歌舞伎町シャーロック 囚人モリアーティ 解放のXデー/森晶麿
モリアーティの刑務所での生活は、囚人たちに可愛がられる毎日。だがアルバートや一色たちとの出会いから、彼のゲームは始まっていた――少年から青年へ変貌を遂げた空白の10カ月を描くファン垂涎の1冊。
アニメの感想はこっちに書いている。
わたしの中で歌舞伎町シャーロックというアニメは、少し前のわたしみたいな山下誠一郎さんの演技に興味を持った人には真っ先に勧めるし損はさせないが(ツイステのエースに狂わされてるオタク全員歌舞伎町シャーロックを見ろと言いたいレベル)、作品としては1つ1つの要素はエキセントリックで面白いけれど、それらが上手く噛み合っていなくて惜しいという評価である。奇抜な要素が色々あるせいか要素が喧嘩しており、どちらかを立てればどちらかが描写不足になってしまうところがあった。でも単体で抜き出すと面白いのが惜しいんだよな……。
あらすじからわかる通り、アニメではサラッとした描写しかなかったモリアーティの刑務所生活を描いたものだった。個人的にはアニメの12~16話くらいの内容こそ小説やOVAに、この小説の内容をアニメでやれやと思わなくもなかったが(やっぱりモリアーティと探偵長屋の要素が喧嘩してるんだよな…)、小説という媒体だからこそクリミナルマインドのような描写のオンパレードでこりゃアニメじゃできんわ……と思った。バラバラ殺人の犯人とかキャラ造形めっちゃクリマイでありそうだと思った。
個人的にはモリアーティをもっと上手いこと解釈できる材料が欲しいなと思って読んだのだけど、小説の中身としては終盤に彼が起こす事件の仕込みについて描かれているので、ちょっと想像してたのと違ったなーという感じはあった。だけど重要な話であることは間違いないので、この中身の半分でも本編でやっといてよ!!!と思った。まあモザイクかけないと無理なんだけど……舌切ったのはマジでビックリした。治安がクリミナルマインドだよ……。
凄惨な描写もあるが、全224ページで短めだし、これアニメで見たというシーンも多々あるためものすごくサクッと読める。気づいたら読み終わっていてびっくりした……。
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