場など、クラス固有のリソースがありますが、共通する部分は上記4種なので割愛します。
エボルヴの勝利条件は当然ながら相手の体力を0にすることであるため、全てのプレイヤーは相手のライフリソースを削ることを最終目標としていると言えます。そして、その目標を達成するためにその他のリソースを消費していくのが、エボルヴの基本構造です。

例)
・ハンドを消費してフィールドにフォロワーを展開し、ライフを削る。
・フォロワーを進化し、強力な効果でフィールドリソースを確保する。
・ハンドを消費してスペルを唱え、相手のライフにバーンダメージを与える。

ここで重要なことは、デッキタイプごとに得意なリソース分野が異なるということです。
分かりやすい例では、ロイヤルというクラスがあります。ロイヤルは≪フローラルフェンサー≫をはじめとしたフィールドリソースを確保することが得意なカードが多い一方で、自身の体力を回復するようなライフリソース関係のカードはありません。
他の例として、≪超越ウィッチ≫というデッキタイプを見てみましょう。≪超越ウィッチ≫はフィールドリソースを放棄する代わりに圧倒的ハンドリソースを得ることができます。
このように、デッキによって得意な領域は異なり、自分の得意な領域で相手とのリソース差を形成することがライフリソースを削るという最終目標に繋がります。

ライフリソースをトレードの基盤とする

ここからは、本題となる≪エイラビショップ≫に視点を移します。このデッキの最も得意なリソース領域はライフリソースです。本来、ライフリソースを失うことはゲームの敗北に直結するため、可能な限り避けなければならない事態です。しかし、≪エイラビショップ≫はライフリソースの回復手段が非常に豊富で、デッキ全体の回復総量は60点弱にいたります。当然、その全てを使うことは理論的に不可能ですが、それでもゲーム平均で10点以上の回復は安定して行うことができます。
≪エイラビショップ≫はこの豊富なライフリソースを相手が削っている間に、盤面展開・制圧をすることで勝利を目指すデッキコンセプトになっています。

デッキリスト

バージョン0

筆者が何も見ずに思いのまま組んだ構築。
2枚積みが多く、安定感に欠ける。

バージョン1(ナテラカップ直前)

バージョン0を一人回しや公認大会で使った結果を元に改良。
≪ヘヴンリーイージス≫を導入しフィニッシュ力を強化。

バージョン2(ナテラカップ本番)

ナテラカップで使用した構築(41枚)。
≪冥府への道≫によるリソース強化と≪ムーンアルミラージ≫による速攻性が魅力的。

バージョン3(第11回TRAIL EVOLVE CUP)

筆者の最終構築(41枚)。
進化フォロワーによる制圧を基盤とする。
≪アークエンジェル・レイナ≫の採用で経戦力を向上した。
当該大会で4-1の成績を残した。

以降の解説は、ナテラカップで使用したver.2および最終構築のver.3に採用したカードを中心に解説します。

採用カード解説

確定枠解説

確定枠11種。各バージョンで枚数は異なるが、このデッキの中核となった。

この項では、各バージョンにおいて必ず採用されていた11種のカードを解説します。

≪プリズムプリースト≫<3-1or2>

言わずと知れたビショップの≪メイドリーダー≫。任意のアミュレットをサーチして、序盤の安定化に貢献する非常に優秀なカードです。
≪イージスビショップ≫では、対面に応じて≪聖なる願い≫や≪守護の陽光ようこう≫、≪封じられし熾天使してんし≫をサーチしますが、このデッキではキーカードである≪エイラの祈禱≫に直接アクセスするカードとして運用します。基本的には、≪エイラの祈禱≫をサーチしましょう。例外として、アグロナイトメアなどの≪エイラの祈禱≫を使わない対面では≪冥府への道≫や≪夢想の白兎≫を優先サーチすることもあります。
当然ながら、このカード以上の初動はほとんどないため、最優先のマリガンキープ対象となっています。
以上のことから、最大枚数の3枚採用です。EVOLVEは中盤以降の面処理にはパワーが足りないため、1枚採用となりました(EVOLVE枠があれば2枚にしたいカード第1位です)。

