ドローン飛行撮影 ー オペレーション編 ー ~ YouTuber への道のり ~ [Optical Arts Lab.]

ホントはドローンについて、生い立ちや潜んでいる(結構すぐ出現する)リスクなどから紹介するべきかもしれませんが...

[第四章]フライト

[1]フライト前の準備

①ヘリポートを設置
着陸時にダウンウォッシュによって、地面の土や砂の飛散が発生します。専用のシートを張って着陸へリポートを確保します。
離着陸の際、地面から離れた瞬間・地表に近づいた時や、帰着経路の中で(樹木などの障害)、思わぬ動きをする可能性がありますので、離着陸ポイントは、周囲が広く開けた場所が適切です。

②機体(ハードウエア)の確認
ブレードに亀裂が無いか、ボルト類が緩んでいないかをしっかりとチェックします。

③送信機・機体・(モニターデバイス)の起動
・次に機体とプロポの電源を入れますが、必ず、プロポの電源を先に入れます。
・プロポの電源が入りましたら、それぞれのスティックやスイッチの状態を確認します。
(スロットルが全開になっている場合や、制御モードのスイッチがマニュアルになっている場合もある為、注意が必要です。)

④キャリブレーション
センサーの初期化作業を行います。この初期化作業を【キャリブレーション】と言います。
マルチコプターの飛行には、これらセンサーがとても大切な役割を果たすため、このキャリブレーションが正しく行われないと重大な事故に繋がる可能性もあります。

[2]フライト

①フライトプランの確認
事前に作成したフライトプランをしっかりと確認し、離陸から着陸までの一連の流れをシミュレーションします。

②起動
フライトプランのチェックが終わりましたら、ローターを起動します。
機体が振動したりする場合は、ブレードの取り付け方向が違ったり、ブレードに亀裂が入っている可能性がありますので、すぐにローターを停止させ、機体の電源を切り、検査を行ってください。
この時、手元でバッテリー残量(電圧)を確認できる機種であれば、ローターを回転させた状態で一度、数値をチェックします。(気温、経過年数などで充電状況が異なります。)

③離陸
1.前述の各種チェックが完了したら、周囲を見て安全を確認し、ゆっくりとスロットルを上げます。
2.機体が2mほど浮いたら、『ホバリング』の状態で安定する事を確認します。
3.『ホバリング』で姿勢の安定を確保できることが確認できた後、エレベーター、エルロン、ラダーの動作を確認します。
(この段階でもバッテリーの残量を必ずチェックしてください。)
4.すべてクリアー(航空業界では、問題が無い状態や許可を表す言葉として「クリアー」を使用する場面が多くあります。)であれば、フライトプランに沿って上昇等の操縦を行います。

④計画飛行
フライトプランで作成された経路・計画で飛行させます。
プラン作成時に想定されなかった環境・事象が発覚した際には、安全に十分配慮した飛行内容に移行してください。
工程を中止する・一部割愛する勇気も必要、かつ重要です。
(飛行中も、随時バッテリーの残量を必ずチェックしてください。)

⑤着陸
帰着飛行時には、周辺の建造物や樹木(特に高さや枝)、同席者などに十分確認をして帰着ポイントに向かいます。
着陸直前に地面効果が発生しますので、姿勢制御の効いたマルチコプターは不安定になりがちです。
時間に余裕をもって着陸態勢にはいります。ゆっくりと機体を降下させ、高度を落とします。
不安定になりそうであれば、エレベーターやエルロンの操作を併用し、移動しつつ降下すると安定します。
もし、機体が不安定な状況になれば、一度スロットルを上げてみると安定する場合があります。

[3]トラブルの予測とフライトプラン

安全な飛行実施の為に、フライトプラン(飛行計画)を作成し、実際の飛行をイメージしてシミュレーションしておく事は重要です。
また、実飛行の際に想定外の事象発生も珍しくはありません。
事前に、想定されるトラブルを念頭において作成しましょう。

★代表的なトラブルの要因
□□□ 突風 □□□
・機体が大きく傾き制御不能になる
・傾き角が限界を超えローターが停止する(急降下含む)

□□□ 降下時(急降下を含む) □□□
・バランスを崩し
・傾き角が限界を超えローターが停止する
・セットリングウィズパワーにより揚力を失う

□□□ バッテリー切れ □□□
・ローターが停止する
・十分な揚力を発生できなくなる
・ホームポイントに帰着できない。(帰着方向が、向かい風などの場合には要注意です。)

□□□ 電波トラブル □□□
・制御不能(ノーコントロール)になる

[4]フライトプラン(飛行計画)の作成
マルチコプターを安全に飛行するために最低限必要な情報は、大きく、機材、経路、時間の3つです。
機材:
機材のポイントは、機体の総重量とバッテリー容量、飛行可能時間です。
総重量とバツテリー容量から予測できる飛行可能時間を確認・計画します。
飛行経路:
移動ポイントと高度の情報が重要です。
気象的環境、地理的環境を鑑みて、移動速度を把握した上で、飛行可能時間内に着陸が完了できる計画をつくります。
フライトプランは、前述のような想定外のリスクによって何らかのトラブルが発生しても安全に着陸できる必要がある為、経路計画では、飛行可能時間内ギリギリではなく、時間にも余裕をもって計画をすべきです。
高度と水平速度、移動距離などから、万が一の落下地点の予想を予想して、周辺に危険なエリアが無いように経路を考えなければなりません。またその他にも、電波障害等の回避の側面からでも、送電線の位置や、変圧設備、電波塔などがないか、十分に調査しておくことが大切です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?