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令和の時代に『成りあがり』を読んでみた。

僕は糸井重里さんが好きで、彼がインタビュアー、構成、編集を担当しているこの本にたどり着いた。

矢沢永吉さんといえば、僕が小さい頃には
すでに「成り上がっていた」姿しか知らない。

ライブでは、お客さんが曲にあわせてタオルを投げ、バラエティやCMでも「なんか、個性的な人だな」ぐらいにしか思ってなかった。

そんな矢沢永吉さんの生い立ちから読み進める。
父を早くに亡くし、おばあちゃんと二人暮らし。
お金もなく、中学くらいにはアルバイト。
エレキギターに出会って音楽をはじめる。

インタビュー形式で放ったセリフをそのまま文字に起こしたような純度の高い言葉が胸に沁みる。
なんて、精神力で幼少期から生きてきたのだろう。

高校を卒業してからの音楽活動も、
うまくいかない様子が赤裸々に語られている。

度重なるメンバーの入れ替えや、母の喪失、
お金のない生活など、僕だったら挫けそうな
分岐点でも、それでも続けてきた突き進む力は
凄まじい。

自分を奮い立たせて、自分を成長させていく姿は
この時代感には新鮮に映る。

僕が思う令和に生きる今は、
なんだか外に外に答えを求めているような
気がしてならない。
人の人生の一瞬を毎日見ることができるけど、
その分、自分10割から純度が少しずつ
薄まって、自分が何者なんだか分からなくなる。
そんな時代。

自分との対話で心の内側から答えを出してきたのが、彼であり、またそのように生きている人も
多かったんじゃないのかな。

的を絞って、そこに向かって投げ続ける。
時代や環境への不安なんて取っ払って
ガムシャラに走ってみたい。

「矢沢さんの生き方、
1万歩遅れで追いかけていいですか?」

「ボクはいいんだけど、
YAZAWAが何て言うかな?」

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