≪ダークオファリング≫<3>

ビショップの≪ソウルコンバージョン≫とも言えるカードです。自分の場のカード1枚の自壊と引き換えに、3点回復とキャントリップを獲得します。
このカードが非常に強力な点として、Quickスペルであることがあります。後述するキーカード≪エイラの祈禱≫はターン毎に1回という誘発制限がありますが、この制限には相手ターンにも1回の効果誘発を認める公式裁定が出ています。したがって、Quick能力を持ったカードによって回復した場合、相手ターンにも拘わらず盤面が強化されます。この効果が、相手の有利トレードの計算を狂わせたり、【守護】フォロワーの場持ちをよくさせることにつながります。
また、検討枠で紹介する≪冥府への道≫には条件を満たすまで盤面を圧迫するというデメリットがあります。≪ダークオファリング≫はこのデメリットを解消する1枚としての役割も持っています。
そして、ロイヤル対面おいては盤面ロックや≪レオニダス≫ケアに使うカードでもあります。
あまりにも役割が多岐にわたるため、最大枚数の3枚採用。筆者がバンデット・キースならリストバンドに仕込むカード第1位になるかもしれません。

バンデット・キース・・・
『遊戯王』、およびそれを原作とするアニメ『遊戯王デュエルモンスターズ』の登場人物。声:駒田はじめ(現:駒田一)。
作中ではリストバンドにカードを仕込むなど、数々のイカサマを行った。

参考:キース・ハワード(遊戯王)

≪フロッグクレリック≫<3>

なぜか分からないけど出した瞬間にリーダー体力が2点回復します。回復をメインギミックとする≪エイラビショップ≫において、最も簡単に条件達成できるカードです。2PPという軽量フォロワー特有の小回りの良さを利用して、序盤・中盤に輝きます。
また、なぜか分からないけど2PP消費するごとにリーダー体力が1点回復します。そして、なぜか起動制限がないです。つまり、コストとしてPPを支払えば何回でも使えるという≪吸血姫・ヴァンピィ≫と同様の仕様となっています。余ったPPはこのカードの起動効果で体力に変換したりして、ライフリソースを確保したりします。
2PPの使いまわしの良さから3枚採用としていますが、進化フォロワーを軸とした戦い方を続けるうちに不要な場面が多くなっているカードでもあります。

ウマ娘 プリティダービーも含めたカードリストで確認したところ、このような実質的にターン制限のない起動効果は上記の2枚と≪サムライ≫、≪アサシン≫、≪ゴールドシップ≫だけでした。
上記の2枚以外はターン内に複数回起動することが現実的に不可能・無意味なため、≪ヴァンピィ≫と≪フロッグクレリック≫でしかお目にかかれないと思えます。

参考:起動効果を持つカードリスト

≪ユニコーンの踊り手・ユニコ≫<2-1>

2/2/2のエボルヴEフォロワーが比較的優秀であることは、≪アグロナイトメア≫の流行によってある程度周知の事実となりました。しかしながら、ビショップにおける2/2/2のEフォロワーは≪マイニュ≫・≪アーテンドシスター≫という苦笑いするしかないプールとなっていました。
2弾環境となり、≪ユニコーンの踊り手・ユニコ≫が追加されました。このカードの追加に喜んだコントロールデッキプレイヤーはそれなりに多いと思われます。
≪ユニコーンの踊り手・ユニコ≫は序盤のトレードに参加できるだけでなく、攻撃時に2点回復する効果があります。この効果により≪エイラの祈禱≫が起動するため、実質的に3(2)/4/4突進体力+2という強力なEフォロワーになります。序盤における盤面トレードで最も使いたい1枚です。
3-2枚採用も試したのですが、後半に行くにつれてスタッツ不足により有利トレードが困難になっていったため、≪ユニコーンの踊り手・ユニコE≫が他にEVOLVE枠を譲る形となりました。それに伴い、重複による事故を軽減するため2-1枚採用に落ち着きました。

