サムライ精神で勝て! 『フィスト・ダンス』 第124回 「正々堂々」


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<本文>


「今日は、どこが悪かった?」

「悪いってほどじゃないが、パワーとコンビネーションに、みきおの方ががあった。奴も、うまくなってる」

トミーの問いに、翔太がいつものように淡々と答えた。

「俺は?」

「マーボも同じだ。ただ、後半、攻めが雑になりかけた。イライラしたんだろ、おまえ」

「んだ。ちぇっ、まだ、ダメだな。あとは?」

マーボと藤田の組み手も5分間続けさせたが、勝負なし、強いて言えば、藤田が押し気味で、ここはトミーとの組み手と同じだ。

「今日は、行けるって思ってたんだよな」

トミーがくやしそうに言った。

「ああ、良くなってた。けど、みきおも良くなっていた。あいつも努力してるな。おまえらに負けらんないってんでな」

翔太の言葉に、マーボとトミーはうなずいた。

トレーニング後、夕食を終えての、いつもの反省会が、マーボの部屋で開かれていた。
壁には昨年12月にデビューした『キャロル』のポスターが貼られている。ツッパリ少年に大人気のバンドだ。矢沢のふてぶてしい目がよかった。

トレーニングはやみくもにやるのではなく、必ず、どこをどう、何のためにどうするか、を明確にするのが翔太の方針だ。

「ちくしょうっ、ああ、勝ちてえ。翔太、手はないのか?」

トミーが表情を歪めた。

「ある」

「ええっ」

そんな声がマーボとトミーから同時に飛び出した。

「あるってか!?それは、どんな手だ?」

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