『フィスト・ダンス』 第116回 「学べ、鍛えよ、鉄になれ!」それと、「緊急大ニュース!?」


<緊急「大」ニュース!?>

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本年最後のラッキーチャンスです!?よろしく!!

<お知らせ>

年末年始のため、12月21日 09:40以降のコメントへの返信は1月11日アップになります。

<本文>

<ヒントは、いくらでもある>

そのタイ人の少年は、瓶を自分のすねに打ちつけていたのだ。

「ああやって鍛えているのか、脛は!」

トミーが叫んだ。

サンドバッグを蹴り続けてきた翔太たちの脛は、それなりに固くなっていた。脛の前部の筋肉も皮膚も厚みがある。
しかし、タイ人の少年のように、その部分、脛に特化して鍛えることは、やっていなかった。
トレーナー役の老人の語りが、画面にテロップとして流れた。こうして鍛えられた脛は鉄のようになり、大きな破壊力を生み、相手のガードした腕、ローキックでは相手の脚を折ることもできる、と語っていた。

「ああやるのか。よし、やろう、今日から」

翔太の言葉にマーボもトミーも一も二もなく、うなずいた。

鍛えまくって鉄の脛を作れば、かねてから構想していたように、相手のガードなど、一発で破壊できる。それだけの威力があれば、社会人で強い者を相手にした時でも、一瞬で勝てるのだ。

テレビに映る少年の蹴りは、びゅんとしなって、びしっと入っている。
サンドバッグにかなり近く立っていても、軽々とハイキックを繰り出していた。筋力だけではなく、柔軟性、股関節が柔らかいのだ。

「なあ、奴は、なんで、あんな近い所から蹴られるのだ?」

マーボの目が丸くなっている。

「股関節の柔らかさと、あとは小さい頃からの鍛錬の結果だろ。あんなに近くても脚を自在に使えるなら大きな武器になるな。よく見とけ。俺たちもやってみるんだ」

翔太は少年のフォーム、立ち位置を、あたかも写真のように脳裏に焼き付けた。

以来、大中の一同たちは、ビール瓶で脛を叩くのが日課となった。
やがて、砂を入れて重くしたビール瓶を叩きつけても平気になり、蹴りで瓶を割れるようにまでなっている。
何事も継続は力なり、である。


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