見出し画像

ジャパンカップ回顧

しばらくサボってましたが、さすがにこのレースは落とせません。
まさに世紀の一戦、二度と見ることはないでしょう。

そんなすごいレースで、わたしの好きなキセキが強烈な演出をしてくれました!

思い出すだけで、感動します。

さあ、振り返っていきましょう。

二度はない、三冠馬三頭の共演

こんな機会は二度と現れないのではないでしょうか。
史上初無敗での牝馬三冠馬デアリングタクト、
史上初無敗での親子三冠馬コントレイル、
G1最多勝かつ二年前の牝馬三冠馬アーモンドアイ。
三冠馬が出ること自体お祭り要素があるのに、今年は牡馬牝馬ともに、無敗で、三冠馬が誕生した稀有なクラシックです。
さらに、天皇賞を勝ち、G1を8勝という最多勝記録を更新したアーモンドアイ。アーモンドアイは2018年の牝馬三冠馬ですから、この三頭がぶつかるということは、三冠馬三頭の頂上決戦になるわけです。
三冠馬が三頭で、ジャパンカップで雌雄を決するだなんて、どんなフィクションでもボツにされるくらいリアリティがありません。でも、現実に起きてしまいました。
まさに、世紀の一戦と言えるでしょう。
こんな機会は二度はありません。
じっくり楽しみましょう。

伏兵は許されるか、三冠馬に割って入ってくるのは

そうはいっても競馬は始まってみないとわかりません。
三冠馬といえど、付け入る隙はあるとみえます。

コントレイル、激闘の菊花賞から中4週というローテーションで調子は戻るのか。菊花賞ではアリストテレスの執拗なマークを振り切りましたが、ただでさえ不得意の長距離の走ったあとだけに体調が気になります。一週前追い切りでは不調だという報道もありましたが、直前では体調は戻ったと陣営は強気です。古馬との対戦は初めてですが、ライバルサリオスが毎日王冠やマイルCSで互角以上に戦えていますから、問題なさそうです。

デアリングタクト、秋華賞から中5週と三強の中では一番余裕のあるローテーションで迎えています。3歳牝馬のため、53キロの斤量も有利です。ただ、古馬一線級とは初対決です。エリザベス女王杯では同期のウインマリリンが4着と善戦しています。少なくとも、あの中なら勝ち負けレベルができるはず、しかしこの相手ではどうか。今までは牝馬限定戦ばかりでした。杞憂に終わりそうですが、重箱の隅をつついてみます。

アーモンドアイ。みんな大好きアーモンドアイは天皇賞で最多8勝というG1勝ちの記録をつくると、このジャパンカップで競走生活を終えるという発表がありました。
最後は年下の三冠馬二頭相手と最高のレースをして引退という華々しさは流石です。
しかし、コントレイルよりさらにローテーションがキツく、中3週です。特にこの馬は詰まったローテーションよりも休み明けの一発勝負と言った方が得意です。コントレイル同様体調が万全かが気になるところです。

この三頭以外で、割って入りそうといえば、

グローリーヴェイズ。去年の12月に香港カップを制し、前走の京都大賞典では迫るキセキを振り切っています。ここでもうワンランク上にいきたいところです。

キセキ。菊花賞から勝利はなく、スタートも悪くなり、6歳冬を迎えて正念場です。宝塚記念や京都大賞典で2着として天皇賞(秋)5着と、着順自体は悪くありません。2年前、アーモンドアイがレコード勝ちしたジャパンカップで2着に残りました。あの頃の走りが出来れば、奇跡はあるかもしれません。

カレンブーケドール。相手なりに走り、去年の秋華賞を皮切りに、ジャパンカップ、京都記念、オールカマーと連続2着。重賞未勝利ですが、能力は折り紙付きです。

他にも実力馬はいますが、上位は三冠馬+この三頭でしょう。
戦績を考えると、三頭に割って入る可能性は十分にあります。

キセキが演出したサヨナラパーティ

パドックでは有力馬揃って好調ぷりをアピールし、やはり隙なしといった様子。
馬場入場は相変わらずのアーモンドアイが先出しで、とっとと返し馬に向かう様子も今回で見納めです。

ゲートでは唯一の海外からの参戦馬、ウェイトゥパリスがイヤイヤをしてなかなかゲートに入りません。しばらく粘ったのち、お尻を押されてゲートに入り、ほかの馬はその後、問題なくゲート入りが完了します。

緊張感漂う、注目のスタート。
ゲートが開いて、世紀の一戦の幕が開きます。
スタートはアーモンドアイが好ダッシュを決めます。
ゲート入りに難があったウェイトゥパリスとマカヒキが遅れ気味。
まず、先頭争いに飛び出していったのは、ヨシオとトーラスジェミニ。
ですが、内から切り裂いて現れるようにキセキが他を寄せ付けない走りで一気に先頭を走り、後続を突き放していきます。
ヨシオが競りかけようとしますが、キセキの勢い止まらず、ヨシオは無理に追いません。
スタートは五分に出て、内枠を活かして逃げを選択するキセキ。まるで2年前のジャパンカップを見るようです。

