強くなるためには、休みはない! 『フィスト・ダンス』 第122回 「大盛況の菊山道場」


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冬休みに入った。
休みといっても、大中の長ランたちに休みはない。
学期中より長い時間のトレーニングと、街での修行の日々がある。
今年は真吾とシューブンも参加していたし、各地区の支部長を務めている連中が菊山道場に入れかわりで、毎日、やって来る予定だった。
その上、丈次たち1年生のグループも鍛えてやらねばならず、道場は千客万来の急がしさだ。

翔太たちのトレーニングは、毎日午前9時から正午までの3時間だが、丈次たちも一緒なので、総勢25人もの大世帯だ。
準備運動を兼ねた筋トレの後、翔太たち上級生と丈次たち下級生がマン・ツー・マンでサンドバッグ叩き、組み手をやるのが基本で、その合間に翔太からの技術指導、実演がある。
1年生たちも、今では、腕立て伏せ、腹筋、スクワット、どれであろうと2000回を軽くこなせるようになっていた。
体育教師のガンちゃんこと浅野も、こんな生徒らは初めてだと言うくらい、基礎体力のレベルは高かった。

翔太たち2年生は、自体重だけの筋トレでは3000回も軽いので、バーベル、ウエイトを使って、負荷をかけてのトレーニングをしている。
スクワットで100キロのバーベルをかつぐのは、2年生にとっては造作もないことだった。
秋頃まで110キロを使っていたマーボ、トミーは120キロ、清正たちは全員が110キロを背負って、20レップス(20回)を6セットが基本だ。
翔太に至っては、この冬休みにとうとう200キロを背負うことになる。
中2で120キロ、110キロというのは普通ではないが、少年時代の筋肉は、鍛えた時の反応が成人の比ではない。
ただ、常識のレベルが低いので、そこまで鍛えることがなかったのである。

翔太の200キロは、本人が目指す「怪物になる!」の域であり、日頃の筋肉痛が並ではないことを示していた。
筋肉痛、本物は、そのいたみがきりで刺し続けるようなもので、のんびり寝てられるものではなかった。
翔太の場合、その傷みが少しでも緩和すると、効果がなくなると思って、夜中でも筋トレをして、その部位を痛くするという強迫きょうはく神経症に近いものだった。

また、準備運動がわりの、ウエイト類を使わずに自体重だけで何千回もやるトレーニングに意味はあるのか!?
実はあるのだ。いやいや、単に根性論だけではない。
筋持久力以外に、筋肉内の余分な脂肪がなくなり、本物の柔らかい筋肉になるのである。
このことは、スーパー、肉屋で肉を指で押してみればわかる。
白い脂肪部分と赤身の肉の部分は、後者の方がはるかに柔らかい。脂肪は硬いのだ。
脂肪のない質の良い筋肉は、力を入れない状態では柔らかい。
その他に「ディフィニッション」といって、筋肉と筋肉の境がくっきりする利点もある。
さらに「ストリエーション」といって、筋肉の束がうっすらと浮かびあがる効果もあるのだ。走っているサラブレッドの胸、尻の筋肉を見ればわかるだろう。
顕著な筋肥大はないが、回数を重ねるとそのような効果があった。

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