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遊び場が、「あそびば」になるとき 〜プレイフルストリート 2019Winter 体験記〜

こんにちは、ミテモの高橋昌紀です。
1/20(日)に開催された、子どもとおとなのいちにちだけの遊び場「プレイフルストリート」。ミテモも2つの企画を出展していました。

私は企画・制作チームではなく、純然たる参加者の立場で、プレイフルストリートに参加しました。その経験をとおして感じたことを、言葉にします。

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【読了時間: 7分】
(文字数: 2,400文字)
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「『森からのお届けもの』自然がぎゅっと詰まった“だし”で楽しもう」 (企画その1)

だし。
漢字で書くと、出汁。
考えてみると極めて不思議な存在です。
自然の素材がもつうまみを抽出して、味わえるようにしたもの。
普段は味噌汁をはじめ様々な料理の裏側で、その食体験を支えているわけですが、今回のプレイフルストリートでは、だしさんが、みなの真正面に出てきていました。

かつお、やさい、こんぶ、しいたけ、とりがら。
 
それぞれのだし汁が、熱々の状態でジャーに入れられて並んでいます。
自然を感じる飾り付けが、立ち並ぶジャーのまわりを彩ります。

会場のビルという人工物の中に、自然物たる草木が並ぶ。その中に人工物たるジャーがあり、その中に、自然から生み出されただし汁が詰まっている。
自然物と人工物のマトリョーシカ? そんなことをふと思いました。

さてさて、実際にだしを飲んでみると…。
うまい!うまいですね。そりゃ、うまみだもの。うまいわけですが。
5つの食材によって、たしかに全然味が違う。

ふだん料理をよくおこなっていて、だしの使い分けに熟練していれば、当たり前なのかもしれませんが、なにぶん私はまるで料理をしない日常を過ごしています。
でも、だからこそ、こうやってだしそのものに向き合って、味わえる機会というのは、実に貴重だなぁと感じました。

ちなみに一番おいしかったのは、かつおとこんぶとしいたけのミックスだしですね!
だしは単体でもおいしいけど、組み合わせると掛け算でよりおいしくなるんだなと、納得しました。

この企画のだしを作ったのは、だしクリエイターの澤村さん。そして設営と運営を主におこなっていたのは、ミテモの平井優美さんでした。お疲れ様でした!

「くっつく・あそびば」(企画その2)

紙。紙。紙。シュレッダーにかけられた大量の紙。
オフィスで、いつもはただのゴミとして扱われる紙が、この日は主役でした。

その場に私が足を踏み入れた時には、すでにそこは紙の楽園と化していました。
幾人もの子どもと、少しの大人たちがその楽園の中で、いろんなことをしていました。
ある子は紙とテープを使ってなにかを貼り付け。
またある子は、紙やダンボール箱を組み合わせて何かをつくりだし。
別の子たちは、その中で追いかけっこをして、紙にダイブしていました。

最初、正直、どう遊んで良いのかわかりませんでした。
いま考えると、この「どう遊んで良いのか」という発想じたいが、きわめて大人的ではあったのですが。

紙にあふれ、木組みが走るその世界のなかで、子どもたちは、全力で遊び回る。
そこには与えられた規律や規制はなにもなく、どうエネルギーを注ぎ込むか、のみに没頭する。

私は、もちろんミテモという会社で働いているからスタッフ的な立場もあったかもしれませんが、それ以上に、常識に囚われた大人として、どう、その世界に入ろうかと立ちすくみました。
ようやく少し、紙の中に足を踏み入れ。そしてミテモのメンバーから粘着テープを一巻きもらって、それをどう使って遊ぼうか、と考え始めました。

転機が訪れたのは、粘着テープをちぎって、それを放り投げて、木組みにくっつける遊びを自ら編み出したとき、でしょうか。
それをしているうちに、どんどんその行為じたいに夢中になっていきました。
テープをちぎる、構える、投げる、くっつくのを確認する、そしてまたテープをちぎる。

驚くほどにこの無意味…少なくともなにひとつ「生産的」ではない行為が、私にとっての遊びになりました。

そして気がついたときには、私は自分の身体にいっぱいテープを貼り付け、遊び場のなかをあちらへこちらへ移動して遊び続け、そのうちに、近くに子どもたちがやってきてくれました。
どうやら身体にテープを貼っている人が面白いようで、もっとたくさんのテープを貼ってくれました(笑)。

身長183cm、年齢30代の私と、身長100cm前後、年齢4〜7歳くらいの子どもたちは、ともに遊び場の中で、紙を貼ったり剥がしたり、テープを引っ張ったり、紙の中に転げたりして、遊びに没頭していました。

やがて終わりのときがきました。そのときから、私は大人、ミテモの人に戻り、片付けを始めます。子どもたちは、親御さんに言われて、身体中にくっついた紙を外して、家に帰る支度をします。

あの時間と空間はなんだったのか? 1ヶ月経った今、ふと思い出してみると、「あそびば」と語ることが、やはりそれを最もうまく表しているような気がします。
遊び場は、ただ遊具や装置があるだけでは「あそびば」ではなく、そこにあそぶ人たちが没入して、遊び続け、それを終えたあとに「あそびば」だった、と語られるものなのかもしれません。

くっつく・あそびばの企画、制作に携わったミテモのクリエイターチームの皆様、お疲れ様でした!
楽しかったです。

クリエイターチーム、小林ひろさん目線での記事はこちらをご覧ください。

次のプレイフルストリートの開催は夏です!
興味ある皆様、プレイフルストリートのFacebookページ、Webサイトなど、チェックいただけたら幸いです。

Facebookページ
https://www.facebook.com/playfulstreet/

Webサイト
https://playful-st.com/



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