葉桜の季節に君を想うということ

※Amazonのリンクを貼ったのですが、レビューでのネタバレがひどいのでこれから読もうと思っている方はご注意ください!(読者を騙すための作品なので事前にトリックがわかると面白さ半減します…!)

叙述トリックものとしては超有名作品で、タイトルも綺麗だし読んでみたいとずっと前から思っていた作品でした。

読書して夜更かしするといった経験を今までしたことがなかったのですが、この作品は面白すぎてやめ時がわからず、気づいたら最後まで読んでいました。読み始めたのが0時頃だったので、4分の1くらい読んで寝るかと思っていたのに…。


作品の評価としては賛否両論で、アンフェアだという声があったり、タネがわかってから読むとそれってどうなの?みたいな描写が結構多いんですけど(それもすごくわかる)、わたしは気持ちよく騙されたのでオールオッケー!と感じました。トリックの仕掛けが明かされたときの今まで想像していた世界が一気に崩れ落ちひっくり返る感覚、たまらなく気持ちよかったです。

実はヒントや伏線も散りばめられていて、注意深く読んでいる人はトリックに気が付くかもしれないんですが(その分明らかに読者を騙すためのミスリードを狙った文章もチラホラあります)、トリックが二重三重に張り巡らされているので、核のトリックがわかっても全体像までわかる人っていないと思いました。もう1ページ目から仕掛け発動してるのとかやられたーーー!!!ってなりましたね。

叙述トリック自体もそうなんですが、単純に話の構成もとても上手くて、バラバラの時系列で一見関係ないように思える話が終盤一気に1つになるのがすごく良かったです。ミステリー作品なので全部関係ある話だろうなというのはわかるんですけど、そういう繋がり方なんだ!ってスッキリします。

終盤一気に畳みかける感じで前半とかは物語の繋がりもよくわからなかったり、波がなかったりするのでちょっと退屈かもしれませんが、文章のテンポがすごく良いのでサクサク読めました。まあミステリーなのに前半ほぼ登場人物の会話劇で何も起こらないっていうのはクリスティで慣れたところあります。

ネタバレを避けようとすると何も具体的なこと書けないんですけど、本当にできる限り事前知識なしで読んだ方が気持ちよく読めるので、絶対にAmazonレビューは読まないでください。あらすじも読まない方がいいという声がありますが、あらすじは別に読んでもいいと思います。

コロナで楽しいことないなーーーと気が滅入る日々でしたが、久々にのめりこんで読めたのですごく楽しかったです!!おススメです!

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