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漢字アレやコレや。湯桶と重箱。

こんにちは、ミスミです。
塾で国語を教えていると、子供からさまざまな疑問が上がります。それに適当な知識で答えているのですが、たまたま読んだ本にその答えがあるのを見つけたので書き記します。

よく、熟語の組み立てとして音訓読みを見分けるものがありますが、その中にある重箱読み(音訓)と湯桶読み(訓音)。生徒になぜその組み合わせなのかを聞かれてお茶を濁して10数年。
(湯桶はユトウ、と読みます)

そもそも湯桶とは、蕎麦湯を入れるような食器の一種ですが、小学生に聞いてもなかなかイメージできないことが多いです。説明するとああ、蕎麦屋で見る見る〜、と言われます。そもそも湯桶を湯おけとイメージしている子も多いので、毎回それは訓訓読みだよねと訂正しています。

私の勝手な予想で、重箱に呼応するような身近なもので、訓音読みのものが湯桶だったのでは、と思ったのですが、それが間違いであることが判明しました。

私が読んだのは、高島俊男さんの『お言葉ですが…』の第四巻、「猿も休暇の巻」です。
「白菊夕刊語」というエッセイの中で、夕刊というのは訓音読みでおかしいはずなのにそんな感じがしない、という話の中でこう書かれていました。

 音訓まぜこぜのことを昔は「湯桶よみ」「重箱よみ」と言った。「湯桶よみ」の方が古くて、室町のはじめごろからあったらしい。ただし単に「湯桶」と言い、おかしな言いかたを嘲笑することばであった。たとえば白梅わやハクウメと言う人や、逆にシロバイと言う人があったら、「そりゃおめえ湯桶だよ」と笑ったのである。
 江戸時代になってから、おなじごちゃまぜでも「訓・音」を「湯桶よみ」、「音・訓」を「重箱よみ」と呼ぶようになった。分業ができたわけだ。

『お言葉ですが…(第四巻、猿も休暇の巻』(高島俊男著)

こうしてみると、湯桶の方が先にあり、その後逆の音訓読みを重箱に変えたのですね。

なかなか専門的な知識を仕入れることが難しいのですが、こうして不意に疑問の答えが見つかったのは嬉しいことなので書き残しました。

これからも疑問の答えが見つかったら書いていこうと思います!

お読みいただき、ありがとうございました!

記事をお読みいただきありがとうございます!少しでも楽しみ、お役に立てるように頑張ります。