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「花とデザイン」 花、暮らし、私 vol.01

はじめまして。名古屋で空間デザインのお仕事をしています出水佳恵です。
空間デザイナーである私が、「花」をテーマに記事を書かせていただくことになりました。
なぜかと言うと、花が好きだからです。

花の近くで生きていきたいな。
いつかの私がそう思ったことを機に、花を学び、お仕事にも花を取り入れ、花屋を持たないフラワーデザイナーとしても活動を開始。空間装飾としての花の他にも、ブライダルやお祝い事のお花をつくっています。
そして、クライアントワークではないアートや表現の場では必ずと言っていいほど、花をテーマにしてきました。

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これからはここで、「花」について記事を連載していくわけですが、知識だけではなく広い意味での「花の魅力」を伝えていきたいな、と思っています。

例えば、私たちが日頃いろんな種類の花を気軽に見たり手に取ることができるその裏側。とても沢山の人が関わっていて、その人たちはとても魅力的です!だからこそ、私もずっと花の近くにいたいと考えました。

普段知ることのあまりない花の世界の裏側を(ときには表側も)、これから皆さんと一緒に知っていけたら嬉しいです。きっと花のことを、もっと身近に感じていただけるのではないかと思います。

私自身、花のことを学ぶために朝4時から花市場で働いていた経験があります。
そこはもう、とにかく忙しいし、眠い(笑)。だけど本当に天国かというくらい楽しかったのを覚えています。

季節で移り変わる花たちに、毎日ドキドキしながら働いていました。
愛知、静岡、三重、岐阜、滋賀…東海近郊のお花屋さんが一斉にやってくる市場でお花屋さんとお話することも楽しみのひとつで、オススメのお花屋さんもたくさんできました。

市場や花屋さん以外にも、生産者さんや種苗のメーカーさん、盆栽屋さんと、これまでにたくさんの方の話を伺ってきました。それが今、最も私が力を入れて取り組んでいる、花の廃棄をなくす活動「invisible flower」につながっていくのですが(この話はまた今後の記事でご紹介できればと思います)、普段見ている花にまつわるストーリーを知れば知るほど、のめり込んで来たのです。


「花とデザイン」を考える。


前置きが長くなってしまいました。

この第一回目は、私の本職でもある「空間デザイン」にまつわるお花や植物のお話をしたいと思います。

私の普段のお仕事は飲食店や美容サロンなどのお店造り(たまに住宅も)。そこには必ずと言っていいほど、花や植物の存在があります。

店舗や住宅を設計するときには、シンボルツリーやプランターの植物を置く場所を初めから決めて、ベストな場所に配置する。サンルームを作って植物とコーヒーを飲む空間を作る。花を活ける場所を初めから作って置くなど…空間デザインに花や植物は不可欠と言えるでしょう。

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ご自宅やお店をこれから建てたり内装を考える際には、「花や植物をどこに飾るか」という視点も持ってみると、空間にゆとりやリズムが取り入れられます。
そんな時は、ぜひ設計士さんやデザイナーさんに要望を伝えてみてください。

「置ける場所に置く」ではなく、「ここに置きたいから置く」。もっというと、「ここでこういう気持ちで過ごしたいから置く」
が叶えられるのは、設計段階だからこそできる贅沢な選択肢です。

もちろん、新築・新装ではなく今あるお部屋に花や植物を素敵に飾るテクニックもたくさんありますので安心してください!生活に寄り添うお花や植物は、どんな暮らしでも取り入れられます。


これまでの仕事で、気づいたこと。

店舗設計やデザインのお仕事では、どんな人がどのように、どんな気持ちでそこを訪れるのか、どんな過ごし方をするのか、とにかくいろんなシチュエーションを想像しながらレイアウトやデザインを決めていきます。そう、実はデザインのお仕事も、お花のお仕事も、実は全部、やっていることは一緒なんです。

お花屋さんそれぞれ考え方やお花の作り方は違うと思うのですが、私が普段、依頼を受けてお花(花束)をお作りする時は「お相手の方やお店のキャラクター」「イメージや服装」「お渡しするシチュエーション」「置かれる場所」などを詳しくお聞きします。

どんな人で、どんなライフスタイルで、どんなことで喜んで、花をもらった時にどんな気持ちになるのか。それらを想像することで、本当に喜んでもらえる花束になると思うからです。

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花は花だけで美しいけれど、そこに誰かの気持ちが乗るから、特別なものになるんですよね。

これって、デザインと一緒。
綺麗な空間やものだけをつくっても、そこで過ごす人、使う人とマッチしていなければ意味がありません。

花もデザインも、誰かを少しだけ幸せな気持ちにしたり、ホッとさせたり、テンションをあげたり、そういう力を持っています。そこには思いやりや優しい気持ちがあってこそ。

これから誰かに花を贈るご予定の方は、小さなことでもお花屋さんに相談してみてください。きっとベストな提案をしてくれると思います。

第1回目は私の自己紹介と「花とデザイン」というテーマでお届けしました。次回以降は花と関係する様々な場所や人を取材していきます。
この連載を通じて、花をもっと身近に感じてもらえたら嬉しいです。

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