『天晴!な日本人』 第78回 「忠義に殉じた聖将、乃木希典のストイシズム」 (3)
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<本文>
<東京での希典>
歩兵第一連隊は「頭号連隊」と呼称され、第一号の意味を持つ名誉ある連隊でした。頭号の語は『水滸伝』に由来します。通称、歩一は、大東亜戦争の頃も栄誉ある連隊として重視されています。
東京での希典は、軍旗喪失の悔恨を忘れるごとく、花柳界での遊びに拍車がかかりました。日夜、新橋、深川、柳橋、築地、両国の料亭を彷徨し、家に戻らず、料亭から隊に出勤ということも珍しくありません。座興で踊る「乃木の芋踊り」が、つとに有名になったほどでした。
日記には「酩酊」「酔倒」「盛宴」「大酔」「小酌」の文字が並び、「小万」「愛子」「駒吉」など芸奴の名前も列挙されるありさまでした。ただし、この時代の思潮を説明すると、これは一方的な非難に値することではなく、陸軍将校の間に流布していた、一種のバンカラ気質でもありました。
放蕩し、借金を作ることも、勇敢さ、気前のよさ、欲のなさの発露とみなされ、美徳ですらあったのです。希典は栄えある頭号連隊の隊長であり、部下を引き連れ遊興することは半ば職務に近いものがありました。
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