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ナテラカップ体験記―エボルヴのBO3は深い!

はじめに

自己紹介

初めまして!MITOみとと申します。普段は関東圏でShadowverse EVOLVE(以下エボルヴ)をしたり、りもえぼ!でリモート対戦をしたりしてエボルヴを楽しんでいます。
今回はエボルヴでは珍しいBO3大会、ナテラカップ(主催:結城ワタル さん)に参加してきたため、その感想を記録しようと思います。

そもそもBO3とは??

BO3と聞いて、アプリ版のシャドバをプレイしたことのある方はすぐに思い当たると思います。しかし、エボルヴにおいてはあまり扱われていない対戦形式ですから、改めてご説明させていただきます。

BO3とは「Best of 3」の略で、2つのデッキを持ち込み、最大3試合を行う2本先取の対戦形式を指します。TCGやDCGにおいては古くから使われている言葉のようです。BO3は単純に対戦数が多くなることから、より競技性の高い対戦形式と言えます。

一方で、エボルヴ公式大会はBO1(1デッキ、1本先取)を主体として行われており、現状においてBO3の知名度はそれほど高くありません。

BO3の形式としては1デッキ制、2デッキ制がありますが、当記事では2デッキ制について記述します。

参考記事:【シャドバ】BO3の対戦方式について解説|ルールや考え方など【シャドウバース】

BO1とBO3の違い

BO1とBO3には多くの違いがありますが、それらは全てデッキの持ち込み数に由来すると言っても過言ではありません。パッと思いつく項目を列挙するだけでも、

  • 2デッキを持ち込むため練習量が2倍に

  • 2デッキ分の相性評価を考える必要がある

  • 一度敗北しても、相手のもう一方のデッキに2デッキとも勝てればその試合に勝利できる(2タテ)

  • 考えられる対面が爆発的に増える…等々

と、BO1では考えられなかった項目が出てきます。

ちなみに、筆者は下2つの項目がとても大事な項目だと考えています。デッキの選択理由に大きく影響を与えるものであるため、こちらの記事を参考にすると良いと思います(今回は体験記をメインにしたいため割愛させていただきます)。

参加動機

さて、ここまでつらつらとBO3について紹介してきましたが、筆者がこの対戦形式になぜ参加したのかお話しします。
それは――Shadowverse EVOLVE Japan Championshipの対戦形式がBO3だから!

現在行われているShadowverse EVOLVE Grand Prixはすべてこの大会への参加権利につながる。

この事実、知らない人も多かったのではないでしょうか?
実は、筆者も福岡GPに参加したときのルール確認中に初めて知りました。

そして、前述したようにBO3は現状主流となっているBO1と戦略が大きく異なります。
今大会に参加する前に一度だけお遊びでプレイしたのですが、即座に練習が必要だと体感し、参加を決めました。

上記の大会においてBO3が2デッキ制という確証はありませんが、アプリ版の表現で浸透していることから、その確率は高いと考えています。

【2022/09/15 追記】Shadowverse EVOLVE Japan Championshipの正式な日程が公開されました。それとともに、BO3が2デッキ制であることも発表されました。

参考サイト:シャドウバースエボルヴ公式イベントページ

当日のあれこれ

使用クラス

筆者が持ち込んだクラスは、ミッドレンジロイヤル秘術ウィッチです。どちらもミッドレンジと呼ばれる中盤に強いアーキタイプと言えます。

アーキタイプ・・・デッキタイプのより根幹的な言い方。ゲームに勝つためのコンセプトを分類したもの。シャドバでは主にアグロ、ミッドレンジ、コントロール、コンボに分類される。

アグロ・・・序盤に積極的に相手リーダーの体力を奪い、6~7ターン目の勝利を目指すタイプ。アグロナイトメアなど

ミッドレンジ・・・中盤~終盤にかけてゲームの優位を形成し、継続的な優勢を保つタイプ。ミッドレンジロイヤル、ディスカードドラゴンなど

コントロール・・・相手の行動に対して防御や回復を駆使し、相手のリソース切れをターニングポイントとして形勢を逆転するタイプ。コントロールナイトメア、イージスビショップなど