≪ガーディアンシスター≫<3-2>

このデッキにおける3PP帯唯一のEフォロワーです。ビショップ3PPのEフォロワーは比較対象として≪鉄槌の僧侶≫がいます。≪イージスビショップ≫では≪ガーディアンシスター≫が採用されることは多くはないですが、≪エイラビショップ≫では進化時効果の2点回復がコンセプトにマッチしています。
先3ターン目≪エイラの祈祷≫→4t≪ガーディアンシスターE≫は非常に強力なセットアップです。ライフリソースを確保しながら4/5/6【守護】を着地させることができます。
進化フォロワーなので、当然突進効果が付与されますが、基本的にスタンド状態でターンを返すことが多いです。他クラスの例ですが、3/4/6【守護】の≪ルーンガーディアン≫や7/5/6【守護】の≪神龍E≫のスタンド置きが処理しづらいことをイメージすると、スタンド置きが強力なことが理解していただけると思います。
また、ビショップは5PP以降に強力な除去が多いため、一度盤面の優位を渡しても、後半に巻き返すことができます。これが≪ガーディアンシスター≫をスタンドしても許される根拠でもあります。
序盤・中盤に複数回使用することが想定されるため、最大枚数の3-2採用です。

≪エイラの祈祷≫<3>

このデッキにおけるコンセプトカードです。≪エイラの祈禱≫は3PPで設置するため、盤面優位を一時的に譲ってしまいますが、それに見合うリターンが得られるカードだと筆者は考えています。
理由として、≪ダークオファリング≫の項で先述した、相手ターンの誘発起動があります。≪エイラの祈禱≫は、設置するだけで自己・相手の往復1ターンの間に合計+2/2の全体バフをかけられることが最大の魅力です。+2/2がいかに強力な性能であるかを他のバフカードと比較してみましょう。

  • ≪ティターニアの妖精郷≫・・・妖精トークンを+1/1

  • ≪ブレスフェアリーダンサー≫・・・妖精フォロワーを+1/1

  • ≪王家の御旗≫・・・ロイヤルフォロワーを+1/1

  • ≪ココ≫・・・フォロワー1体を+2/0

  • ≪守護の陽光≫・・・守護フォロワーを+2/2

環境における主なバフカードと比較しても、対象条件がないこのカードは非常に柔軟なデッキ構築を可能としています。事実、≪エイラビショップ≫には優秀なニュートラルフォロワーを多く採用することが出来ました。
また、後述する≪カグヤ≫を運用するとき、≪イージスビショップ≫では3PPアミュレットの採用枠に悩まされることが多いのですが、≪エイラビショップ≫は≪エイラの祈禱≫自身がカグヤとの同時運用に非常に強力なシナジーを持っています。詳しくはカグヤの項で解説します。
コンセプトカードなので、最大枚数の3枚採用。アグロナイトメア以外ではほぼ全対面で最速着地を狙いに行きます。

≪ジャンヌダルク≫<2or3-1>

ビショップ屈指の強Eフォロワーです。ファンファーレで2点の全体除去AoE、2PP進化によりその効果を再度利用できます。この合計4点のAoEが非常に強力で、盤面で戦うアグロ・ミッドレンジ系アーキタイプの中盤展開をほぼ無価値にさせます。ビショップ相手には体力5点の面展開を心掛けろという教訓の元となるカードです。
そのような強カードである≪ジャンヌダルク≫ですが、普段注目されない効果として、他のフォロワーの体力を+2する効果があります。盤面で戦うこのデッキではこの効果の親和性が非常に高く、前のターンにスタンドで温存していたフォロワーの体力をバフして処理要求値を上げることで、相手の除去リソースの損耗を激しくさせることが可能です。≪ジャンヌダルク≫のAoEによって盤面を一掃された相手にとって、高体力のフォロワーは非常に重くのしかかります。
このカードの採用枚数は構築確定まで安定しませんでした。最終的に3-1枚採用となった理由として、AoEを必要とする対面である≪アグロナイトメア≫や≪ミッドレンジロイヤル≫では、ドロー枚数が少ない序盤で必要となるため最大枚数投入したいこと、後半になるほど回復を伴わない進化の価値が相対的に低下することの2点があります。後述する≪アークエンジェル・レイナ≫の採用によって1枚のEVOLVEを再利用できるようになったことも、EVOLVE枠の削減を後押ししました。

