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剪定

玄関に植えた草木たち、知らぬ間に生茂り、気づけば酷いことになっていた。

調べると、剪定、つまり伸びすぎた枝を切ってやらないといけないらしい。

伸びすぎた枝はそこに栄養が集中してどんどんバランスが悪くなるから切ったほうがよい、と。

確かに伸び切った枝は、その、ぐんと伸ばした手先とは裏腹に力なく、周りの枝木もまた元気がない。

えい、と思いきり切ってみた。

数日後、切り先の近くから新しい芽が出て、先の伸び切った枝とは違う方向へ、頼りないが、それでも必死に手伸ばそうとしていた。

人もまた、手を伸ばしすぎたがゆえに、掴めないものもあるのかもしれない。

違う方へ、手を差し出せれば、と、思いながら、その少しの勇気を求めてまた、伸び切った手をまた伸ばしている。

自分の経験したことを文章にしていくことで、誰かの役に立てたら嬉しいとか、ただ書くことが楽しいとか、そういう風に私はなりたい。