ネタバレ厳禁というネタバレさ

『ゆる言語学ラジオ』というYouTubeで気になった本が紹介され実際に読み終えましたので内容には触れないように読んだ感想を書きました。

リスナーの方もいらっしゃるかもしれないと思うと間違った表現を使ってないかと身構えてしまいますが、そういった場合は大きな心で見ていただけると助かります。

さて、『ゆる言語学ラジオ』を知らない人もいると思うので説明すると、

ゆるく楽しく言語の話をするラジオです(概要原文ママ)と、

タイトルままなYouTubeで、初めての人にオススメなのは助数詞回と、『ゆる言語学ラジオ』の話だけで一つnoteが書けそうですが本題は『ミーム提案委員会』の回で紹介された

『しあわせの書 迷探偵ヨギガンジーの心霊術』(泡坂妻夫 新潮文庫)

画像1

の感想ですので、その話に戻るとこの本は写真のようにタイトルと表紙では、話題な本と書店で並べてあってもまず手に取らず『ゆる言語学ラジオ』で上げられなかったら読まなかった本でした。

動画内でも話されていたようにこの本は自己啓発や哲学・宗教系の本ではなく、小説であり、「最後で変わる」と、更にAmazonの紹介には「未読の人にはネタバレしないでください」と仕掛けられた謎に興味が湧き自分も手に取りました。

画像2

そして、実際にタイトルページを捲ると写真のような一言か添えられていました。ますますこの「秘密」の部分の興味も重なりハードルが高くなっていました。

ネタバレ厳禁の言葉自体が、ネタバレになるのではと、叙述トリックが好きで、叙述トリックのことを調べる(勧める)とその時点でネタバレになるのと似た現象(これもミームとして作りたいですね)が起きて驚きが低くなるのではと思いましたが読了後はその心配は杞憂になりましたし、やはりネタバレがないほうがこの本を楽しむ上での醍醐味だなと感じました。

ただ、本としては最初読みにくく、内容も入ってこず読み返すことを続けていました。正直、本を読んだことない人にとっては厳しいものだと感じました。

最後に「何か」あるんだという希望や「秘密」を知りたいという欲で、耐えるとだんだんと慣れて読み続けることができましたので、「ネタバレ厳禁」という文言も悪くないなと思いました。

で、種がわかってからの読み返し。驚嘆とか鳥肌がたったとかそういった大きな驚きではなかったですが、欠けていたピースが当てはまるような納得感や気持ち良さがあり、恐らくハードカバーで1500円台だと後悔していたのかもしれないと、文庫本サイズで500円台なのが値段と文章量にあった満足感と解放感がありました。

「紙の本ならではの仕掛け」とあるように、今後万が一電子書籍化した場合には全部読んで通したの?と言いたくなるので紙の本で読むことを薦めます。

話のきっかけとしてはコスパが良く、読んで損はない一冊だと思いました。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?