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多摩市懲戒免職処分取消請求事件(平成27年3月27日東京地裁)

概要

被告において地方公務員法29条1項1号及び3号に該当する非違行為をしたとして、懲戒免職処分を受けた原告が、本件処分は処分行政庁の裁量権を逸脱する違法なものであると主張して、その取消しを求めた。

結論

棄却→控訴

判旨

懲戒処分は,当該公務員の職務上の義務違反,その他,単なる労使関係の見地ではなく,国民全体の奉仕者としての公共の利益のために勤務することをその本質的な内容とする勤務関係の見地において,公務員としてふさわしくない非行がある場合に,その責任を確認し,公務関係の秩序を維持するため科される制裁であるから,かかる懲戒処分の趣旨に即し,本件指針の留意事項に沿って検討した諸事情を考慮すれば,本件行為は,態様が悪質であるだけでなく,被害者である未成年の女性に与えた打撃,多摩市及び多摩市の職員の職の名誉を損なった程度,市民感情に及ぼした結果も重大なものであったというべきであり,元職員に有利な事情を斟酌するとしてもなお,元職員を免職処分とする処分量定を選択したことが社会観念上著しく妥当を欠き,裁量権を逸脱したものということはできない。

市の職員が、未成年の女性に対し強制わいせつ罪の構成要件に該当する行為を行った場合において、当該行為の態様が悪質であり、被害者に与えた打撃、市及び市の職員の職の名誉を損なった程度、市民感情に及ぼした結果も重大である等の事情の下では、右職員に対し懲戒免職処分を下すことは、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を逸脱したものとは認められず、適法である。



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