#3 2021-5-26
1.ウィルスの純粋化について
きっかけはコチラ
「技術的に難しい」
ここに引っ掛かりを感じた
今巷では「ウィルス=エクソソーム」という認識が広がりつつある
大きさも機能も成分も類似点が多いことに由来するが、ウィルスの単離が技術的に難しいならエクソソームの単離もできないのか?
そこが大いなる疑問だった
そこで検索をかけてみたら以下の通りだ
ほぼ同じ大きさのはずのエクソソームに関しては単離方法が一発Hitである
従って技術的に不可能という言い訳は許されない
おそらく言い分として、厚生労働省のページにある通り「バイオセーフティレベル3以上の厳格に管理された環境でなければ扱えないから」、というのだろうが、正直「一回普通に扱ってみれば?」の一言である
2.ウィルスの手続き
ウィルスの単離で検索されたこちらのページを解読する
大分類で7つの工程があるようだ
・Nucleic Acid Isolation from Viral samples
・遺伝的ウィルスの検出
・シーケンスの為のライブラリ作成
・ウィルス粒子の精製
・相互作用解析
・フローサイトメトリーによるウィルスの解析
・ビリオンの精製
ウィルスの「分離」を主張するこちらの論文も検証しよう
この論文は国立感染研が、20年3/16に分離を主張した論文でもある
SARS-CoV-2は、VeroE6、Huh7、またはヒト気道上皮細胞を用いて分離可能であるが(2-4)、ここでは、人工細胞株であるVeroE6/TMPRSS2がSARS-CoV-2の感染に非常に感受性が高いことを示している。これは、SARSCoV-2の感染においてTMPRSS2が重要な役割を果たしていることを示唆しており、このウイルスの分離および増殖にTMPRSS2が有用である可能性を示している。
これまでの研究(5,6)では,系統的に関連するSARS-CoVが,in vitroおよびin vivoでTMPRSS2によってタンパク質分解的に活性化されることが示されている。
そこで,TMPRSS2を構成的に発現しているVeroE6/TMPRSS2細胞を用いて,SARSCoV-2の分離を試みた。VeroE6/TMPRSS2細胞におけるTMPRSS2のメッセンジャーRNAの発現レベルは、正常なヒト肺組織や他のヒト細胞株に比べて約10倍高い(図1A)。
SARSCoV-2は、SARS-CoVと同じ受容体であるACE2を使用しており(2)、VeroE6細胞ではACE2の発現が非常に高い(7)。
7人のSARSCoV-2感染者から得られた7つの臨床検体(咽頭ぬぐい液または喀痰)をVeroE6/TMPRSS2細胞に接種し,細胞変性効果(CPE)を毎日モニターした。
本研究は,国立感染症研究所の倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号1091).
試料提供については,被験者を得たすべての参加者,またはその法的に認められた代理人からインフォームド・コンセントを得た。7名のうち5名の症例では,感染後2日または3日(p.i.)目に,剥離・浮遊(黒矢印,図1B)およびシンシチウム形成(白矢印,図1B)を伴う明瞭なCPEが発症した(表1).
感染後3日目の5例の培養上清中のウイルス力価は,4.6×106~6.8×107(組織培養感染量(TCID50)の中央値)/mLであった(表1).
電子顕微鏡で見ると,典型的なコロナウイルスの粒子が検出された(図1C).症例Wk-521の次世代シークエンス(NGS)では,SARSCoV-2のほぼ完全なゲノム配列が99.9%以上の相同性で検出された(1,2)(GISAIDデータベースID EPI_ISL_408667).
予期せぬことに、NGSデータはVeroE6/TMPRSS2細胞からの汚染されたマイコプラズマの配列(Mycoplasma hyorhinisとMycoplasma arginini)を示していた。SARS-CoVを持続感染させたVeroE6細胞のCPEは、Mycoplasma fermentansの感染によって増強されたが(8)、この細胞株におけるSARS-CoV-2関連のCPEに同様の状況が存在するかどうかは不明である。
ウイルス分離に用いた臨床検体中のウイルスRNAコピーは、リアルタイムRT-PCRによって推定された(9, 10)。予想通り、p.p.2日以内にCPEが発症した臨床検体のウイルスRNAコピーは他の検体のそれよりも多かった(表1)。
VeroE6/TMPRSS2細胞は,本研究で試した他の細胞株よりもSARS-CoV-2の分離に優れていた.