AoE・・・Area of Effect の略。TCGでは全体除去のことを指すことが多い。

≪レディアンスエンジェル≫<2-1>

≪ジャンヌダルク≫と同じ4PP帯のEフォロワーです。しかしながら、使用感は≪ジャンヌダルク≫よりも≪ガーディアンシスター≫に近いです。PPが1増えた代わりにキャントリップを持っています。このデッキはハンドリソースの損耗が比較的激しいデッキなので、このカードのようなキャントリップカードは縁の下の力持ちといえる存在です。具体的な運用方法は≪ガーディアンシスター≫の項を参照してください。
4枚目の≪ガーディアンシスター≫としての採用なので2-1枚。余談ですが、筆者は≪アークエンジェル・レイナ≫を含む構築ではどのクラスでも2-1採用を積極的に運用します。

≪破邪の光≫<2or3>

ビショップの確定除去です。TCGでは効果の文章が短いほど強いカードであるという風説がありますが、このカードはそれをよく体現しています。≪エクスキューション≫と同様の効果を発揮しつつ、なぜか2点回復がついています。また、消滅というゲームからの追放は除去の中でも最も強い効果で、2弾環境のTier 1である≪ミッドレンジロイヤル≫の≪レオニダス≫に対する明確なメタカードとして機能してくれました。
当然最大枚数の3枚採用…と言いたいところですが、バージョン3では≪エクスキューション≫に1枠譲る形となりました。筆者がこのデッキの練度に自信を持てず、≪レオニダス≫ケアを怠る可能性を考慮した結果です。3枚採用でも十分納得できる構築だと言えます。

≪カグヤ≫<2or3-1or2>

このデッキにおいて最も強力なEフォロワーです。ファンファーレで3PP以下のアミュレットを展開しながら盤面に3点の火力を飛ばすことが出来ます。また、進化時に展開されるトークンアミュレット≪うたかたの月≫も3PPのアミュレットであるため、進化時は合計6点の盤面火力となります。
そして、このフォロワーが最も強い点として進化時に3点回復があるという点があります。この効果によって、≪エイラの祈禱≫が誘発し、最終的な盤面状況は7/6/6【突進】(交戦ダメージ無効)、6点盤面火力、3点回復と、7PPとは思えないカードパワーを発揮します。
このカードは2弾環境初期、あまり評価されないカードでした。それは、3PP帯のアミュレットに強いカードが少ないからでした。既存のデッキタイプである≪イージスビショップ≫で採用されるアミュレットは≪夢想の白兎≫・≪聖なる願い≫・≪封じられし熾天使≫という≪カグヤ≫のカードパワーを十分に活かせるものではありませんでした(※)。その点、≪エイラビショップ≫は非常に強力なシナジーがあり、≪カグヤ≫を最も強く使えるデッキタイプであると言えます。
非常に強力なこのカードですが、弱点としてハンドリソースの損耗が激しい点があります。このリソース損耗によって、バージョン0,1の構築では終盤に息切れを起こし負けてしまう試合が多々ありました。その問題は検討枠で紹介する≪冥府への道≫によって改善されました。詳しくは≪冥府への道≫の項で解説します。
採用枚数はいろいろなパターンを試行しましたが、結局何度使っても強いカードだったため、3-2枚の最大採用になりました。

