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アーリントンカップ回顧 2020.4.18

アーリントンカップには思い入れがある。

ウマフリ内のウマフリだよりに2018年、2019年と2年連続で寄稿したのだ。その中でも、2018年は初めて書いた記事だったので、思い入れが強い。(その節はお世話になりました)

大きなレースではないが、3年目のアーリントンカップも書き残していきたい。

朝日杯2着の借りを返すための通過点か、NHKマイルカップの主役の座へ

ここでは負けられない一番人気タイセイビジョン
タイセイビジョン。一番人気に推されたこの馬は出走馬の中で、実績一番であるのは明確だった。2歳のマイルG1朝日杯フューチャリティーステークスで勝ったサリオスの2着。
年末の大一番と同じ舞台でここでは負けられない。
しかし、年明け緒戦。雨上がりの馬場。年明けから活躍の馬も多く、まだまだ相手関係は未知数、すんなりとはいかせてもらえなそうだ。多くのファンはそう考え、一番人気とはいえ、オッズは3倍だと絶対信頼というレベルでもない。

アーリントンカップは3年前から施行がこの時期でNHKマイルカップの前哨戦となり、3着までに優先出走権が得られる。賞金の少ない馬にとっては、ここはチャンスだ。いかに実績のある馬とはいえ、休み明け緒戦と言い訳していると本番でも足元をすくわれかねない。

レース回顧

3歳春の乱戦らしく、バラバラっとしたスタート。5、6頭ばかり少し出遅れた。その馬の中には人気の一角朝日杯3着馬グランレイの姿もある。

先頭は1枠1番という好枠順を活かし、ノルカソルカがまさにその名の通り、ハナに立ち、一か八かの逃げにでる。
インコースから続いて、チュウワノキセキ、人気の一角トリプルエース、プリンスリターンの姿もある。
外からロードベイリーフも2番手集団にとりつく。

二馬身離れて、ジュンライトボトル、ボンオムトゥック、ギルデットミラーの3頭が並ぶ。
後方集団は内から順に、デュードヴァン、タイセイビジョン、リインフォース、グランレイ。
一番人気タイセイビジョン、二番人気ギルデットミラー、三番人気ボンオムトゥック、みな揃って脚を溜めた。

3コーナー手前でグランレイが動き出すと、それを見るようにしてタイセイビジョンが後を追う。

3コーナーから4コーナー、先頭のノルカソルカの手応えが怪しくなったきた。
ロードベイリーフ、プリンスリターンが迫ってくる。
後方から外をマクッてくるのはグランレイ。ムチを入れて気合十分。すぐ内側のボンオムトゥックは淡々と伸びてくる。
直線に入って、状況が変わった。
いつの間にかタイセイビジョンは内に潜り込んでいる。
トリプルエース、プリンスリターンといった先行勢がまずは抜け出す。
追い込んでくるのは、ギルデットミラー。

しかし、最内をついて、タイセイビジョンの脚色がいい!

残り200m。

タイセイビジョンが完全に抜け出す、リードは1馬身、2馬身とひらいていく。
懸命に追い込んでくるボンオムトゥックが3番手争いに加わるが、もう追いつかない。
タイセイビジョンのリードは3馬身。
トリプルエースが2番手争いから脱落、ギルデットミラー、プリンスリターンが2番手争い。ボンオムトゥックはそのあとだ。

差は詰めるが、タイセイビジョンは余裕あるゴールイン。
2着にギルデットミラー、3着にプリンスリターン。


終わってみれば

タイセイビジョン強かったね、でまとまってしまう。
しかし、2着のギルデッドミラーはいい競馬をした。2年目、岩田望来騎手は惜しい競馬。初重賞まで2馬身。なかなか追いつけない。
ギルデッドミラーからクビ差の3着プリンスリターンの6年目、原田和真騎手もまだ重賞未勝利。こちらは脚が上がって最後に差されてしまい、無念の3着。
感染拡大防止のため、東西の移動が制限されている昨今、こういったレースでは若手騎手のチャンスでもあるかもしれない。壁は高いがぜひがんばってもらいたいところだ。

NHKマイルカップ路線はレシステンシアが電撃参戦を表明して、にわかに盛り上がりを見せている。
タイセイビジョンはNHKマイルカップ本番こそ1番人気にはならないだろうが、有力の一頭としてアーリントンカップ制覇の実績をさげ、レシステンシアに挑んでいくことになる楽しみな1頭となった。

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