2番手以降はヨシオ、トーラスジェミニ、グローリーヴェイズ、内にアーモンドアイ、その後ろにコントレイルとデアリングタクトがいます。

キセキは快調に飛ばして1コーナまわった時点ですでに10馬身ほどリードがつきます。

大逃げです。

馬群は縦長になります。
2番手はヨシオとトーラスジェミニが並ぶような格好に。2馬身離れてグローリーヴェイズ、直後に内側アーモンドアイ、外にクレッシェンドラヴです。
このアーモンドアイを見るようにしているのが、デアリングタクト、カレンブーケドールと続きます。さらに2馬身離れてコントレイル。マークするようにワールドプレミア。
その後ろにパフォーマプロミスとミッキースワロー。
最後方は7馬身ほど離れ、ちょっと置いていかれ気味のマカヒキ、ユーキャンスマイル、ウェイトゥパリス。

大逃げのキセキが1000mを通過します。
タイムは57.9秒。
今の馬場は時計がかかるといわれていますから、かなりのハイペースで逃げているのがわかります。

しかし、見た目のインパクトは大きいです。
ペースを落とすどころか、キセキはリードを広げます。向こう正面の直線から3コーナーにかけて、リードは20馬身ほどあるでしょうか。
完全に一人旅です。
もしかしたら。このまま逃げ切るのでは…?
見ている側はそう思えるほどのぶっちぎり。
ここからどんなレースになるのか。

3コーナー、後続が動き出します。
カレンブーケドールが外に持ちだし、グローリーヴェイズがトーラスジェミニをかわしていきます。

4コーナーの攻防。
アーモンドアイは内でタイミングを図っているようですが、一つ間違うと、キセキに追いつかない、あるいは後続に差されます。
外をまくってくるのが、デアリングタクト、その後ろにコントレイル。

直線に入ります。残り500m。
キセキのリードは10馬身ないくらい。
グローリーヴェイズが手応えよく、飛び出してきます。
直後に白いシャドーロールのアーモンドアイ。
コントレイルとデアリングタクトは外をまわってまだ中団、しかしエンジンはかかっています。
坂を駆け上がり、キセキのリードは一気に縮まっていきます。
グローリーヴェイズが単独2番手で伸びてきます。
もしかして、キセキーグローリーヴェイズの線もあるのか、そう予感させるものがあります。

しかし、勝負はここから。

3番手にいたアーモンドアイの脚色がいい。
残り200mで本気になります。
あっさりとグローリーヴェイズをかわして、さらに伸びていき、キセキを射程圏に捉えます。
外からはコントレイルが一気に伸びてきている。デアリングタクトはインコースに進路を変えて伸びてくる。
やはり、三冠馬は伊達じゃない。
そこにカレンブーケドールも加わって、混戦模様となってきます。
キセキはここで脱落。
先頭はアーモンドアイ。
2番手のグローリーヴェイズ目掛けて、外からコントレイル、内からデアリングタクトとカレンブーケドールがつっこんできます。

アーモンドアイの勢いは止まりません。
G1最多勝の女王の快進撃は無敗の三冠馬に土をつけます。
貫禄のゴールイン。

世紀の一戦はアーモンドアイが制しました。

2番手は接戦。コントレイルの差し脚がなんとか2番手を確保して、問題はその後、グローリーヴェイズ、デアリングタクト、カレンブーケドールの三頭が横並びの状態。
わずかにゴール前、グイッと前に出たのがデアリングタクト。三冠牝馬は伊達ではありません。

1着 アーモンドアイ
2着 コントレイル
3着 デアリングタクト

三冠馬が三頭、1-2-3を決める結果になりました。
人気通りでもありますから、オッズは雀の涙ほど。

しかし、この結果はたくさんのファンが望んだ着順ではないでしょうか。
キセキの大逃げに始まり、見応えある直線の攻防、ラスト100mでの大激戦と突き抜けるアーモンドアイの凛々しい姿。

勝利騎手インタビューでルメール騎手はアーモンドアイのサヨナラパーティーという言い方をしました。

終わってみれば、アーモンドアイという歴史的名牝の最後を華々しく飾るための最高のレースになりました。

キセキがハラハラさせ、グローリーヴェイズやカレンブーケドールもあわやと思わせてくれる叩き合い。コントレイルとデアリングタクトがこれらの厄介な伏兵を振り切るところもたまりません。

これぞ、記録にも記憶にも残る、語り継がれる名レースと言えるでしょう。

また来週から年末の有馬記念に向けて中山開催が始まります。
気持ちを新たにいけるでしょうか。

わたしとしては!
キセキの大逃げが泣けました!

もう最高です! 

単勝持ってたんですよ!!
夢、見させてくれました…!

有馬記念に出るなら、また頭で買いたいです。
たぶん負けるけど…!

だんだんぐだぐたになってくるので、
この辺りで終わりにしたいと思います。
長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。


アーモンドアイ、おつかれさまでした。
いつもすごいレースをありがとう。

サポートしていただくと、もれなく競馬の軍資金になります!