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日記公開処刑


タイトルを見て察しがついたと思われるが、書くネタが見当たらず私にはやれることがない。
エッセイのネタになるものがないかと去年から始めた日記を読み返してみたところ、書くこと刻むこと全てが悉く孤独と卑屈で見てられないし、もう燃やせばいいほどつまらない。

何も書けなかった自分への罰として、日記のいくつかを公開して勝手に大火傷したいと思う。
手直ししたところでしょうもなさに変化はないのでほぼ原文そのままを公開する。
自分用に書いてあるし当時の勢いそのままなのでわかりづらい部分があると思うが、わからないくらいがこちらのダメージが抑えられる気がするのでそのくらいでお願いします。


12月◯日
久々に美容院に行った。メニューにショートヘッドスパがあったので「長くて10分、短くても5分」と予想して横たわり、命乞いするかのように「どうか10分でお願いします!」と心の中で叫んだら、3分だった。

1月◯日
生放送最後に週末が暖かいので桜が勘違いして咲くかも、なんてことを言った後にかっこつけて「桜咲け、受験生」で締めようとしたら甘噛みで終わったので、この時東海地方の全桜が枯れ果てた。

1月◯日
グルメリポートのロケ。猫カフェでの嫌われっぷり。感動を覚えるほどだ。結局餌でしか猫たちはよってきてくれなかった。そんな心の闇が見えてた?手を伸ばせば皆ゆるやかな曲線を描いて通り過ぎていき、今ティッシュ配りしてるのかと思った。

2月◯日
母と妹と一緒に一泊二日の高山&奥飛騨旅行へ行った。ここの宿の魅力の一つは温泉が多いこと。貸切風呂も合わせて4種類。はなれの貸切風呂を入れると6種類もある。温泉の多さに惹かれて母がこの宿に決めた。3人とも温泉巡りは初体験だった。母の感想は「いちいちの脱ぎ着が面倒」

2月◯日
旅行二日目のメインは新穂高ロープウェイ。てっぺんは−12度で恐ろしい。でもそこは私が見たかった白銀の世界で何もかも白で描かれていたようだった。移動こそ多かったが、不意に思い出して日々のエネルギーに変えられそうな良い旅行になったと思う。この二日間で母が一番興奮していたのは帰りのホームで「あれってシェシバタじゃない!?」

3月◯日
朝から鼻と目がムズムズ。来たな、花粉症。目薬をさせども変化なし。でも天気が良くて出かけた鶴舞公園で見かけた卒業式終わりの学生たちを見られたので良しとする。記念撮影したり、円陣組んだり、先生と喋ったり、あそこから出てる青春の煌めきが致死量だった。泣いた。

11月◯日
なんだかんだ10時まで布団から出られないような惰眠を貪ってこそ休日ではないか。

11月◯日
グルメロケ。今月入社したばかりの新人営業さんも一緒に4軒お店を回った。変な待ち時間もなくまいて終われたのでホクホクしながら最後に新人さんに感想を聞いた。「驚いたのは、休憩がないんですね」言われて急に電気が走った感覚がした。自分の価値観がどんどん会社員から離れていっている。

9月◯日
常連さんがパチンコの景品として交換してきたクッキーをお店のママにプレゼントしていた。「多分腐ってないからよお」「あんたの性格が腐っとるでな」いつだってママの返しは失礼極まりなく面白い。いつも喧嘩腰の初老の常連がこの日はおとなしいと聞いた時は「今のうちにたくさん顔を見ときゃあよ」とママが言ったときは声が出た。家にゴキブリが出ないと自慢した人には「あぁゴキブリにも嫌われているのか」

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