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記事一覧
noteをはじめるにあたり~「クリスティー・プロジェクト」の完遂を祈願して
本日、念願のnoteデビューを果たすことにした。
数年前にSNSを卒業してさほど不自由も感じていなかったのだが、昨年来の巣ごもり生活でコミュニケーションが減り、まあ、それもさほど不自由ではなく「健康的で文化的な」生活を送っていたのだが、そろそろ、主に知人たちに向けて発信したくなってきたのだ。もともと飽きっぽいのでこのnoteもいつまで続くかわからないけれど、「クリスティー・プロジェクト」だ
「スタイルズ荘の怪事件」~ クリスティー・プロジェクト その1
勇んでnoteを始めたはいいけれど、このところ多忙になってしまいなかなか執筆時間が取れない。特にマイ「クリスティー・プロジェクト」(アガサ・クリスティーの全作品を映像化作品も含めて制覇すること)の紹介記事は時間がかかるので、毎週コンスタントに書く、というわけにはいかないかも。完遂には何年かかかりそう。途中で放り出さなければいいのだけれど。
とはいえ、まずは始めてみることにしよう。このnote
「秘密機関」~ クリスティー・プロジェクト その2
マイ「クリスティー・プロジェクト」のその2は、おしどり探偵トミーとタペンスの登場である。前回記事の最後でトミーとタペンスは苦手、と書いたが、いったいどうしてそうなったのかと考えていた。 この二人の活躍については小学生の時に短編集を読んだきりだが、当時は好感を持っていたはずなのである。ところが、昨年から長編を読み始めたあたりから、彼らの「冒険譚」に違和感を持
もっとみる「ゴルフ場殺人事件」~ クリスティー・プロジェクト その3
4連休最終日。結構いろいろすることがあったが、ほとんど家から出ることなくゆっくり過ごすことができた。明日から無事に社会復帰できるかな、ちょっと心配。
さて、今回のマイ「クリスティー・プロジェクト」は1923年に発表されたポアロものの長編「ゴルフ場殺人事件」である。アガサの書名の原題はいつも実にシンプルで、我が国で紹介するにあたり邦題をつけるのには苦心されたと思われる。中期の傑作群などは
「茶色の服の男」~ クリスティー・プロジェクト その4
昨日は終日レポート採点に追われていたが、早く「執筆活動」に戻りたくて仕方なかった。晴れてマイ「クリスティー・プロジェクト」第4弾。
「茶色の服の男」は1924年に発表されたアガサ・クリスティーの長編第4作目、「ノン・シリーズ」といって、ポアロもミス・マープルも登場しない作品群の最初の長編となる。
早川書房のクリスティー文庫では、なぜか、少女漫画のようなイラストの表紙(主人公のアンがすっ
「チムニーズ館の秘密」~ クリスティー・プロジェクト その5
マイ「クリスティー・プロジェクト」の第5弾は「チムニーズ館の秘密」(1925年)。昨年11月に読了してドラマも視ていたのだが、今回の執筆にあたりもう一度読み返そうかと迷った末、結局止めてしまった。読まれた方はおわかりと思うが本作品、あまりにも登場人物と事件が多すぎて、もう、わけがわからなくなりそうなんです。かくして本作を「クリスティーのガチャ・ミス」と命名。アガサは出来栄えに満足していたのだろう
もっとみる「アクロイド殺し」~ クリスティー・プロジェクト その6
今日初めて「アクセス」数なるものを確認したら、(筆者からすると)結構な数の方にご覧いただいていました。ハッシュタグもほとんどつけない、コメントも受け付けないという誠に愛想のないユーザーの記事をお読みいただき、感謝申し上げます。
さて、マイ「クリスティー・プロジェクト」その6は・・来たぞ大物「アクロイド殺し」(1926年) !
今までの記事は極力「ネタばれ」にならないように気を配ってきたつ
「ビッグ4」~ クリスティー・プロジェクト その7
このnoteというツール、何が楽しいかといって、まずはこの「キャッチ画像」を入れる時である。世界の美術館提供のフリー画像を使い、1回目にロセッティを掲げたときはワクワクした。その後はときおり記事の内容に合わせて、ユーザーの方々が提供されている写真を使わせていただいたりもしている。提供者の中には「なぜ、この記事にこの写真が?」と思われる方がおられるかもしれないが、そこは気ままなフィーリングなのでご
もっとみる「青列車の秘密」~ クリスティ―・プロジェクト その8
久々に戻って参りました、マイ「クリスティー・プロジェクト」その8は「青列車の秘密」(1928年)。昔、クリスティー文庫のリストを見ていて「青列車って ?」と漠然と思っていたのだが、なんのことはない「ブルー・トレイン」のことだった。 「ブルー・トレイン」・・なんとも旅情を誘う響きである。 私はリタイアしたら絶対南アフリカに行きたいと思っているのだが、彼
もっとみる「七つの時計」~ クリスティー・プロジェクト その9
マイ「クリスティー・プロジェクト」の第9回目は、「七つの時計」(1929年)。アガサ・クリスティーの1920年代最後の長編作品となる。
「チムニーズ館の秘密」(1925年)と登場人物が少し重なるものの、話は別展開である。「チムニーズ館」では目立たなかったケイタラム卿の娘バンドル(アイリ―ンの愛称。ちょっと不思議なネーミング)が巻き込まれた殺人事件の謎を追って活躍する。冒頭は、上流階級ののほほ
「牧師館の殺人」 ~ クリスティ―・プロジェクト その10
アガサ・クリスティーの全長編を発表順に、可能なかぎり映像化作品も含めて鑑賞し、感想を記していく、マイ「クリスティ―・プロジェクト」。今回から1930年代の作品に突入する(なお、クリスティーはメアリ・ウェストマコットという別名でミステリー以外の小説も6編書いているが、このプロジェクトでは取り上げないことにする)。
この「牧師館の殺人」は、ポアロと共にアガサが創設した名探偵、ミス・マ
「シタフォードの秘密」~ クリスティ―・プロジェクト その11
今回のマイ「クリスティー・プロジェクト」はノン・シリーズの「シタフォードの秘密」(1931年)。冒頭から、ミステリーファン垂涎の「吹雪の山荘」とは ! でも、殺人は別のところで起こるのよね。クリスティーのミステリーでは、一つところが舞台のことはほとんどないと思った方がよい。 話の早くに、「テーブル・ターニング」なる降霊術が始まったのでやれやれ、また怪奇趣味かと思ったが、そもそも謎の発
もっとみる「邪悪の家」~ クリスティ―・プロジェクト その12
マイ「クリスティー・プロジェクト」その12は「邪悪の家」(1932年)。これはハヤカワ文庫のタイトルで、新潮文庫、創元推理文庫では「エンド・ハウスの怪事件」としている。別の内容だと思って2種類買っちゃった、という話もよく聞くところで、原題は「Peril at End House」なのに、なんでハヤカワ版はこうなっちゃったんだろう。他社と違えるにしても、せめて「エンド・ハウス」という固有名詞は残せ
もっとみる「エッジウェア卿の死」~ クリスティー・プロジェクト その13
今回の「クリスティー・プロジェクト」は、著名作「エッジウェア卿の死」(1933年)。この4月に一度読んだのだが、今回記事を書くにあたり再読した。結末がわかってからも十分楽しめたのだが、むしろ、およそクリスティーのファンなら皆、何度も読むべき傑作かもしれない。いつものヘイスティングスの語りから始まるのだが、すぐに彼がこの事件について記すことが、「ある意味」を持つことが示唆されており、それが何かが
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