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2019年の東大入試を予想する! 【第1弾】 英語編 #ドラゴン桜2

東京大学経済学部3年生の西岡壱誠です。
まずはこちらの動画をご覧ください。


今、桜木先生はバーチャルYoutuberとして、さまざまな方に向けて勉強法や受験のあれこれを発信しています。
実は僕、西岡壱誠も、桜木先生にこき使われて……じゃなかった、使っていただいて、桜木先生のサポートをしています。


そして今やっているのが、『東大の予想問題作り』です。
センター試験の問題も見事的中させた桜木先生は、この勢いで2019年の東大の問題まで当ててしまおうとしているのです。

東大入試本番まで、桜木先生と僕で作成した予想問題を、皆様にも大公開しちゃいたいと思います!
いろんな科目で、「今年はこれが出るはず!」というテーマの問題をお出しして、東大入試の攻略法も一緒にみなさんにご紹介させていただければと思います。


今回、桜木先生の無茶振りで、僕も東大の過去問を50年分ほど徹底分析したり、各予備校の予想問題を調べさせられました……ホントあの人、人使い荒いんですよね……。
というわけで、かなり力を入れて予想問題の方作っておりますので、みなさまぜひ参考にしていただければと思います。

さて、まずは英語の問題から行きましょう。

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●英語 予想問題
2(B)
以下の太字部分を英訳せよ

留学した友達が、「もう一年も滞在したので、この国のことは熟知した」と言っていたが、それは傲慢だと思う。「たった1年どこかの国に住んでいたからといって、その国の文化が完全にわかるようにならない」。そんな風に先生が言っていたのを思い出した。

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●この問題は……
桜木先生は、「今年も和文英訳の問題が出る!」と考えています。
実は和文英訳の問題というのは、過去東大の英語の入試を遡って考えてみると、1997年までは毎年出題されていたテーマでした。その後、20年間は出題されず、「自由に英文を組み立てなさい!」という自由英作文問題の出題がなされていたのです。


しかしそれが、2018年になって、いきなり復活しました。この復活に驚いた受験生・予備校関係者は多く、「どうしていきなり!?」「いや、これは今年だけなのではないか?」「来年以降は出題されないのでは……?」と議論がされていますが、桜木先生の見解では、「十中八九、2019年も出るだろう」とのことです。


実は最近東大の英語科の先生たちの中では、東大に入ってくる学生の基礎的な英語力の低下を嘆く人が増えているそうなのです。たしかに僕も、東大の英語の授業で「もっと基礎を身に付けてからこの大学に入りなよ」と呆れ顔で生徒に叱る英語教員の姿を目撃したことがあります。


「そう考えると、このストレートに英語の基礎力を問う和文英訳問題は、ずっと出題が続くのではないか?」
そう結論付けて、今回の予想問題を出題させていただきました。

●解説
さてさて、ではこの問題の解説です。みなさん、この問題は難しかったですか?
「難しかった!」……という人は、どこが難しかったでしょう。
おそらくは、「〜だからといって〜ではない」という文章をどのように組み立てればいいかわからない!と考えたからではないでしょうか。
迂闊に[You can’t understand its culture because you live in a particular countries for a year.]なんて書いてしまうと、「1年間住んでいた『から』、あなたはその国の文化がわからない」という意味になってしまって、間違いになってしまいます。「住んでいた『からといって』わかったことにはならない」という英文を作りたいわけですから。
……もしかしてこういう英文、作っちゃってました?それはまんまと、桜木先生の術中にはまってしまいましたね……。


僕と桜木先生は、1997年以前の英作文問題を研究した結果、東大の英作文問題の難しさはこの、「どういう構造で英文を書けばいいかわからない問題」が多く出題されている点にあると結論付けました。東大の和文英訳問題は、「単語力も、文法力もそこそこあれば対応できるけれど、『構造』で点が引かれてしまう問題」が多いのです。これは第4問B問題の英文和訳でも全く同じで、「構造がわかっていないと点が来ない」という問題が多いのです。東大って、『構造(大枠)』を重視する大学なんですよね。

では、「〜だからといって〜ではない」はどう書けばいいのでしょうか?
これ、日本語を少し変えて考えてみましょう。「〜だからといって〜ではない」って、「A≠B」「AはBじゃない!」って言ってるのと同じですよね。
「これとこれは同じじゃないよー」って書ければいいのです。
つまりは、[It doesn’t mean]でいいんです。「AはBという意味ではない」を意味するこの英語の構造で、実は正解を導けるのです。

こんな風に、難しい構造の日本語を、「簡単に言い換える」力。
これを桜木先生は「和文和訳力」って言っているのですが、その能力を駆使すれば、東大の和文英訳問題も攻略できると思います!
ちなみに、東大の和文英訳問題とよく似た問題を出すのが大阪大学です。機会があれば、大阪大学の過去問で英作文問題を解く練習をしてみてはいかがでしょうか?

