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七十二候 涼風至(すずかぜいたる)



#今日はなんの日 🍊
#暦の話

七十二候
「涼風至(すずかぜいたる)」
8/7~五日間です

涼風が夏の季語なのに
「涼風至」は立秋にて秋の暦です
実は「盆踊り」も秋の季語なんだとか

この時期に涼風がふくのはいいですね
祭りの夜はほんのり涼しくあってほしい
送り火も大文字も流されていく灯籠も
見つめている間だけは
涼しい気持ちでいたい

夏の夜の風物詩だった虫の音すら
だんだん秋色を帯びてくるわけですが
「暑さ寒さも彼岸まで」のコトバ通り
きちんと涼しくなるのはもう少し先
秋分を過ぎない限り、まだ残暑の候

風に関する七十二候はみっつ

(1)立春(2月4日)
東風解凍(はるかぜこおりをとく)

(2)新暦の七夕(7/7)
温風至(あつかぜいたる)

(3)新暦の七夕(8/7)
涼風至(すずかぜいたる)

今は3番目というわけです
そしてこれ以降
暦に風は登場しません

昔の和歌にも
いろんな風がありますので
紹介します

▶羊角風(ようかくふう)
つむじ風のこと。羊の角に似て渦を描く。
▶天狗風(てんぐかぜ)
突然激しく吹き下ろす旋風
▶頸風(けいふう)
強く吹く風
▶颶風(ぐふう)
台風のように旋回する風
▶黒風(こくふう)
塵やほこりを舞い上がらせる強い風
▶朝羽振(あさはふ)る ※夕羽振(ゆうはふ)る
風が激しく吹くことを、朝に鳥が羽ばたく様子に例えた言葉
▶雲雀東風(ひばりこち)
春、ヒバリが鳴く頃に吹く東風(こち)=春風
▶花信風(かしんふう)
花が咲く季節を知らせる風
▶黄雀風(こうじゃくふう)
陰暦五月頃に吹く風
古来中国ではこの風が
黄雀になると考えられていた
▶星の出入り
陰暦十月頃に吹く北東風
夜明け前にスバル(星)が
西に入る直前に吹くことが由来
▶色なき風
秋風のこと。秋のことを白秋=いろなき季節と呼ぶことから。

和歌の世界だといろんな風がありますね
私が好きなのは、涼風と同義のこれです

▶科戸(しなと)の風
日本神話に登場する風の神シナツヒコが起こす
一切の罪や穢れを吹き払ってくれる風

重苦しい季節ですからね
涼風もこれくらい
爽やかなものが吹いてほしいです

ということで、今日は
好きでたいてい読んでいる
久栄社のコラムに載っている松尾芭蕉の
俳句で締めくくりましょう

――此のあたり 目に見ゆるものは 皆涼し


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