コンボ・・・特定のカードに由来する、条件を満たすことによる勝利を目指してゲームを進行するタイプ。ローズクイーンエルフ、超越ウィッチなど

この選択をした理由は、

  • 広範囲の環境に対応できるオールマイティなデッキを持ち込みたかった。

  • 対戦回数が多いため、ある程度動きの期待値が高いデッキを持ち込みたかった。

  • 練度が高い2デッキだった(福岡GPに向けて調整していた2クラス)。

この3点が大きいです。BO1で常にTier 1(最も人気)であるドラゴンを外した理由は、上記の条件にマッチしなかったからです(単純に練度不足ともいいます)。

筆者の対戦結果

1試合目
vs.秘術ウィッチ・ハイブリッドドラゴン
ミッドレンジR―秘術W 後攻 負け
ミッドレンジR―ハイブリッドD 先攻 勝ち
秘術W―ハイブリッドD 後攻 負け

2試合目
vs.ローズクイーンエルフ・秘術ウィッチ
秘術W―ローズクイーンE 先攻 勝ち
ミッドレンジR―ローズクイーンE 先攻 負け
ミッドレンジR―秘術W 先攻 勝ち

3試合目
vs.ミッドレンジロイヤル・アグロナイトメア
秘術W―アグロN 後攻 負け
秘術W―ミッドレンジR 後攻 負け

4試合目
vs.ミッドレンジロイヤル・秘術ウィッチ
秘術W―ミッドレンジR 先攻 勝ち
ミッドレンジR―ミッドレンジR 先攻 負け
ミッドレンジR―秘術W 先攻 勝ち

総合戦績 2-2
ミッドレンジR 3-3
秘術W 2-3

試合結果からも分かる通り、いずれの試合も一度は負けてます。しかし、総合的には50%の勝率です。筆者は今回の持ち込みの結果として相応のものだと認識しました。

各試合の戦略

1試合目
相手の選出をドラゴンと予想しました。この予想の背景には、ドラゴンが出力にムラがあるデッキということがあります。試行回数を増やすことにより上振れの期待値を上げてくると読みました。したがって、こちらはドラゴンに対して先後ともに安定した動きの取れるロイヤルを選出しました。また、相手のウィッチが秘術だった場合、秘術ミラーによるプレイングの介入機会はとても少ないです(先攻有利)。今回の試合はドラゴンを2タテすることを目標に進行しました(実際はウィッチを先に選出されて負けました)。

2試合目
相手の選出に関わらず、秘術を選出しました。1試合目とは逆に、こちらの試行回数を増やしたいデッキを選出した形です。
この選出の根拠として、相手のクラス選択があります。相手クラスの1つであるエルフは、ローズクイーンを主軸としたコンボデッキです。そのリーサルターンは必然的に8ターン目以降になります。そして、その過程でコンボリーサル圏内の6~15点まで相手体力を奪う必要がありますが、守護フォロワーが多く並ぶ秘術に対して、この5点を捻出することは非常に困難です。
加えて、相方のウィッチクラスは超越・秘術のどちらかが予想されます。一見予想は困難ですが、超越のデッキタイプがコンボデッキであることをもとに仮説を立てました。前提として、コンボデッキはコンボ完成前にゲームを終わらせるアグロデッキを苦手としています。ローズクイーンエルフ・超越ウィッチというコンボデッキを2つ持ち込んだ場合、相手がアグロデッキを2つ持ち込んだ時点で試合に勝つことが極端に難しくなってしまうため、そのようなデッキ選択はしないのではないかと推測しました。前述のとおり、秘術ミラーはプレイングの介入余地が少ないため、今回の試合は秘術を多く試行し、上振れで早く抜けることを目標に進行しました。