(※)最近では≪カグヤ≫のカードパワーが評価され、≪死の宣告≫を組み込んだビショップもよく見かけるようになりました。

≪ダークエンジェル・オリヴィエ≫<2or3>

環境が進むにつれて評価を高めていったカードです。非常に汎用性の高い効果が4種類も提示され、尚且つ2種類を選択できるため、柔軟性の塊とも言えるカードデザインになっています。
そのままでも十分強力なカードなのですが、このデッキでは更にもう一段階強さが上がります。それは3点回復が選択できることです。この効果によって、エイラ条件下では5/6/6という効果付きフォロワーの標準スタッツを上回るフォロワーとなります。2弾環境のプレイヤーには体力6の非進化フォロワーがどれだけ強力かは容易に想像がつくと思います(※)。また、相手のセルフハンデスを選択した場合、相手にこのカードの処理に貴重な確定除去+1枚のリソース損失を強要できます。リソース回復手段が乏しい≪イージスビショップ≫やドラゴン全般に有効なハンドリソースレースを、このカード1枚で達成できることは非常に強力です。
盤面に干渉できず、コストが重いカードであるため、2枚に削った構築も使いました。しかし、検討枠の≪アークエンジェル・レイナ≫を採用することである程度のコスト問題が解決したため、3枚採用に落ち着きました。

(※)各クラスには代表される除去カードに由来する一定の「除去ライン」と呼ばれるものがあります。
・エルフ・・・3の倍数~無制限(薔薇の一撃、クリスタリア・リリーなどのバウンス)
・ロイヤル・・・5点(アレキサンダー、レオニダス進化効果)
・ウィッチ・・・2or3点(デモンフレイムメイジEによるAoE、攻撃型ゴーレム、ファイアーチェイン、烈火の魔弾)
・ドラゴン(非覚醒)・・・2or5点(ブレイジングブレス、竜巫女の儀式、竜の怒り)
・ドラゴン(覚醒)・・・4or5点(ブレブレ覚醒、ヘルフレイムドラゴン、ファフニール)
・ナイトメア・・・2~無制限(ミミ、カムラ、ソウルディーラーなどの確定除去)
ビショップ・・・2,3,4~無制限(ジャンヌダルク、漆黒の法典、鉄槌の僧侶、破邪の光・テミスの審判などの確定除去)

上記の一覧を見ると、体力6のスタンドフォロワーを除去するためには2枚以上の除去を使用するか、確定除去を使用する必要があります。確定除去の採用枚数は限られており、それを1枚確実に消費させられる基準が体力6となります。

検討枠解説

バージョン2,3で検討したカード群。
それぞれのシナジーを検討し、10枚前後を採用した。

この項では、バージョン2、3で採用を検討した12種のカードについて解説します。パッケージ採用のカード群もあるため、コスト順不同で解説します。

≪夢想の白兎≫<1>

このデッキが41枚構築となってしまう元凶のカードです。このカードは≪ヘヴンリーイージスE≫の無敵効果を無効化できる唯一無二の効果を持っています。≪イージスビショップ≫が環境にいる以上採用せざるを得ないカードであると言えます。
特定のデッキに対するメタカードであるため1枚採用。≪プリズムプリースト≫で必要な時にサーチします。

≪見習いシスター≫、≪漆黒の法典≫<2>

2PP帯の2種ですが、役割は全くと言っていいほど違います。≪見習いシスター≫は≪フロッグクレリック≫の3,4枚目としての役割を持ち、このデッキのコンセプトとマッチしています。一方、漆黒の法典は2PPで消滅効果を運用できるため、≪ダークオファリング≫による≪レオニダス≫ケア後の最適解としての役割があります。
どちらも明確な役割があるため、採用には環境の状況とプレイヤーの使用感が重視されます。筆者は進化によってエイラ効果を誘発する形が肌に合っていたため、後者を採用しました。

≪鉄槌の僧侶≫<2-1>

3PP帯の標準的Eフォロワーです。スターターデッキに収録されているだけあって、素直な除去性能が手堅い評価を受けています。≪エイラビショップ≫はどうしても序盤に盤面優位を受け渡してしまうため、複数処理ができるこのカードの使用感は悪くはありませんでした。しかしながら、デッキ単位のシナジーがないこと、後半に手札に来ると使用するシーンが少ないこと、消滅効果は≪漆黒の法典≫で代用できることから最終構築では不採用となりました。