以前の報告(2, 4)と同様に、Vero、Calu-3、A549細胞の48時間後の培養上清中のSARS-CoV-2 RNA量は少なく、VeroE6細胞を用いた場合には測定可能なほど高かった。
しかし、VeroE6/TMPRSS2細胞の培養上清に含まれるウイルスRNAコピーは、VeroE6細胞からのものに比べて100倍以上多かった(図1 DおよびE)。SARS-CoVのデータは、TMPRSS2がその侵入効率を高めることを示している(5, 11)。VeroE6およびVeroE6/TMPRSS2細胞に、10倍に希釈したSARS-CoV-2サンプルを感染させ、感染した細胞を間接免疫蛍光法で可視化した(図1E)。
その結果、VeroE6/TMPRSS2は、親のVeroE6細胞に比べて、SARS-CoV-2に感染した細胞の数が約10倍多いことがわかった。これらのデータは、SARS-CoVと同様に、TMPRSS2もSARS-CoV-2の細胞侵入に重要な役割を果たしている可能性を示唆している。
ゴチャゴチャ長いので要約すると
・人工細胞株であるVeroE6/TMPRSS2がコロナウィルスの培養に有利
・7人の「感染者」から得られた咽頭ぬぐい液/喀痰をVeroE6/TMPRSS2細胞に接種し,細胞変性効果を見た
→2,3日でCPEが観測された
・アクシデントとして、元々の培地であるVero~にマイコプラズマの汚染が確認された
→CPEに影響するかが不明
・TMRPSS2が、ウィルスの細胞への侵入の手助けをしていると思われる
まず用語を一つ一つ確認していく
細胞株: (Weblio辞書より)
実験室の試験管の中で、人工的に維持される不死化した細胞。
通常は一種の癌細胞
生きた細胞を試験管の中で飼育していても、普通はある程度以上は生き伸びないで死滅してしまう。これを実験操作でいつまでも生き伸びる細胞を作った場合、細胞株ができたという。
CPE: Cytopathic effect:細胞変性効果 (Wikipediaより)
ウイルスの侵入によって引き起こされる宿主細胞の形態変化のこと。ウイルス感染により、宿主細胞が溶解する場合や、細胞の複製が阻害され溶解せずに細胞が死滅する場合がある
ウイルスが宿主細胞にこれらの形態学的変化を引き起こす場合、細胞変性性がある(cytopathogenic)と言われる
VeroE6:(JCRB細胞バンク)
アフリカミドリザルの腎臓細胞
TMPRSS2:(国立感染症研究所)
呼吸器上皮に発現している宿主のタンパク分解酵素のひとつ
要するに
VeroE6/TMPRSS2とは
→人工的に不死化させたミドリザルの腎臓細胞にタンパク質分解酵素を発現させたもの
といえる
まずツッコミどころとして
・VeroE6/TMPRSS2細胞におけるTMPRSS2のメッセンジャーRNAの発現レベルは、正常なヒト肺組織や他のヒト細胞株に比べて約10倍高い
・SARSCoV-2は、SARS-CoVと同じ受容体であるACE2を使用しており(2)、VeroE6細胞ではACE2の発現が非常に高い
以上2点から、VeroE6細胞を使用することが、「ACE2受容体の発現」という実験者の目的に有利だというバイアスが伺える
我々はサルではない
この時点で実生活に即した実験でないのは明白である
そしてこちらの厚生労働省のページに、培地の扱い方について記載がある
※PBS:Phosphate-buffered saline:リン酸緩衝生理食塩水
この緩衝液は生体内で普遍的に見出されるイオンで構成される為に無毒であり、等張になるように調製されて細胞洗浄溶液として用いられる。加えて、付着したり凝集した細胞を遊離させる為にも使われる。
輸送培地はこの場合、被験者から採取した喀痰を保管しておく為のものと伺える
ここに思いっきりペニシリンとストレプトマイシン(それぞれ抗生物質)の記載がある
生理食塩水でこれら抗生物質が洗い流せるのだろうか?
また、維持培地とは、
7人のSARSCoV-2感染者から得られた7つの臨床検体(咽頭ぬぐい液または喀痰)をVeroE6/TMPRSS2細胞に接種し,細胞変性効果(CPE)を毎日モニターした。
とある通り、喀痰を腎臓細胞にぶち込んだ後、その状態を固定させる為の培地と伺える
「コロナウィルスは分離されていない」と一部の識者が指摘するのは、
・この「分離」の手続きが明らかに妥当なものではなく
・電子顕微鏡で観察されたものが、元々の喀痰に含まれていた保証がどこにもなく
・これら抗生物質に触発されて、腎臓細胞側から飛び出してきたエクソソームではないか?
