見出し画像

「清廉潔白」「聖人君子」ホワイト社会に生きる私たち Vol.68

「いじめられる方にも問題があるでしょ…」

そんな意見を思い出した。

大谷選手の元通訳、水原一平容疑者が大谷選手の銀行口座から約24億円ものお金を不正に使用した問題。事件の原因に、

「大谷選手は英語を喋れないからだ!」とか
「すべてを人にまかせるな!」という意見があった。

上の記事ではこう表現している。

彼は完全なる被害者なのだ。
「英語が喋れず、全部水原容疑者に任せていたことで、犯罪を起こさせる土壌をつくった」というのはおかしい。
それは、次のような発言と同じではないか。

「君がそんな服を着ているからレイプされたんだ」。

大谷選手は才能にさらなる磨きをかけるためにトレーニングに集中する。そのため可能な限り、日常のいろいろなことは代わりにしてもらう。または、信頼できる人に任せる。周囲のサポートが不可欠。野球に専念するために。

こんな言葉がある。
「一芸に秀でる者は多芸に通ず」

何か一つのことで優れている人は他の多様なことも出来るようになるという意味。
だからといって、『野球の天才』大谷選手にどこまで、何を求めるの?

先日、不倫問題を起こした広末涼子さんが、芸能活動に復帰したと報じるニュースが流れた。そのニュースに対するネット掲示板のコメントにはひどい言葉があふれていた。「復帰はまだ早い」とか「どれだけ面の皮が厚いんだ」などなど。

確かに彼女がしたことは悪い。パートナーや家族、相手男性の家族をも傷つけただろう。道徳的に許されたことではない。しかし、法を犯したわけではない。

彼女は俳優であって、きれいな容姿で人を魅了し演技をするのが仕事だ。そうした人に対して人間性まで求める。

作家の太宰治は女性関係においてトラブルを抱えていた人だった。しかし作品は今なお高い評価を得ていて、現代の人にも愛され影響を与え続けている。

新一万円札の顔になる「近代日本経済の父」と称される渋沢栄一。華やかな女性関係を持ったとされ、一説では認知しなかった子を含めると100人ほど子どもがいたとも言われてる。

時代が違うと言われればそれまでだけど…

潔癖が求められる今の世の中ではあるが、
あまりにも不寛容ではないだろうか。

元不良の人物が教師になり国会議員を目指す。人の肉体をも傷つけて一線を越え、道を踏み外した者が、その後更正していく姿には多くの人があんなに応援するのに。

あまりの怒りによって、思いもよらない行動に出るのは誰にでも起こりうる話だ。

恋愛リアリティショーでの行動から、誹謗中傷を受け自ら命を絶った人がいた。
マンガ原作のドラマに、原作者が発言したひとことから炎上。こちらも原作者自ら命を絶った。

顔見せぬものが、顔見えるものに対して好き勝手言う。みんな同じ人間。いいところもあれば悪いところもあるし、明るいところもあれば暗い一面もある。
特に有名人。輝けば輝くほど闇はより深くなる。

自分の正義が他人の正義とは限らない。面と向かって言えないことを、ネットだからと言って書いて良い理由はない。いつ自分が標的になるかも分からない。過ちを犯す可能性は誰にでも十分にありえる。
それでも再起のチャンスはあって欲しい。

スポーツ選手、芸術家、政治家、文化人、などなど、一芸に秀でた人々

みんなはその道のプロであり万能ではない



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?