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赤い夏


赤いワゴンの君を
迎えに行った23時

駅前レーンに停車して待つ
飲み会のあとの君はまだ


夏の駅前は若者であふれていた
心がいったり来たり色とりどり


心配がいったり来たりで0時すぎ
時計の針が今日を見送る


。。。


束の間に
無事に迎えた君の千鳥足
助手席に座りヒールを投げすてる
今夜は僕の運転に不満そう


サンルーフは星空の
湿度ある星の街灯が次々流れ込む

もうすぐ25時だな
家に着いたよ

送り届けて
サヨナラおやすみ

想い出の色はいつか抜けていく赤

。。。


もう見かけない30年前の赤いワゴン

思い出すのは愛に触れた指先の痺れだけ


25時の夜の色は
隣り合わせに口紅の赤の
曲線を描いて


失ったあとの色彩が
こんなにも鮮やかによみがえるのはなぜ


夏の赤


25時に心を回したあの時計の針


針に刺されて痛む思い出より
今は艶やかに鮮やかに
思い出すだけ





cofumiさんの詩を読みました。

cofumiさんの詩はさらっと読める

さらっと読めるからこそ、いつも素通りしてしまいそうになるのだ

じつは深さと広がりと重なりがある。。


cofumiさんの詩から思い出す、90年代の夏の夜です。。

この詩を受けとめた私の再構築した世界は赤でした。妖艶で熱い赤い面影

25時という時間は、赤い夏のイメージで背中にせまりくる


cofumiさん
いつもありがとうございます✒️





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