予定管理のはなし つづき

紙の手帳を経て、Googleカレンダーとは反りが合わず、ようやく見つけた私の為のPDAデバイス、Workpad 31J。こいつは電池で動くし筐体デザインも「俺はビジネスやるぜ」感丸出しでナイスだぜ。というところからの続きです。

誰も興味が無いと確信していますが私のPDA遍歴を残しておきます。

1.IBM WorkPad 31J

手のひらサイズのにくい奴だ

初めて手に入れたPDAです。乾電池駆動により2023年現在でも普通に動作する、生ける化石のような存在です。素晴らしいですね。
画面占有率的にスマートフォンのフォルムに近いのですが、下部にボタンがいくつか並んでいるのが特徴的です。
一番左のボタンを押すと、スリープ状態から0.1秒くらいで予定表画面が立ち上がります。iPhoneも0.1秒くらいで顔認識するかもしれませんが、その後Googleカレンダーアプリをタップする必要があるので実質WorkPadの勝ちだと言えます。
キーボードがありませんので、文字の類は下部の四角形にGraffitiと呼ばれる一筆書きのアルファベットを書き込みます。これがミソで、慣れるとかなり快適に入力できるようになりますし、手書きスピードで思考する事により考えがまとまりやすくなります。
とても気に入って使っていましたが、徐々に気になる点が出てきました。
31Jは割合初期の製品であるため、搭載されているOSのバージョンが低く、動作しないアプリが多かったのです。再びオークションの海原に出かける必要がありました。


2.IBM WorkPad C3

見た瞬間にわかる。いるやつ。

PDA史上最もデザインが洗練された製品です(個人の感想)
31Jと同じ液晶サイズでありながら、かなり小型化されています。
それに伴い電池駆動からバッテリー駆動に変更されました。電池は使い終わったらゴミになってしまいますし、充電池にしても交換を考えて2セット用意しないといけないのでバッテリー駆動の方がいいに決まっています。素晴らしいですね。
OSのバージョンが3.1Jから3.5Jへ引き上げられました。本体メモリも4MBから倍の8MBにアップしています。8MBもあって一体何を入れるのか!?なんて思ってしまいますね。実際はATOKのカタカナ辞書とかを入れます。
WorkPadシリーズはこのC3を最も長く使ったと思います。とにかく小さくて軽いのと、今取り出しても違和感のないデザインも相まって所有欲のボルテージは最高潮という感じでした。
もうこれでいいや的満足感を得ていたのですが、情報収集するうちになんかスゴイのがあるという事がわかってしまい、いても立っても居られなくなってしまいました。

3.SONY CLIE TH-55

全画面の衝撃

IBMのWorkPadはビジネスやる気あるぜマンだったのですが、SONYのCLIEシリーズはもう少しホビーに寄せた設計になっています。
見た目はまんまスマートフォンですが、発売は2004年です。iPhone3Gの発売が2008年なのでかなり先取りです。
TH-55の特徴は何と言っても全面液晶になっていること、かつ解像度がWorkPadの横方向倍の320、縦方向は480あります。あまつさえ背面にはカメラまで備えています。また、Clie OrganizerというSONY謹製アプリがROMに焼かれており、「紙の手帳をデジタルで再現」という言葉通り、マンスリーやウィークリー、デイリーの手帳画面に自由に手描きで書き込む事ができます。もちろん普通に時間指定の予定を入れていくこともできます。
Clie Organizerは本当に良くできていて、PDAとして一つの完成形だと言えます。予定表、メモ帳、ToDoリスト、連絡先、それら全てがシームレスに連携しており、紙の手帳にリフィルを追加するかの如く情報同士をリンクさせたり、貼り付けたりできるのです。
PalmOSの設計思想は「シンプルを貫く」というものであるのですが、SONYはそこへ真っ向勝負を挑み、見事に成立させたと感じます。
そんな素晴らしいTH-55にも弱点がありました。
それはClie Organizerがクソ重たいということです。あれだけの機能を有しているので仕方がないのかもしれませんが、PalmOSデバイスとして見た場合、ちょっと看過できない遅さがありました。
従来通りのOS標準予定表アプリもプリインストールされており、そちらは電光石火の如く動作しましたので、やはり何というか、SONYだなぁという印象です。
結局そこまで使い込めなかったTH-55ですが、SONY製品には謎の魔力があり、1つ手に入れると他のシリーズが気になって仕方なくなってしまうのです。

4.SONY TJ25

非の打ち所のないデザイン

PDA史上2番目にデザインが洗練された製品です(私感)
写真がすごく下手くそなので4割くらいしか魅力を表せていないのですが、本当にかっこいいです。
TJ25の存在意義はそのデザインと言い切ってもいいでしょう。
SONY十八番のセンタージョグも備えています。個人的にはジョグダイアルを使いやすく感じたことはないのですが、この時期のSONY製品にはほぼ例外なく採用されています。
これと言って特色のある製品ではないのですが、ビジネスの現場にも溶け込む筐体、WorkPadの倍、320x320ドット解像度を備えたディスプレイ、メモリースティックにバックアップを取れるなど、それこそ手帳の代わりに側に置いておきたくなるような機種でした。


CLIEやWorkPadなどのPalmOSデバイスにすっかり魅了された私ですが、ここに来て一つの発見がありました。
「やっぱりキーボード入力したい」
そう、Graffiti入力は画期的ですが、このちっこいデバイスにペンを走らせ続ける事になりますので、ちょっと長文を入力するとなると腱鞘炎必至です。
外付けアクセサリでキーボードが用意されている機種もありましたが、それではこの ”小さいデバイスの格好良さ" が台無しになってしまいます。
CLIEとキーボードが一体化してくれたら…。Palmデバイスの設計思想を覆す願いを持つ私でしたが、果たしてその願いは叶うのでしょうか。

この辺までくると私も皆さんも飽きてると思いますが、もう少しだけ続きます。

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