●解答
Just because you live in a particular countries for just a year, it doesn’t mean you completely understand its culture.


注意)リード文を読むと、「主語は友達かな?」と思ってしまうかもしれないですが、下線部は先生の言葉なので、一般的な傾向について言っていると解釈して「you」を主語にしましょう!

ではではもう一問!次は世界史の問題ですよ!


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●予想問題
ヴァスコ=ダ=ガマがインド西岸のカリカットに到着したことで、ポルトガルはどのような貿易拠点を確保し、いかなる貿易を行うようになったか。具体的な貿易拠点の名前をあげながら、3行(90字)以内で述べよ。

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●この問題は……
桜木先生が、動画の中で「世界史は差異だ!」って言ってましたね。
「『帝国』統治者の呼び名が登場する経緯にも大きな違いがある。(2017年)」
「奴隷制廃止前後の差異に留意しながら(2013)」
「植民地政策の差異に加えて(2012)」
「地域の特徴を比較して(2009)」
「対照的な性格に留意しつつ(1998)」
「解体過程の相違に留意(1997)」
東大の入試って「差異」が大好きなんですよね。「違い」「差異」「比較」「対照的」「相違」……という言葉が何度も出てくるんです。ホント、それに準じる言葉が出てこない年の方が珍しいんじゃね?ってくらい何度も何度も出てくるのです。
そして、その「違い」を文字で書かせるのが東大の特徴なんですね。
そこでいくと、「差異」が価値を生む、一番わかりやすい例は「貿易」です。

一方が香辛料が余っていて、銀が不足していたとします。
もう一方では銀は有り余っているけど、香辛料がなかったとします。
これを交易すれば、お互いにとって大きなメリットとなり、莫大な儲けが得られますね?
これが、世界史で言うところの『東方貿易』の正体です。全ての貿易・交流は差異の補い合いでしかないのです。だからこそ、東大は貿易の話を何度も何度も出します。
「ペルシャ湾ルートに代わって紅海ルートが栄えるようになった歴史的要因は?(97年)」
「ムスリム商人によって築かれた海港都市の名前を二つ答えよ(97年)
「15・16世紀のインド洋を中心とする東西交易史上の重大事件とは?(85年)」
「東方貿易とは?(09年)」
こんな感じで、貿易の話がめっちゃ出てくるのです。「東方貿易」「地中海貿易」「紅海貿易」「香辛料貿易」「大西洋三角貿易」……。どの貿易も、一定の周期で東大の入試で問われています。

で、僕と桜木先生が議論に議論を重ね、何度も僕が桜木先生に怒られつつ2人で考えたのは、「今年出題されるのは香辛料貿易と中継貿易ではないか」ということです。
特に僕は、日本と中国の中継貿易については出る確率がかなり高いのではないのかと考えています。予備校の世界史の先生に取材したところ、「最近は、『日本』と『世界』との交流の問題が増えていて、世界史の問題でも日本史に関わる問題も多く出題されている」と仰っていましてね。確かにその兆候はあるようです。東大でも出題が増えており、最近一番フィーチャーされたのは2004年第一問でがっつり「日本の銀」の話が出題されていました。

このような日本の交易に、ポルトガルの商人が絡んでいた……。
この話は、東大の教授も授業の中でよく話していたことでした。
「ということは、もしかして今年も、ポルトガルとか日本の銀の話が出るのでは?」
そう考えて、この問題を出題させていただきました。
ポルトガルはどこを拠点にして貿易活動を行なっていたのか?または、何を交易していたのか?これらは、東大では第2問だけではなく第3問の短答問題の中でも出題される事が多いです。ぜひこれを機に、確認してみてください!

ちなみにこの問題は、東京学芸大学の2011年の問題を参考にして作っております。そちらも時間があれば確認してみてください!

●解答
インドのゴアや、マレー半島のマラッカ王国を拠点としたポルトガルは、銀とアジアの香辛料を交易した。また、中国のマカオと日本の平戸を拠点に中国の生糸と日本銀の中継貿易に参入した。


いかがでしたでしょうか?今週からこんな風に、いろんな予想問題を出題していきますので、みなさまぜひ解いてみてください!


また、これらの予想問題は、キャプチャしてSNS上にアップしたり、印刷して生徒さんに配ったりしていただいてなんの問題もありません!むしろどんどん発信していっていただければと思います!

あと、回答の添削も、時間の許す限り僕がやらせていただきます。桜木先生もやってくれるんじゃないかな?SNSで絡んでいただいたり、動画のコメント欄に解答例を出していただければ、採点させていただきますので、ぜひ挑戦してみてください!

ちなみに、はじめの動画の《解説編》は、僕も出演させていただきます。
……いや、桜木先生に「予想問題の解説はお前がやれ!」って言われましてね?ホント、人使い荒いよなぁ……。
そちらの動画は日曜日にアップいたしますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!

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