平然として見るのだ! 『フィスト・ダンス』 第121回 「人間にとっての芯」


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<本文>

翔太たちは冬休みに入る前、週末の度に、真吾とシューブンを連れて、地下街での「修行」を重ねていた。
雪が降る季節になると、学生たちは、ほぼ全員が地下街にもぐるようになり、いつもの通りは混雑している。
それだけに修行の相手にはこと欠かなかった。

「今日は隼人はやと一人で真吾とシューブンを連れて行け。相手は6人程度がいいだろう」

「6人程度?」

「そうだ、隼人。おまえが3人、真吾とシューブンは2人で3人をやる計算だ。真吾、シューブン、自分の相手をさっさと片付けて次へ行けよ」

「うん、なんとか」

「頑張る」

真吾とシューブンは動揺するでもなく翔太に答えた。

「隼人、2人がもたもたしてたら、おまえが残りを片付けていいぞ」

翔太に言われた隼人はニンマリした。もともと無口だが、やることはきっちりやる男だ。

秋津あきつ君、なるべく手間かけないようにするから、よろしく」

真吾が言うと、隼人は大丈夫とばかりに笑みを浮かべている。
数分の間、一同で適当な相手を物色した。
冬でもツッパリ少年たちはコートを着ない。長ランに純白のマフラーが「制服」になっている。
アイビー少年は、私服時には流行はやりのステンカラーコートを着るが、大中の面々はそれも着なかった。
翔太たちのマフラーは、他の学校のツッパリたちのウールとは違って、シルクで光っている。

「あっ、あれ、どうだ、ぴったり6人。意気がってやがらあ」

清正が顎で指す方向から、お馴染なじみの長ラン、リーゼントの6人組が肩をいからせて歩いて来る。
これまた定番の白マフラーに、薄いチョンバックだ。

「よし、行けっ」

翔太のゴーサインで隼人たち3人は勇んで出て行った。真吾とシューブンの顔つきは平然としている。

「今日の奴ら、落ち着いてんじゃん、なっ」

「トレーニングの成果もあるんだろう。ここんとこ、調子良さそうだし、翔太に褒められてっからよ」

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