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4/29-5/5 ドタバタ日記

29日
久しぶりにアルコールの味を思い出す。こうゆう親戚の集まりの場には、必ずと言っていいほどテーブルにお酒が置かれている。そして、自然な流れで空のコップが順に回ってきて、気づけば黄金色の液体が泡を吹き上げながら満たされていく。勉強期間ということもあってしばらくお酒から距離を置いていた。しかし、今日は、この後家に帰っても何もできないだろうと。きっとそうだろう。と思って喉を通す。実家に帰ると無限に食べ物とお酒が出てくる。ここ数日でかなり太った気がする。
アルコールで温まった脳みそは、驚くほどによく寝れた。


30日
一足先に実家を後にして、自宅に帰る。田舎の電車だというのにGWの影響かかなりの人で混んでいた。それもそのはず、1時間に1本のペースでやってくる電車を逃すわけにはいかない。車で帰っても良かったが、テールランプが眩しいなか排気ガスを浴び続けられる体力や気力はなかった。
物流業界では現在、鉄道を使った運送方法へのシフトが提言されている。それは温暖化ガスの排出量やコストからも鉄道が優れているからと聞く。ただ、終始立ちっぱなしの数時間は、なかなかヘルシーなものではなかった。予約を見ると、指定席はどこも埋まっていた。


5月1日
久しぶりのように感じる我が家の冷蔵庫は、焼きそば(賞味期限切れ)と肉が一パック(使いかけ)、しめじが乱雑に置かれていた。ものすごい料理研究家や主婦さんであれば、この状況を突破する腕があるだろうが、継ぎ足し継ぎ足しな知識しかない僕は、しばらく冷蔵庫の中を見つめることしかできなかった。しかし、人類は、米とお湯があれば、大抵のことは賄えてしまう技術を身に着けた。僕は、先人らの恩恵をありがたく頂戴し、3分待つ。


2日
面接と会話とでは、やっていることは同じだが、中を覗けば全くの別物だ。しかし、この会話を面接であると捉えるか、ただの会話と捉えられるかで、見える世界が大きく異なる。そう考えると消費するカロリーには違いが見られない。しかし、そう簡単に脳みそは単純な作りをしておらず、思考を切り捨てることができない。よって、知らないところでカロリーを過剰に燃焼してしまい、胃が痛くなる。
胃薬に頼れば、ある種の中毒になってヘルシーさを失ってしまうとケチりだす。ああゆう類の医薬品は、安いとは言えない価格設定になっている。しかし、会えそうで会えない友人と久しぶりに会って、わずかな時間だけ話しただけで胃は快調になった。


3日
どこに行くにしても街は人で溢れている。近年では、人口減少に伴う過疎化や希薄化が深刻になっていると言われているが、そうは感じさせないほどの人口密度があった。そう考えると実に喜ばしい現象なのだろうが、ここまで極端であると、かえって迷惑なるという。矛盾した話だが、そのために駆り出されている警察官やいわゆるオーバーツーリズムの問題が発生しているのだから、何が幸せなのか見失いそうになる。
そして、僕もそんな中、説明会や施設見学のため人の間をすり抜けて街を往く。この行為も将来に渡った幸せであるからして、観光客と同等に捉えられるはずだ。しかし、脳みそは凍ったまま。


4日
久しぶりに以前通い詰めていたカフェに入る。店員さんもここ数年で入れ替わったらしく、知っている顔はいなかった。かといって、話しかけられれば、軽い会釈や笑って過ごすことしかできないのだから、ある意味気が楽になった。
すぐ隣には、元アルバイト先がいまだ健在していたが、特段アクションは起こすまいと距離を取る。まだお得意さんはいるかと気にはしたが、だるいOBみたいなのにはなりたくないなと思い、ソソクサと僕の席を確保する。


5日
図書館も閉まっていて、街に行けば人が多い。
すぐにでも吹き飛んでしまいそうな理由から、家に引きこもって作業をする。外では、鳥が定期的に声を出して鳴いていた。一方、自動車の走行音であったり排気ガスを出す音が一緒になって、自宅の窓から入り込んでくる。自然と人工といった反対の立ち位置の両者が、同時に鼓膜に伝わって矛盾を感じる。
少なくとも、鳥の鳴き声には、救われた気がする。

豊かさを覚える。
灰に包まれながら、細いスキマから手繰り寄せる。


ドタバタ日記2024年5月6日

Tune of the One weeks / 今週の一枚

・極彩|IGL(S) / ROTH BART BARON


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