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天体衝突、1番近いところで

走るのも、本を読むのも、食べるのも、喋るのも、恋をするのも、家を出るのも、私より全部早かった。

何をするにも早いところが素敵だったけど、なにもそんなに早く飛ばなくたってよかったのに。

10月。
私らの身体はみんな星屑からできていると教えてくれた。
左と右の手、それぞれ違う物質の星屑が集まってできたらしい。
私の手を握るとき、ビックバンやねと囁きながら笑った。少し違うと思ったが、正しいとも思った。あれ以上の儚さったらない。

私の銀河とあの人の銀河がぶつかって、そこからまた新しい星が生まれる世界を、そんな世界を待っていたんだけどな。
あの人がどこへ向かったとしても、素晴らしい黄金の旅路になりますように。






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眠れない夜に

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