フォトコンテスト

フォトコンテスト、フォトコンクール、写真公募展など名称は様々ですが、いたるところでフォトコンの案内を見ることが増えました。
どの観光案内所でも1つか2つはフォトコンのチラシが置いてあります。観光地ではない地元や隣町でも、掲示物、配布物、作品展示などで、フォトコンが目に入ってきます。
直接携わったわけでありませんが、地域振興に有効な施策なのだろうと思います。
参加者目線ではありますがフォトコンテストについて考えたことを記事にします。

気軽に撮影

フィルムカメラよりもデジタルカメラ、デジカメよりもスマートフォンと撮影機材が進化するに伴って写真を撮る機会が増えました。
フィルムの現像やメディア容量を気にしなくてよくなったので、好きなだけシャッターを押せます。
私は、食事や郵便、配線など日常の記録用として写真を多用するようになったのですが、
一般的には、記録用だけでなくエモーショナルな場面で写真を撮ることが日常化していて、作品が日々生まれる時代になりました。

気軽に参加

以前は、フォトコンと聞くと写真家や本格的な一眼レフカメラを持ち歩く人向けのイベントというイメージがありました。
コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)で気に入った写真が撮影できても、印刷してコンテストに応募するというハードルの高さを感じていました。
今でも本格的なコンテストや公募展ではデータの送付や、印刷物の郵送を求められるものがあります。
ですが、最近はSNSで投稿するだけで気軽に参加できるものが増えています。
特にインスタグラムとは相性が良いようで、地域や主催者のアカウントをフォローして、ハッシュタグ付きで投稿するだけで応募できるものが普及しています。
私はSNSを情報収集に使用していて、普段はあまり投稿していなかったのですが、フォトコンきっかけでインスタグラムに初投稿しました。

インスタグラムに投稿できなかった縦長写真

ちょっと話が逸れますが。
インスタグラムに投稿してみて初めて知ったのですが、横長(パノラマ)レイアウトは投稿できるのに、縦長レイアウトの写真が投稿できませんでした。
余白を作って縦横比を調整すれば投稿できます。しかし、スマホ画面と相性の良さそうな縦長レイアウトがインスタグラムで投稿できないことを意外に感じました。

運営のしやすさ

数年前、とある団体の福利厚生イベントとしてフォトコンテストを実施したことがあります。SNSは使用せずに、既存の団体サイト(wordpress)に申込用の入力フォームと公開用のギャラリー画面を追加することで実施しました。サイトへの機能追加は必要だったものの、対面のイベントに比べれば、資材や事務局要員、日程などの制約がないため、企画や運営の手間が少なくて済みました。
SNSを利用すればサイトを用意する必要さえもなく開催できてしまいます。
著作権や肖像権等々、ならではの注意点がいくつかありますが、運営しやすいイベントだと思います。

宣伝(口コミ)

地方自治体が作成する案内マップやSNS投稿は、善くも悪くもリアルな写真が使われがちです。
ですが、フォトコン参加者の投稿する写真にはフォトジェニックなものも多く、目を引きます。
公的機関からはデフォルメしすぎた紹介をしづらいところ、フォトコンの参加者が旅行客や地域住民の目線で、各々が感じた魅力を作品にして紹介してくれるため、良い宣伝媒体になっていると思います。
また、第3者の投稿だからこそウィンザー効果も期待できます。
それ以外にも、
公式アカウントのフォロワーが増える。
ファンならではの視点で魅力が発信される。
地元住民ではない参加者ならではの視点で新たな魅力が見つかる。
といった効果も期待できます。
フォトコンは、気に入った写真を撮影できた。素敵なモノや場所に出会えた。と感じたら共有したくなる時代にマッチしたイベントなのではないでしょうか。

回想(リフレクション)

私は自宅に帰ってからフォトコンへ応募する作品を選定しました。
旅行途中にアクシデントに遭遇したとしても、写真を見返すと不思議とネガティブな感情になることが少ない気がします。
写真を撮るのはポジティブな感情の時の方が多いからかもしれませんし、無事に帰ってきてしまえばアクシデントも、良い思い出になってしまっているからかもしれません。
いずれにせよ、写真を撮って終わるのではなく、振り返る時間があることで、旅先の良いイメージが長期記憶に残ります。
良い印象を受けることで、本人の再来や知人・友人への口コミが期待できます。

これから

2年前に「スタンプラリー」という記事でデジタルスタンプラリーについて書いたのですが、最近は、スタンプラリー、フォトコンがセットで用意されていることがあります。
「スタンプラリーで現地を周遊する」「帰宅後はフォトコンに応募する」といった風に旅行の楽しみ方が増えました。
今年はスタンプラリー目当てで旅行に出かけて、現地でフォトコンを知ることが多かったのですが「フォトコンで紹介されているスポットへ赴く」「フォトコン参加を目当てで旅行に出かける」といった楽しみ方もできそうだと思います。

写真を作品として見返すと「あの構図にすれば良かった」「こんなポーズにしておけば良かった」と思うことも多々ありますが、見終わるころには、もっと魅力的な写真を撮りたい!という気持ちになります。
皆さんもフォトコンに参加してみてはいかがでしょうか。

もしかすると
オーバーツーリズムが話題になっていますが、開拓途上地域の魅力が発信されはじめると旅行者を分散できるかもしれません。有名観光地はインバウンド客に譲って、国内旅行者は各地のニッチな魅力を発見することを楽しんでも良いかもしれません。

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