3試合目
相手の選出に関わらず、秘術を選出しました。2試合目と同様の理由です。
加えて、対戦相手の方が隣の対戦卓でデッキタイプがアグロナイトメアであることを知っていたこともあります(※)。今回の自分の持ち込みではアグロナイトメアに勝つことは難しく、試行回数を増やすというありきたりな方針しか打ち出せなかったのが敗因だと考えられます。

※他の対戦の情報を取得することってアリなんですかね…?TCGやっていて歴が浅いので、ご意見いただければ幸いです。

4試合目
相手の選出に関わらず、秘術を選出しました。一貫して試行回数を秘術に優先する形です。今大会唯一のクラスミラーであり、先後決定後に分岐が起こりずらい対面だと認識していました。
秘術ミラー→先攻有利
ロイヤルミラー→後攻有利
ロイヤル対秘術→先攻有利
今までの対戦結果からしても、この認識はある程度の確証があると考えられます。

クラス使用率とクラス別戦績

クラス使用率。1位はロイヤル。
クラス組み合わせ。最多はロイヤル+ドラゴン。
各クラスの勝率。各クラス毎に対戦母数が異なることに注意。

結城ワタルさんのナテラカップに関する分布ツイートをもとに作成。

BO3をやった感想

BO3でしか味わえない駆け引きがある

ここからは僕の感想になります。
BO3で対戦した方になぜそのデッキを選んだか聞いたところ、

  • 1試合における試行回数が多いため、ドラゴンを持ち込んだ。

  • 長期戦になるため、ゲーム時間が短いアグロナイトメアを持ち込んだ

  • 練習したい2デッキを持ち込んだ

というように、様々な理由があったようで、とても参考になりました。特に、長期戦という大会全体を見た考え方は全く思いつかなかったです。実際にスイスドロー4回戦をやってみると、この考え方は大いにアリだなと感じました。

分岐が多い

1試合目、こちらの後攻1ターン目はクイックブレーダーでした。普段であればあいさつ程度にリーダーに攻撃するのですが、相手のリーダーがウィッチであることから攻撃を止めました。
結果論ですが、相手の次の動きは錬金工房だったため、この選択は正解だったと思っています。
このような分岐が、単純計算2倍になります。正直めっちゃ脳を使いました。アーキタイプが近い持ち込みですらかなりの消費だったため、極端なアーキタイプを握る方(エルフや超越、イージスなど)はもっと疲れるのではないかと思いました。

試合時間

今回は1試合70分で進行していました。公式フロアルールでは、1試合の対戦時間は25分に定められているため、フルセットで試合をすると、25-25-20の感覚です。僕の対戦は15分以上残して試合が終了していたため、ちょうどいいと思っていましたが、ビショップミラーの対面は制限時間をオーバーしていたようです。

相手を見ることも大事

これはBO3だけじゃなく、オフライン対戦全体にいえるかもしれません。
2試合目のエルフ持ちの方がリリーを使用した際、ファンファーレのサーチ効果の後うなだれていて、「あ、この人ローズクイーン落としたんだな…」なんてことが結構わかりやすかったです。裏を返すと、自分も見られているということを意識する必要があるのだと思います。

終わりに

結論から申し上げますと、まずはやってみてください。面白いです!
BO1ではどうしても相手が上振れた、自分が下振れたなんて話をよく聞きますが、BO3ではそこも計算のうちになります。より論理的な戦略と奥深さを味わえるでしょう。

最後になりましたが、今回貴重な対戦機会を提供してくださったナテラカップ及び主催の結城ワタルさんに改めて感謝申し上げます。

p.s.
この記事書いている途中に京都GP落選を知りました…w
次回の横浜GP2に向けて精進します…w

追記記録

2022/09/15 BO3が2デッキ制であることが公式から発表されたため、その旨を追記しました。



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