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【資産運用】アインシュタインもびっくりの「複利」の話


複利は人類最大の発明

ツァラトゥストラのような怪物ではないが、20世紀の天才物理学者ロバート・アインシュタインが、複利は人類最大の発明であると語ったという逸話が残されている。

実際のところ、アインシュタインがほぼ独力で完成させた特殊相対性理論や一般相対性理論と比べて、複利がそれほどの発明であるとは思わない。何しろ、相対性理論は、人類のそれまでの時空に関する認識を根底から覆してしまうような革命的な発見だったからだ。

しかし、誰が発明したか不明な複利は、単純ではあるが、利子の受け取り手が有利になるような仕組みが巧妙に組み込まれたシステムであるのは間違いない。きっと中世ヨーロッパの強欲な金貸しが考え出した仕組みに違いない。知らんけど(笑)。

複利の対義語に単利があるが、ほとんどの場合、単利が適用されることはなく複利が使われる。そのため、長期投資の効果は、複利の効果と同義語になっている。

しかし、複利の仕組みを理解する上で、単利の概念は有用である。

単利の場合

まず、単利について見てみよう。

元金を100、利子を10%で考えると、1年後に利子10を受け取り総計110になる。2年後も同じように元金100に利子10を受け取り、前年の利子10と合わせて総計120になる。3年以降も同様に、資産は毎年10ずつ単調に増加していく。

単利では、利子を再投資しないため元金は増えず、毎年の利子は一定額となる。そのため、資産の増え方が比較的ゆっくりだ。

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複利の場合

次に、複利の場合を考えてみよう。

元金を100、利子を10%で考えると、1年後に利子10が支給されるが、これを受け取らずに元金に加えて元金110になる。2年後は、元金110に利子11が支給されるが、これも受け取らずに元金に加えて加えて元金121になる。3年以降も同様に、利子は受け取らずに元金に加算して運用していく。

複利では、利子を受け取らずに元金を成長させながら運用をおこなうため、毎年受け取る利子の額が増加していく。利子の額が増加すると、それに伴い元金の増加も加速していく。

それらの相乗効果で、長期投資においては、資産が加速度的に増えていく。

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複利の効果

複利の効果をグラフで表すと、一目瞭然である。

単利では単調な増加であるのに対して、複利では運用年数が伸びるほど加速度をつけて資産額が伸びている。

単年では小さな増加でも、長期運用により大きく増やすことができるのだ。

ただし、投資にはリスクがつきものなので、リスクコントロールが肝要だ。

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※この記事は、個人の見解を述べたものであり、法律的なアドバイスではありません。関連する制度等は変わる可能性があります。法的な解釈や制度の詳細に関しては、必ずご自身で所管官庁、役所、関係機関もしくは弁護士、税理士などをはじめとする専門職にご確認ください。
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