日本語のはなし

昨晩奥さんとちょっとした議論になりました。
話の流れから、
「上にあがる」
「下におりる」
が二重表現だから良くないよねという内容になったとき、奥さん的には
「言いたいことはわかるが何故ダメなのか理解できない」
ということで、例えば
「この台の上にあがってください」
もNGなのかと訊きます。
「そういう場合はこの台にあがってください。じゃないかな。」
と伝えたのですが、彼女いわく
「この台の ”上に” の部分は "ここに" を指すニュアンスが入ってるから必要」
”上に” と言いながら指さしてるようなイメージらしいです。主張はわかります。でもやっぱり
「美しくないからいけないよ。」
と言うのですが、
「美しくなくていい場合は?意味が通らないわけじゃないし、その方が誤解を生む余地がないからいいよね?」
「うーん、でも、それってさ、頭痛が痛いと同じで気持ち悪いんだよな。」
「全然違うでしょ。頭痛が痛いはバカじゃん。」
「そう、ちょっと何かそういうのを感じちゃうんだよな。」
「上にあがるって言ったらバカっぽいってこと?」
「まぁ、うん、ちょっとだけ。」
「あー、わたし文系の人のそういうとこ嫌い。
最終的に人格否定で終わったのですが、話している間に私も自信がなくなってきました。二重表現はいけないからいけないという頭が強くて、何でダメなんだとまっすぐ見据えられると答えに詰まってしまいます。
二重表現の是非についてネット上でこういう文献が見つかりました。

「二重表現」とは、同じ意味の言葉を繰り返し使うことで「重複表現」とも呼びます。
慣れで気付かずに使っている場合が多く、話し言葉をそのまま文章にするとよく起こります。
その違和感を感じないまま使っていると、もやもやした文章になります。
相手にストレスを与えないためにも二重表現の多用には注意が必要です。

入れなくても文章がつながるならその言葉は要りません。
足りている上から足すと余計に文章が複雑になり、読み手の理解を遅らせる原因になります。

https://www.three-count.jp/advice/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9%E3%80%8C%E4%BA%8C%E9%87%8D%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%80%8D/

この文自体が違和感を感じてしまっているところが気になりますが、要するに文章のテンポが悪くなり、その結果伝えたい意味が濁ってしまうのがダメだよという事のようです。
そうすると奥さんが出してきた
「この台の上にあがってください。」
はOKになるような気もしますし、冗長なのでダメなような気もします。

日本語って難しいです。

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