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採択者振り返り⑤AILE

MiTOHOKU Program採択者による振り返り。最後は唯一チームで採択された「AILE」です。高齢化が進む中、介護問題を解決することを目指して活動するAILE。最終発表会では見事最優秀賞とオーディエンス賞を受賞しました。この半年間、チームでどう協力し、何を成し遂げることができたのか。リーダーの下川大輝さんにお話を聞きました。


プロフィール

 
AILE
下川大輝さん・横川裕大さん・平山英幸さん・高橋健吾さん・佐藤志保さん・柏田祐樹さん

(東北大学大学院医学系研究科)


半年間で起こったプロジェクトの進化

AILEは高齢者の心身が老い、衰えやすくなった「フレイル」という状態に着目し、「フレイル」の状態を早期に発見するテクノロジーの開発を進めてきました。

MiTOHOKU Programに採択された時のインタビューで、「研究開発については経験があるものの、販路や広報の方法など、ビジネス的な視点を踏まえてどう社会で実用化していくかについては課題を感じていた」と話していた下川さん。

技術はあるものの、サービスを提供する対象は個人か法人か?医療、福祉どの領域で展開するのか?など様々な検討すべき課題が残っていたそうです。

そんな中、迎えた中国渡航。代表して下川さんが中国を訪問しましたが、自分たちの事業に可能性を感じたといいます。一人っ子政策の影響で今後高齢化が進んでいく中国。高齢化が進んでいる日本の状況については注目されており、「ぜひ中国で事業をやってほしい」という声も頂いたそう。日本の中でも高齢化が進んでいる東北から事業を創る意義を感じたといいます。


チームの専門知識を生かす


AILEの強みは、チームに多様なメンバーがいてみんなで業務を分担しながら進められるということ。下川さんは「医師や看護師という現場をわかる人と、画像解析、データ解析など技術に強いメンバー、リサーチやロジカルシンキングが得意な研究者もいる。違う背景を持った多様な専門性を持つメンバーが集まっているのが強み」と話しています。

メインメンターとのメンタリングは基本的に全員が出席し、月に2回程度実施しているミーティングで進捗を共有。ビジネスサイドを強化するため、プロジェクトマネジメントの経験を持つ柏田祐樹さんを新たに迎え入れました。

そしてMiTOHOKU Programの期間には、自治体のニーズを探るため、全員で自治体への訪問・ヒアリングを実施。すると自治体が介護の予防に強い課題を持っていることを理解し、AILEとしても高齢者のデータが取れるため、自治体との連携は大きな可能性があるということを感じたそうです。

最終発表会ではAIを利用した画像解析の様子や自治体と連携した事業プランを披露し、最優秀賞・オーディエンス賞のダブル受賞となりましたが、特に「オーディエンス賞」の受賞が嬉しかったそうで「初めて自分たちのプロジェクトを知ってくださった人がいいね!と思ってくれたことはうれしい」と振り返りました。

最終発表会でプレゼンテーションを行う下川さん


MiTOHOKU Programの学びと今後に向けて

MiTOHOKU Programを経て、やりたいことが明確になり、そして事業化に向けた道筋も見えてきたという下川さん。

また、プログラム期間中に本気で向き合ってくれるメンターの存在や、色々な人と関われたことに感謝をしていました。採択者の中では最年長だったということもあり、高校生、高専生、大学生、大学院生など幅広い世代の仲間たちから刺激を受けたといいます。

普段博士課程の学生として研究に向き合う中で、学外のプログラムに参加してどうだったか聞いてみると、「研究に特化していないプログラムだったので新たな発見があった」とのこと。

研究の場合は先行研究が基盤にあって物事を考えていくが、MiTOHOKU Programのように「前人未踏」のアイデアに挑戦するプログラムは「全く新しい可能性を生み出せると感じた」と話していました。

MiTOHOKU Programを経て進化したAILEのこれからが楽しみですね!

さて、これにて採択者の紹介もすべて終了し、2023年度のMiTOHOKU Programのnoteの投稿も最後となりました。7月から2月まで、30を超える記事を投稿し、MiTOHOKU Programのプログラムの内容や採択者のみなさんのストーリーをお伝えしてきました。

東北から「前人未踏」の挑戦をする採択者たちの思いが少しでも読者の皆様に伝わっていれば幸いです。これからもMiTOHOKU Programをよろしくお願いいたします!



<MiTOHOKU Programの運営体制>

主催:
株式会社Wasshoi Lab

共催:
manordaいわて株式会社、七十七リサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社日中BHEコミュニケーションズ、株式会社オーナー、国立大学法人東北大学、国立大学法人岩手大学、一関工業高等専門学校

特別協力:
株式会社七十七銀行、株式会社岩手銀行、仙台市、盛岡市、一関市

協力:
一般社団法人EO North Japan主催 GSEA東北大会、NPO法人学生ネットワークWAN主催 学生エバンジェリストアワード、研究コミュニティ ミツバチ

経済産業省
令和4年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト 採択事

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