二つの瞼よ│詩
二つの瞼よ
君等はどうして
僕を眠らせたがるのか
春の日差しと結託して
君等はどうして
夢を見せたがるのか
言葉が遠退き
君等の奏でる調べが
山稜のラインに雲を吹き流す
眠れ
眠れと
木霊する
君
花糸は桜色に溶け出して
どこから春の夢だったのか
もう僕にはわからない
湯船に揺れる波紋の光跡
濡れた肩に預けた何か
海鳴りに腰掛けて
思い出している
あの灯台より
あたたかな光を頂きました
汽笛が呼ぶのを聞いた気がします
僕にはもう
言葉はいらないようでした
2024/5/23
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?