むしゃさんへの思いをぐだぐだと
武者小路実篤とのエピソードをだらだら書きます。
前回むしゃさんへの愛を書き出したら止まらなくなり、時間の制約があったので全然まとまらないまま無理に終えてしまった。何故好きなのか、結局謎すぎた・・・。
(ちびたちがせめて1時間早く寝てくれたら…と残念)
その後ずっとむしゃさんとの思い出(一方的)で頭をぐるぐるさせていたので、消化不良のまま適当に書き散します。
*最初好きになったのは、自殺してないから*
中二でそれなりの文学少女をしてた私は、あることに気がついた。
文学者、自殺した人多すぎ!!(芥川、太宰、川端、有島、三島などいっぱい!)
人生について、文学者は深く考えているであろう。
その人が自殺するってことは、人生って生きてる意味がないのか!?
死んだほうがマシなのか!?
そんな折、ふと読んだむしゃさんはごきげんに長生きしていた。それで私はとてもほっとした。
ちなみにむしゃさんの親友、志賀直哉や里見弴らもとても長生き元気。
白樺派といわれる彼らは自由や個性をうたい、のびのびとしていたせいか、長命なかたが大変多い。
文壇派閥別平均寿命大会とかやったら、優勝するんじゃないかなあ。
(補足。自殺した有島武郎も白樺派にカウントされがちだけど、たまに寄稿するお客分の扱いなのでちょっと別枠)
*こんな単純でいいんかい!からの好き*
最初に「友情」を読んでみて、びっくりした。
こんな単純でいいの?
文、飾らなすぎ。
主人公、馬鹿すぎ。
展開、ぐだぐだすぎ。
主人公、単純すぎ。
オチ、分かりやすすぎ。
主人公、おばかすぎ。
主人公・・・おばかすぎてすき・・・
文句を言いつつ読みきってしまう力があった。
なんでしょう?謎の情熱?うざい主人公が人間臭さすぎて、だんだん好きになってしまう。
(けど「友情」読んだから武者小路知ってるっていう人はもったいない。もっとむしゃさんはすごいのいっぱいあるから)
*むしゃさんの詩の謎な魅力*
ほとんど知られていないが、むしゃさんは詩をいっぱい書いた。これを詩と呼んでいいんかい?という変なのも多い。私は詩でむしゃさんに完全にはまった。
たとえば「死ぬ淋しさ」という題の詩。以下全文。
死ぬ淋しさ
一寸は味わっても見たい
死ぬ時は。
はあ、そうですか。という感じ。
そして次のページに「だが」という題の詩。以下全文。
だが、一寸でも味わったら
参るだろうな。
味わわぬにこしたことはないかも知れない。
え?二つの詩で繋がってる?
そして結局、まあ、そうですね。という感じ。
こういうのを頭で考えて技巧でやるんじゃなく、自由すぎてなっちゃった感じが面白い。ただただ本音。誰かにかっこいいって思われたいとか、賢ぶりたいとかもないのがすごい。
いつも真剣だし本音だけど、余裕で矛盾しちゃう心の広さorとんちんかんなとこがかわいい。
武者小路実篤の研究の第一人者の本多秋五さん曰く「おどろくべき繊細な自己意識と、途方もない無神経」の結合から生まれる妙味があるらしい。(ちょっと賢しこぶってみた。)
むしゃさんの詩はさっきのような短いものと、うらしまたろうをなぞってそのまま全部詩だと言い張る長いものもある。
どっちもへんてこで面白い。
短いのは全文引用↓ それがどうしたってタイプのがじわじわ好き
「俺は、俺は」
俺は、俺は、と言うと気がひける
春の日
長いのは一部ちょこっと↓ 自分で自分を鼓舞する系が得意なむしゃさん
「誕生日に際しての妄想」より
馬鹿だと思われないように、
謙遜なことを言いながら、
大きな夢をみて他人のことを心から冷笑している汝よ。
早く汝自らを冷笑せよ。
意気地なし、弱虫、あきらめのわるい奴
むしゃさん曰く、「言葉に羽が生えると詩になる」と。
これは珍しくいいこと言ってるね、と評論家のおっちゃんもほめてくれてる。
あと、現代だったらむしゃさんはツイッターで活躍してると思う。思ったことガンガン書くタイプだから。そしてじゃんじゃん炎上しそう。
***
むしゃさんつれづれ文を書き出して、何故かもう一週間以上経過してしまった。その間、他の文も書けてないし、何してるんだ自分?むしゃさんにとらわれすぎた!
下の子が歩き回っていたずら三昧だし、上の子は半径1メートル圏内からずっと自分だけを見ててほしいしで日々がへとへと。更に昼も夜もなかなか寝てくれず。兄弟は交代で寝ずの番をするつもりらしいが、母はひとりになりたいし、寝たい・・・。
なので、この3倍書きたいこと箇条書きがあったけど、そろそろいったん切ります。
***
最後に結婚式のむしゃさんケーキの話。
今から5年前、結婚式をしました。
その時、ブック型のケーキにして、むしゃさんのよく書く言葉を拝借させてもらった。(もとはゲーテの言葉だった説もあり)
見にくいですが、右に書かれてるのがその文。
その隣にチョコでサインするところ。
参列してくれた友人らには「またむしゃさんかい!」と笑われた。
「天に星 地に花 人に愛」普通にいい言葉だと思うけど、どうでしょか?
ところで、るいすさんの「あったな選手権」が我が家でブームです。(るいすさんちほど和やかにいかず、すぐお互いマウントをとるのが難ですが)
読んで字のごとく、相手に「あったな!」と言わせれば勝ち。共有している思い出の重箱の、隅をつっつき、ほじくり出し、「うわーー!!!そんなこともあったな!!」と言わせる。ただそれだけのゲーム。
で、この写真を探してて、だんなに「むしゃさんケーキのこと覚えてる?」って聞いてみた。
だんな「あー!あったなぁ!」
私「やった!勝った!じゃあ、なんて書いてあったか?」
だんな「・・・花に、水・・・」
なんとまあ、だんなは「花に水」ケーキに誓いのサインをしていたのか・・・
さすが文学力を他に全振りしてしまっただんな・・・むしゃさんもびっくりだよ。
でもむしゃさんならたぶん、そっからまた新しい詩を書いてくれるのでまあいいや。
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