ということだ
>予期せぬことに、NGSデータはVeroE6/TMPRSS2細胞からの汚染されたマイコプラズマの配列(Mycoplasma hyorhinisとMycoplasma arginini)を示していた。
そしてここが意味不明である
それぞれ調べたところ
Mycoplasma hyorhinis↓
Mycoplasma arginini↓
まず、培地にサルの腎臓細胞を使っているだけで意味不明な上に
何故豚と牛由来の細菌が紛れる!?
JCRB細胞バンクより
(2月8日)現在緊急対応として増殖を進めている本細胞において、マイコプラズマが検出されました。検査は簡易検査(マイコアラート)で実施しております。今後の細胞分譲に関してはマイコプラズマ感染した細胞でも利用希望される方に提供を継続します。細胞バンクでは細胞のマイコプラズマ除染も開始しましたので、除染された細胞を御希望の方は提供まで3か月程度かかってしまいます事、予めご了承ください。
(3月11日追記)現在、マイコプラズマ除去処理し簡易検査(MycoAlert)により陰性確認したロットが作製できております。
通常はこのまま3か月間継続培養を行い、マイコプラズマが再検出されないことを確認してから分譲実施しますが、今回の細胞に関しては、このような状況であることをご承知の上、希望される方には分譲を実施させて頂きます。ご希望の場合は細胞バンクまでお申し込みのうえ、ご連絡ください。
(4月23日追記)現在、60日間の継続培養を実施し、簡易検査(MycoAlert)およびNesuted-PCR、DNA蛍光染色法により陰性が確認できています。このまま3か月間継続培養を行い、マイコプラズマが再検出されないことを最終確認します。今回の細胞に関しては、このような状況であることをご承知の上、希望される方には分譲を実施させて頂きます。ご希望の場合は細胞バンクまでお申し込みのうえ、ご連絡ください。
(6月3日追記)3か月間の継続培養後の最終的なマイコプラズマ検査にてもマイコプラズマ陰性を確認しました(Nested PCR, DNA染色, マイコアラート検査)。VeroE6/TMPRSS2細胞のマイコプラズマ汚染除去は確実に成功していると結論づけられました。
この論文が
Review:2/11
Approve:3/5
Publish:3/31
であることから、この汚染除去がされないままであることが言える
何から何まで意味不明である
最後に、最近親しくさせていただいている、とある界隈で有名な人物の指摘を載せておく
When they say a cell line is "transformed" for continuous use in culture, does that mean that it is cancer?
細胞株を継続的使用のために「形質転換」したということは、その細胞が癌になったということではないですか?
まとめると
・人工的に癌化させたサルの腎臓細胞に
・抗生物質と共に人間の喀痰を接種して
・どこからでてきたのかも不明な小胞を電子顕微鏡で観測した
これが、感染研のいう分離ということになる
3.エクソソームの手続き
対してエクソソームの単離は(どちらも同じ企業のページなのが引っ掛かるが)コチラ
リキッドバイオプシーまたは改良培地のいずれから採取されるかにかかわらず、単離方法の選択ほどエクソソーム研究の成功を左右する要素はありません。
分画超遠心分離法は最も一般的に使用されている単離方法です。
この理由として、純度の高いエクソソームを確実に単離するとして初めて実証された方法であることと、分画超遠心分離法により精製されたエクソソームはほとんどが損傷のない状態で抽出され、内包物分子を完全な状態で含んでいると考えられていることが挙げられます。
ビーズや抗体を用いた単離方法など、他の単離方法では、エクソソーム表面に触れるため、これが小胞に傷をつけたり、小胞内包物を希釈または減少させる可能性があります。
ベックマン・コールター社は、超遠心法に何十年に渡る実績を持ち、お客様が新たな事実を発見するための製品やプロトコルを提供している専門家集団です。
このページにあった分離工程の動画がYoutubeに上がっていた
ウィルスの存在を疑う主張の根幹、それは「遠心分離機の使用の有無」に他ならない
そして、ほぼ同じ大きさであるエクソソームの単離に関してはハッキリと記載がある
これは当初からコロナ騒動に異を唱えた、A.カウフマンを始めとする識者が異口同音に指摘する点である
カウフマン曰く、
"元の体液をフィルターにかけて不純物を取り除き、「遠心分離器で純粋化して」顕微鏡で観察する"
これが微生物学の「分離」の定義だ
要するに
こんなものを分離とは呼ばん、とっとと遠心分離機使え
の一言である
サポートで生き長らえます。。。!!