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七十二候 梅子黄(うめのみきばむ)





#今日はなんの日 🍊
#暦の話

七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」
二十四節気でいう芒種(ぼうしゅ)
最後の週
これが終わるとついに夏至です
大黒摩季です
つまり「夏が来る」(もう来てます)

芒種ってなんだったのっていう話ですが
要するに稲作に切り替わるタイミングです
(芒てのは稲穂の先端のことです)
この時期の特徴はめちゃくちゃ雨が降る

梅雨入りもだいぶ前から始まってます
妙にこの時期に梅の名前がちらつくのも
無関係ではなく、やはり梅が熟れる時期が
ちょうどこのあたりだったりします

ちなみに旧暦は中国からの輸入ですが
中国大陸側ではこの時期、雨が少ないので
「反舌無声」つまり舌が渇き声が出ない、と
言うそうです

つまり日本と中国のまったく異なる環境で
同時に収穫期を迎えるのが梅というわけ

当初は燻製として日本に入って来たらしく
見た目は真っ黒!なので食べ物というより
薬丹のように見なされていたとか

事実、これほど抗菌・殺菌力のある
食べ物もそうないですからね
スーパーアルカリ・フードです

その後、日本では武士の気付薬代わりの
携帯食になりつつ、庶民の食卓やお茶
果てはおせち料理に
登場するまでになりました

1~3月の間に花をつけ
6月頃に実をつける梅
桜よりも早く咲いて遅く散る梅は
見てもよし、食べてよし、飲んでよし、と
三方良しで優秀ですね

しかしここでいう「きばむ」梅は
食べてよし、の方の梅っぽいです
というのも、いわゆる青梅と呼ばれる方は
食べるにはまだ固く、専ら梅酒に代表される
ように、漬け込んでお酒にする用途の梅

これが徐々に熟れて黄ばみを見せるように
なって始めて、梅干しの方にも使えるくらいの
柔らかい実になってくるわけですね

おそらくですけど
「熱・冷・湿・乾」っていう
紀元前4世紀の古代ギリシア「医学の父」
ヒポクラテスの説がそのままぴったりだと
思うのです

湿ってて蒸し暑いこの時期は
乾物(かんぶつ)からエネルギーを貰いつつ
食べ方は冷たっぷりがぴったり

おすすめはやっぱり潰してジュレにして
きゅうりと合えて、刺身と一緒に添えて
食べるか、サラダに和えたり
わかめや昆布と和えて冷ややっこにしたり
でしょうか

せっかくだから涼しくも
身体がばてないよう乾物を入れて
きっちりミネラルを補給するのがポイント


梅の実は 人目につかずにみのってゆく あのようにわたしも 身うちに溜った青い酸い思いを 誰にも気づかれずに うすめることは できないものか まろやかに熟することは できないものか 

新川和江「さみだれの午後」


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