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記事にしてはいけないお仕事

やましいことをしているわけではないのですが、世の中には記事にできない仕事があるものです。
久しぶりに“中小企業診断士らしい”活動に携わることができ、学ぶことも多かったので記事しようと思っていました。
ところが、いざ書き残そうと内容を考えてみると記事にして公開すべきものではありませんでした。
そこで、方向性を変え、社会人になってから今まで携わった仕事で特に情報の取扱いに厳しかった事例を紹介させていただきます。

■情報の発信って難しい

いち消費者としては、スマホで調べるだけで何でも情報が手に入る時代になってきた気がしていています。自分の着ている服を撮影するだけで、商品名、値段、どこで買えるかまで教えてくれます。
業務でも、各種辞書、Wikipedia、コマンドリファレンスやWeb記事などを参考にすることが多くなりました。
逆に情報を発信しようと思うと、守秘義務、知的財産権、セキュリティなど様々な事情から秘匿しなければならないことも多いです。
私はシステムエンジニアの期間がもっとも長いのですが、受注開発では話すことができない情報がほとんどです。会社説明会で学生さんへの仕事紹介を行っても「某●●系会社の○○系システムを開発しています」といった伏字だらけで要領を得ない説明になりがちです。

■運用開始前のデータセンター

稼働前にシステムの試験を行うため、データセンターに通勤する機会がありました。
派遣契約での作業だったので、通常であれば給与や交通費を支払ってくれる派遣元に作業報告や交通費の申請を行います。ところが、実際の勤務地がデータセンターであることや場所を派遣元にも口外してはならないルールになっており、そこで一悶着ありました。派遣元からしてみると行先不明の交通費が申請であり、不正な請求ではないかと目をつけられてしまいました。
関係者の多いプロジェクトでしたが、きっと誰も口外しなかったからでしょう、今でもgoogleマップやWikipediaで当該データセンターを見つけることはできません。

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■防衛・宇宙関連事業

口外できないという点においてはデータセンターと同じですが、安全保障に近い仕事に携わる場合には更に事前の身辺調査も行われるそうです。また、プロジェクトに携わったこと自体を口外してはいけない理由として「自分の身を守るため」と諭されます。
15年以上前の若い頃に聞いた話なので「スパイなんて漫画や映画の世界の話なのでは?」と半信半疑で聞いていた面もありました。
ですが、近年スパイに関するニュースが表沙汰になることが増え、つい先日も海外に軍事関連の文献を提供した人が逮捕されたというニュース見かけ、普段接している世界だけが現実ではないんだな。と再認識させられました。

■外部と遮断された中での仕事

銀行やクレジットカードなど機密性の高い情報を扱う場合は、執務室へスマホなどの情報端末を持ち込むことができません。スマホへの依存度が高くなった今の私は耐えられないかもしれません。
データセンターや安全保障関係になるとスマホを持ち込めないだけでなく、業務端末から外部ネットワークへ接続することもできませんでした。つまりgoogle先生に質問しながら仕事をする事ができない環境です。
この時は、アナログ書籍のコマンドリファレンスを頼ってなんとか目的を達成できましたが、WEBに公開されている情報へアクセスできることのありがたさを改めて実感しました。

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■まとめ

今回、中小企業診断士として携わったのに記事にできなかったことをきっかけに、だいぶ話が発散してしまいました。
情報は有用だけど漏らしてはいけない情報をうっかり記事にしてしまわないように注意しなければいけない。表に出ない理由は様々でしょうが、縁の下の力持ちとして社会を支えている中小企業様も沢山いらっしゃるのだろうなぁ。ということを考えながら記事を書かせていただきました。

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