≪死の宣告≫、≪冥府への道≫

この2種は≪カグヤ≫のシナジーカードという共通した役割があります。
≪死の宣告≫の場合、先述した7/5/5【突進】(交戦ダメージ無効)、6点盤面火力、3回復に次ターンから自由に使える確定除去がくっついてきます。いつでも0PPで確定除去が撃てる状況は相手に強力なプレッシャーを与えることが出来ます。
一方、≪冥府への道≫の場合、3回復を自傷によって相殺する代わりに3枚ドローとピンチ時に使えるAoEを設置することが出来ます。
ここで問題となるのが、≪カグヤ≫のデメリットです。≪カグヤ≫は強力な効果の代償にリソース損耗というデメリットが付きまといます。筆者はそのデメリットを相殺どころか差し引き+1ドローという性能にしてくれる≪冥府への道≫をより高く評価しました。また、このデッキで≪ダークオファリング≫を運用する場合、盤面のカードを必ず1枚消費しなければなりません。その時に≪カグヤ≫で展開したアミュレットを選択するシーンが多く、せっかく設置した≪死の宣告≫がただの3点火力に化けてしまうシーンが多々見られました。≪冥府への道≫は展開した瞬間に最低限の役割を果たしているため、≪ダークオファリング≫との親和性が高かったです。そのため、最終構築では≪冥府への道≫単体の採用となりました。

≪エクスキューション≫<1>

アミュレットを除去できる汎用カードです。デッキのコンセプトからは外れていますが、≪ミッドレンジロイヤル≫の≪レオニダス≫をケアするために採用を余儀なくされました。基本的な運用方法は≪破邪の光≫と同様です。
メタカードであるため、1枚採用。

≪ムーンアルミラージ≫<2>

2弾環境ビショップではトークンを除いて唯一の【疾走】フォロワーでした。ターン終了時に4/7という高体力となることで、非常に除去されにくいカードです。構築段階の≪エイラビショップ≫では決定力を補う瞬間火力として採用していました。≪ギルガメッシュ≫より優先して採用したのは、余ったコストで回復ギミックを起動させることが期待できたためです。できれば採用したいカードなのですが、単体だと回復ギミックにタッチできない点、Eフォロワーとコストのかみ合いが悪かった点を考慮して少しずつ採用枚数が減少してしまいました。

≪ヘヴンリーイージス≫、≪守護の陽光≫

ある意味、筆者がこのデッキを作る元凶となったパッケージです。このパッケージの使用方法は≪イージスビショップ≫の記事を参考にするとよいでしょう(※)。着地することができれば非常に強力な盤面制圧能力を得ることが出来ます。筆者はこのデッキにフィニッシャー不足を感じていた時に出張させてみました。しかしながら、盤面を作るデッキコンセプトから、ビショップの伝家の宝刀である≪テミスの審判≫を採用できないことが手札のリソース温存を難しくしてしまい、≪ヘヴンリーイージス≫の特殊進化条件を厳しくしていたため、最終構築では不採用となりました。

(※)この部分もちゃんと書こうと思っていたのですが、よく考えたら、このパッケージをうまく使いこなせなかったからこのデッキを使っていることに気づき、執筆を放棄しました(笑)

