前立腺がん治療の実況中継#08 セカンド・オピニオン
セカンド・オピニオン
主治医はあまり説明してくれない先生で、こちらから質問すると答えてくれるという感じでした。いつも妻が的確な質問をしてくれたおかげで、いろいろなことがわかりました。これも質問をしてわかったのですが、私の病期はT3bN0M0ということになるようです。T3bというのは「精のうまで及んだがん」という意味で、N0というのは「所属リンパ節への転移はない」、M0というのは「遠隔転移はない」という意味だそうです。また、生検で採取したがん組織の悪性度を調べて点数化したものをグリソンスコアというのだそうですが、4+4で「8」とのことでした。生体検査の結果も検査からおよそ1か月後に教えてもらったのですが、10本のうち7本がビンゴだったそうです。どの指標を見ても、あまりよろしくはないようですね。主治医は割と早い段階から「根治はしないだろうから、最後までホルモン療法」という話をしていましたが、ちょっとずつニュアンスが変わってきて「ホルモン療法をしながら、オプションとして放射線や手術もあるかも知れない」という言い方になってきました。
さて、ホルモン療法をずっと続けてもいいものかどうか。ホルモン療法で薬を飲み続けても、いずれ効かなくなるという話も耳にしました。オプションではなくて、最初から放射線療法を視野に入れて治療するという選択肢はないのかどうか。というわけで、セカンド・オピニオンで他の医師の見解も聞いてみたいなと思うようになりました。ちょうど妻がセカンド・オピニオンを薦めてくれたタイミングも合致して躊躇することもありませんでした。
全国に「がん相談支援センター」というものが設置されていることを知りました。私の住んでいる地域でもいくつか「がん相談支援センター」がありました。どの病院でセカンド・オピニオンをもらうか、現在の病院では放射線治療はやっていないので、放射線治療をするとなれば転院した方がいいのか、なんてことを2か所の「がん相談支援センター」で相談しました。電話でも相談に乗ってくれました。助かりました。もっとも、実際に相談に赴いてくれたのは妻で、私はその情報を基に妻と相談しながら方向性を見出すという流れだったのですが。
というわけで、セカンド・オピニオンを聞いてみることにしました。保険適用外なので結構費用がかかるんですよね。私たちの選んだ病院では書類作成時間も含めて60分で1万6千円+税でした。他の病院に比べて安かったと思います。ある大学病院だと3万3千円でしたから。
主治医にセカンド・オピニオンをもらいに行きたい旨を伝えて、これまでの検査結果や経緯、画像データなどを病院間でやりとりしてもらい、実際に病院に行く日程の調整をしてもらいます。場合によってはずいぶんと時間がかかる場合もあるようですが、私の場合は割とスムーズで依頼してから1週間程度でセカンド・オピニオンをもらうことができました。
さて、セカンド・オピニオンです。簡単に結論だけ書いてしまうと、根治の可能性は40%未満だが、半年ほどホルモン療法をして(と言っても、すでに精巣を摘出しているので、現状のままでいい。よく使われるビカルタミドという薬も、その病院では処方していないとのことでした)、がんが小さくなったところで放射線治療をするのがいいのではないか、ということでした。もし、その病院で治療するとすれば、週に4回の放射線治療で6.5週間とのことでした。また、近隣の大学病院で陽子線治療を受けることもできるという情報もいただきました。陽子線治療は保険適用外だと思っていたのですが、転移のない前立腺がんで根治を目指して治療するのであれば保険が適用になるのだそうです。
セカンド・オピニオン、聞いて良かったです。費用はかかりましたが、方向性がはっきりしました。
がん相談支援センター
がんなんて経験したことがありませんから、わからないことばかりです。不安なことや心配なこともたくさんあります。私はセカンド・オピニオンに絡んでがん相談支援センターを利用させてもらいました。全国に窓口があって看護師さんやソーシャル・ワーカーさんが無料で相談に乗ってくれます。じっくりと話を聞いてくれるので、それだけでもちょっと安心感があります。
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