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採択者振り返り①佐藤宏夢さん

ここからは、MiTOHOKU Program採択者による振り返りを紹介していきます。1人目は、一関高専専攻科2年の佐藤宏夢さんです。佐藤さんは、自然のエネルギーを用いた新しい発電方法の実現を目指し、MiTOHOKU Programに採択。彼が注目した新しい発電方法とはどんな方法で今後どのように実現しようとしているのか、お話を伺いました。


プロフィール

佐藤宏夢さん
一関工業高等専門学校専攻科 システム創造工学専攻電気電子コース 2年

採択者紹介のnote

「雨」で発電するというアイデア

MiTOHOKU Program応募にあたり、佐藤さんが着目をした発電方法は、「雨」。授業で環境によい発電方法を調べていた時、身近にあって「押す力」を持つものとして「雨」の存在を考えたといいます。

「雨」という発想の原点は佐藤さんが生まれ育った環境にありました、佐藤さんの出身地は宮城県栗原市。奥羽山脈の中央部・標高1,626mの栗駒山のふもとに広がる自然豊かな環境で育った佐藤さんは、雨や風など天気のちょっとした変化を身近に感じてきました。

晴れた日には青空と山並みが見渡せ、雨が降れば水たまりができ、川の水量が変化する。そんな変化を感じながら育ってきました。

佐藤さんが撮影した故郷の風景。
冬に撮影したので田んぼに水はないが、春になると緑と水面が美しいという。


とはいえ、雨を利用した「雨滴発電」については、世界各国で構想や研究は進められているもののまだ実用化には至っていません。佐藤さんもMiTOHOKU Programの期間中に雨滴発電についての研究や実証を行いましたが課題も残ったと語ります。

最終発表会のスライドには「雨×発電で身近なhappyを増やす」というフレーズが登場。雨が降るとどんよりした暗い気分になる人が多い中、もし雨の日に発電出来て地球温暖化の解決につながれば、ハッピーになる人も増えるのではないかと考え、この言葉を思いついたと語ります。

初の海外で得たこと

佐藤さんは今回が初の海外。しかも飛行機に乗るのもはじめて。中国に行く前は不安だったといいますが、中国料理をおいしく味わい、多くのことを学び日本に帰ってきました。

中国で一番印象に残っているのが、学生ベンチャーとして創業した「KuuHub」。Kuuhubは10万人のアクティブユーザーを有し、ユーザーのアイデアやデザインの創造活動を収益化する仕組みを構築することで、クリエイティビティの普及を目指しています。研究開発や収益性を十分に考慮してから商品化を進める日本と比較すると、作りたいものを先に作るという中国のスピード感に圧倒されたといいます。

また、現地での意見交換では「中国には年間300日雨が降っている場所がある。太陽が出ないので太陽光発電は難しい。このような地域では雨滴発電の可能性があるのではないか」という指摘をもらい、海外での実用化の可能性に驚いたと話します。

MiTOHOKU Programの学びと今後に向けて

高専の学生として唯一採択された佐藤さんですが、他の採択者との交流がとても刺激になったと語ります。下川さんや鳥居さんなど、同じ工学系の大学院生の先輩からの助言や、また医療・福祉など工学以外の専門を持つ仲間との出会い、中国研修で夜遅くまで語ったことも印象に残っているそうです。

斉藤隆秀さんとのメンタリングについては、アイデアに加えてコストの面についても助言頂いたことを感謝していました。印象に残ったのが「MiTOHOKU Programの目的は起業ではなく成長」という言葉。起業は絶対ではなく、色々な人を巻き込んでプロジェクトを実現していくことの方が重要だということを感じたといいます。

卒業後は一般企業への就職を控えている佐藤さん。もともと、雨滴発電のプロジェクトについては入社して数年してからやってみようかなと思っていたそうですが、「MiTOHOKU Programで見通しが明確になった。今のうちから行動し、入社直後から新規事業として提案していきたい」と力を込めて話しました。特に計画力・決断力・実現力はもっとギアを上げて高めていきたいと話していました。

MiTOHOKU Programを通して視野を広げ、将来の道筋が明確になった佐藤さん。高専以外の学生との交流もとても刺激になったそうです。就職して実社会に出た後、どのようなことを実現していくのか、ますますの成長が楽しみですね!


<MiTOHOKU Programの運営体制>

主催:
株式会社Wasshoi Lab

共催:
manordaいわて株式会社、七十七リサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社日中BHEコミュニケーションズ、株式会社オーナー、国立大学法人東北大学、国立大学法人岩手大学、一関工業高等専門学校

特別協力:
株式会社七十七銀行、株式会社岩手銀行、仙台市、盛岡市、一関市

協力:
一般社団法人EO North Japan主催 GSEA東北大会、NPO法人学生ネットワークWAN主催 学生エバンジェリストアワード、研究コミュニティ ミツバチ

経済産業省
令和4年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト 採択事業


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