≪アークエンジェル・レイナ≫、≪ルシフェル≫<2-1>

陽光イージスパッケージの代わりに最終構築に採用されたのが進化パッケージです。このデッキを試行していく中で浮上した問題として、EVOLVEデッキの枯渇が浮き彫りになりました。≪エイラの祈禱≫の起動トリガーはそのほとんどがEフォロワーに依存しているため、このデッキではほぼ毎ターン進化権を使用します。そのため、試合が長期化するにつれて、使い切ったEフォロワーがデッキの死に札としてドローの質を下げてしまいました。
そこで、≪アークエンジェル・レイナ≫によってEVOLVEデッキを回復するという思考にたどりつきました。この思考は、同じく試合が長期化する≪コントロールナイトメア≫の最新構築からヒントを得ました。実際、≪アークエンジェル・レイナ≫によって回復したPPによって≪破邪の光≫をはじめとした回復系Quickを構える動きは≪エイラビショップ≫のデッキコンセプトに非常にマッチしたものとなりました。
進化パッケージの採用に伴い、構築を大幅に変更する必要が発生しました。バージョン2から3に至るまでのリストの変更はほとんどこのパッケージが原因です。
≪ルシフェル≫の採用も、進化ギミックを最大限に利用するためです。≪ルシフェル≫は1弾環境初期の≪ランプドラゴン≫で採用がよく見られたカードで、攻防一体の非常に使いまわしの良いカードです。しかしながら、非進化状態では盤面干渉が出来ず、結局次のターンを待たずに倒されてしまい、十分なカードパワーを発揮することが出来ませんでした。2弾環境となり、0~1PPの≪アークエンジェル・レイナ≫を攻撃役とすることで2枚で攻防一体の動きを1ターン内で達成することができるようになりました。

不採用カード解説

この項では、バージョン更新の間で採用を検討し不採用となったカードや、構築段階でアンチシナジーを感じて不採用としたカードを紹介します。よって、実戦で使用していないカードも含みます。

≪聖なる願い≫
ビショップの代表的リソースカード。優秀なカードだが、テンポロスが盤面形成するデッキコンセプトに反するため、不採用となった。

獣姫じゅうきの呼び声≫
≪カグヤ≫のシナジーカード。≪カグヤ≫自体とは相性が良いが、≪エイラの祈禱≫を前提としているため盤面の圧迫がデメリットとなり、不採用。

≪テミスの審判≫
ビショップの特権である低コストバハムート。圧倒的な除去性能だが、自身の盤面も吹き飛ばしてしまうため、デッキ単位でアンチシナジー。1枚お守りで入れてもいいかもしれない。

≪封じられし熾天使≫
明確なフィニッシャーがいないこのデッキでは不要となった。10点回復も他カードで代用可能。

≪ヒーリングエンジェル≫
このデッキに非常に高い親和性がある。しかしながら、基本的にEフォロワーとしては≪ガーディアンシスター≫の下位互換であること、非進化の回復起動は≪フロッグクレリック≫でまかなえていることから不採用となった。


以上が、構築に関する解説です。
以降に書く内容は筆者の使用感や対戦経験をもとにした主観的記述です。ご了承ください。

相性

大雑把に言うと、≪イージスビショップ≫の相性関係をマイルドにした感覚です。≪イージスビショップ≫を使いこなせる方はそちらを使った方がいいでしょう。この部分は気が向いたら追記します。

エルフ→微不利
ロイヤル→微有利
秘術ウィッチ→五分~微有利?
超越ウィッチ→不明(おそらく五分?)
ランプドラゴン→微有利?
ディスカードドラゴン→五分~微有利
アグロナイトメア→五分~微有利
コントロールナイトメア→不利?
イージスビショップ→五分~微有利?

「?」がついている部分は主観が強いです。ついていない部分は5~10先をやってみての感覚なのでそれなりにまとまっていると思います。

おわりに

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。ビショップをまともに使い始めて10日程度で書いている記事なので、ビショップを使い慣れている方から見ると、違和感のある記述があるかもしれません。その場合は僕のTwitterかこちらの記事にコメントを頂けると嬉しいです。
このデッキを構築するにあたって、ゲームプランは≪秘術ウィッチ≫、サーチ基準は≪ミッドレンジロイヤル≫、≪ダークオファリング≫の盤面コントロールは≪コントロールナイトメア≫での経験が活かされました。様々なデッキを使用した僕の2弾環境のまとめとして、このようなデッキを構築できたことを幸せに思います。
最後になりましたが、このデッキを構築するモチベーションとなったナテラカップを主催していただいた結城ワタルさん、そして参加者の皆さんに厚く御礼申し上げます。

追記・修正記録

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