『フィスト・ダンス』 第147回 「自分を生きる」
<己に誠実に!>
翔太のクラスの昼休みは、いろいろなメンバーが集まって賑やかだ。
その日は、トミー、清正が遊びに来ていた。翔太とマーボが向かい合って座る周りにクラスメイトの真吾とシューブンもいる。
その日のテーマは、高校進学だ。
「へぇ、真吾、武道をやるのかよ」
「うん、高校では、部活をやる。それも空手か柔道。父さんも、やれって勧めてくれるし、折角、菊山道場で覚えたんだから、もっと強くなろうって」
真吾は、少し照れたような顔をした。
「そりゃ、いいな。うん、真吾も真面目で熱心だから強くなるだろ、続ければ」
「本当?菊山君が言うなら大丈夫だね。よし、しっかりやるぞ」
「で、どっちやりてえんだ?空手、柔道の」
マーボに訊かれた真吾は、うーん、と唸った後、空手だなあ、打撃系だし、と呟くように言った。
「お、空手か。だよな」
清正は我がことのように納得している。
「シューブン。おまえは、どうすんだよ?」
「うん、俺もさ、高校行ったら、武道やりたい。空手もいいなあ。でも体重別ってんなら柔道、ボクシング、レスリングもあるけどさ」
シューブンは、トミーに同意を求めるように言った。
「体重別かあ。でもよ、本当に強ければ体重なんて関係ねえだろ。なっ、翔太」
ここから先は
2,361字
書評、偉人伝、小説、時事解説、コメント返信などを週に6本投稿します。面白く、タメになるものをお届けすべく、張り切って書いています。
無期懲役囚、美達大和のブックレビュー
¥1,200 / 月
初月無料
書評や、その時々のトピックス、政治、国際情勢、歴史、経済などの記事を他ブログ(http://blog.livedoor.jp/mitats…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?