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図書館にも「国立」があった!

社会人になり利用する機会がめっきり減っていた図書館ですが、恥ずかしながら、つい最近になって「国立」の図書館が存在することを知りました。
そこで今回は、図書館をキーワードに記事を書かせていただきました。

地方の図書館

図書館まで車で1時間半かかるよう山奥で生まれ育った私にとって、本と接する機会は、田舎町の小さな書店か学校の図書室でした。
インターネットが普及していなかった当時、知識や情報を得るための重要な施設だったはずですが、私自身「活字」が苦手だったこともあり、不便だとは感じていませんでした。
大学入学に合わせて一人暮らしを始めてから、本と遭遇する機会が増え、本が身近なものに感じられるようになりました。
まず、大学には図書室ではなく図書館があり、学部、学科、研究室ごとに小さいながらも図書室がありました。
自転車で通える圏内に県立図書館、市立図書館があるだけでなく、全国チェーンの書店もあり、その品揃えに驚かされました。地元にはBook-Offなどの古本屋もなかったので、県庁所在地に移り住むだけでも本に接する機会が増えることを知りました。
たまたま移り住んですぐに市立図書館がリニュアルされました。新館は、日の光を採り入れた明るく解放感のある造りとなり、学習スペースやカフェも併設されてて一日中居ても飽きないのではないかと思われる最新の図書館になっており、感動したのを今でも覚えています。

東京の図書館

社会人となり東京に引っ越して、近隣の図書館に行った時、最初に感じたのは「意外と小さい」でした。市域とはいえ首都の図書館ということで、期待を持ち過ぎていたのかもしれません。
社会人になってから図書館をあまり利用しなくなったのは、図書館の問題ではなく、ライフスタイルに合わなくなったのだと考えています。
学生の時よりは自由に使えるお金が増え、代わりに時間が減ったので、読みたい本を見つけたら時間ができた時すぐに読めるように手元に置いておきたいという考え方に変わりました。
また、興味を持つ本のジャンルも自己啓発や資格取得といった傾向に変わり、図書館のラインナップとは異なってきたということも一因にあります。
さらに、都内は大規模な書店が複数あり品揃えが良く、Amazonなどのネット通販と組み合わせると大抵の必要な書籍が手に入ります
図書館自体も、近年は子供向けに力をいれているようで、児童書や絵本のコーナーが増えていますし、貸出の実績も12歳以下が突出して多いようです。
このように東京に出てきてから足が遠のいていた図書館ですが、実務補習で業種別審査事典などの資料を参照させていただくために利用者登録しました。貸出の頻度は少ないかもしれませんが、個人では入手することの難しい資料を閲覧することができることも図書館の役割だと改めて気づきました。

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国会国立図書館なるものの存在

東京に国立の美術館や博物館があるのは知っていましたが、国立の図書館があることは知りませんでした。もしかしたら、社会や公民などの授業で聞いたことがあったのかもしれませんが。全く記憶にありません。
国立国会図書館には、納本制度という制度があり、国内の出版物を届け出る義務があるということを知り、ますます興味が湧きました。

「納本制度」
国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)により、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入することが義務づけられています。<https://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/deposit.html>

民間出版社の出版物は直接納本するわけでなく、流通を担っている出版取次が一括代行で納本することが多いようです。
納本に伺う機会は得られそうになかったので、東京本館を見に行ってみました(2019年12月)。
一般的な図書館と異なる点として、バッグやカメラを持ち込むことができないので、入館前に館が用意しているコインロッカーに預ける必要がありました。「国内で発行されたすべての出版物」という情報から壁一面にギッシリと書籍が詰まった書架を想像していたのですが、書籍は意外なほど少なかったです。それには理由は、書籍はバックヤードで保管されていて、利用者が閲覧したい資料を館内に設置された専用端末で注文する仕組みになっているというものでした。試しに注文してみたところ10~15分くらいで受取カウンターに本が届いて、閲覧する事ができました。
また、国立国会図書館では資料を館外に持ち出すことができないため、机やソファーなど閲覧スペースが広くとられていました。
このような違いからも、この図書館の目的は利用者への図書貸出よりも出版物の収集・保存や書誌情報の整理だと理解しました。
ちなみに、蔵書数は国立国会図書館約4418万7016点(デジタル書籍等含む)と日本最大で、佐賀市立図書館約41万冊(本館収蔵能力)の100倍もあるそうです。
このような数字を見ると地方の不便さを感じてしまいますが、廃刊になった本など一部の資料は、各地域の図書館から国会国立図書館に対して取り寄せを依頼する仕組みがあるようです。

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図書館のこれから

・インターネット普及による情報過多。・電子書籍化の躍進。・出版不況による地方の書店が閉店。といった様々な状況から、出版業界は変革期にあるといわれています。出版業界の変革に伴って図書館も役割や提供サービスが変わっていくのではないかと考えています。
著作者の利益が保護された上で、利用者に有益なサービスが提供される未来に期待して、
「図書館には電子書籍の閲覧用端末だけが並び、紙の書籍は、博物館の粘土板や絵巻物の隣に置かれる日が来るかもしれない。」
「自宅から貸出・閲覧を行えるようになり、図書館という建物は役目を終え、装幀は美術館に飾られる日が来るかもしれない。」
なんてことを妄想しています。

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