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物書きあつまれ!第二回「絵から小説」【詩もOK】清世さんのイラストBに寄せて

桜じゃなくなっても

(イラストBより)


花びら舞い散る、顔色を変えた公園には
絨毯のよう シワが無数にできて
そこらじゅうが桜色の光で満ちている


反射している光たちが、春について話している


かき集めてかき集めてかき集めて
積んで積んで積んで

山を作った友だち


砂場にピンク色の山を
誇らしげに少し恥ずかしながら
山を作った


どうだ、とそびえ立つ小さな山がささやく
僕を山にしてくれてありがとう、ずっと桜の花びらでいたかったけど。

ずっと同じでいられないんだ。


風にさわられて、さらわれて落っこちたときから、桜じゃなくなって…
地面のシワになったり、公園の色をピンクにかえたり、わからないのがつらかったよ


桜だったのに そう呼ばれてたのに


山になった。君と君の友だちのおかげでね❗️
こんな嬉しいことがあるなんて❗️


桜じゃなくなっても、いいんだね
桜だったのに


生まれて芽吹いたり、咲いたり、散ったりするのは
ほんの少しのカタチ上のことで


桜だったり絨毯だったり
日射しだったり、日陰だったり
希望だったり、絶望だったり
未来だったり、過去だったり


桜色はピンク色じゃなかったり


山盛りされた花びらの小山の景色だったり
友だち、桜色のほっぺたもホントはそうじゃなくっても


何だってよかったんだ、ほんとうは



春についてそう話す、光たちの声に
わらわらといつまでも包まれていた
小山は


清世さん
はじめて応募させていただきました。Bのイラストに触発されて一気に物した作品です。ありがとうございます。

桜じゃなくなっても


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