見出し画像

だいすき

だいすきだ!と云ってみよう

不意に思った

あなたは

大好きだ!と叫んだことがこれまで一度でもありますか
私は何一つだいすきだ!と云えずに
ここまで来たのだ


あの日あの時
大好きなのに、だ



産まれたての手のひらには
だいすき、をたくさん握りしめ
人はひとりじゃないこと
こんなにも大好きだったはずの

。。。



背丈が伸びるほどに
花びらを一つ、またちぎるように

手離しては
だいすきが減っていく

いつか笑うことも忘れて
あなたの恩も嫌いになると
大人になったふりの
大嫌いのカタマリとなる

大好きだったはずの人は
たいてい先に逝く
あのかどをまがって先に逝く

見えなくなるまで手を振り

手を振るたびにこぼれていく、だいすき

大嫌いが残るほどに
誰も信じない人ができる



手のひらから漏れた
あの日の大好き、が
さがしてもさがしても
今さらながら見つからず

やがて出会うあなたに伝えた
大嫌いのカタマリで
笑うことも忘れて
働くだけのこんな私だ
もういいかな?と泣き崩れ
うなだれても
許してくれるのか!

『大好きだ!』


『だいすき、に生きたらいいのよ。』


そんなことばを忘れてもがいていた
今日までは



叫んだことがこれまで一度でもありますか

あなたは

産まれて芯までだいすきだ!と。。。


手のひらに最期に残るあなたの光

その、だいすきを離さぬように

そっと握りしめて

そうであってほしい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?