『フィスト・ダンス』 第144回 「高校制覇は近い!? 」

<清正様、売り出し中!>

その日、菊山道場でのトレーニングを終えた翔太は、マーボ、トミー、清正、晃一、隼人の面々に甲南の藤田、伊達だて久次ひさつぐ神尾かみおと共に『テオジニス』にいた。

「で、大中は進学先、決まってんだ」

「いやいや、英治えいじ。まだ、はっきりじゃねえよ。マーボとトミーと晃一は決まりだけど、俺は高校行くかどうかまだ決めてねえ」

英治とは伊達のことで答えたのは清正である。

「マーボとトミーは暁星と泉南だろ。晃一はどこだよ?」

「泉南だ。あそこは商業だろ。なんかシノギの勉強に役立つかなってな。俺は極道になっからよ」

晃一は、当然のように言った。

「そっかあ。やっぱ暁星か泉南だよな。うちのミッキーは今んとこ、真っ直ぐ極道だから、マーボとトミーが番を張るってことだよな。うんじゃ、俺もその下でいいから、どっちかに行くかな」

「なんだよ、英治、副番狙いかよ。もし、俺が行ったら三番格だぜ」

「おお、清正はいいんだよ。おめえはマブダチ、身内みてえもんじゃん。どっかの知らねえ奴じゃねえからな。ま、俺がしっかり補佐してやらあ、もし、進学すんならな」

伊達は、任せなとばかりに胸を叩いた。

「おお、英治、頼り甲斐ある奴。頼むぜ」

清正は楽しそうに笑っている。

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