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jotm5
さみしさの崖
双方向の無関心が
寂しさを生む
寂しさは断絶のへりだ
そこから跳んではいけない
落ちていく逆さまに
底にはまだ誰も着いたことがない
かつて女流詩人はそういった
崖を未だ落ちていく途中
海にはまだ誰も着いたことがないと
(石垣りん~崖~)
女たちだけではない
男は断崖のへりでうなだれる
断絶はあらゆる関係を
孤独に塗りかえる
その色に光沢はない
芸術は人々のなかに
詩人も画家も音楽家も
生活の彩りがあり
あなたへの関心
あなたの関心
呼びあうと輝きはじめる
艱難辛苦を乗りこえて
表現力の妙がある
ひとりではありえない
さみしさをみつめて
そっとよりそうように
よくみていると
だれかがいる
あなたのそばに
つよがるあなたのそばに
関心をもつだれかが
手をさしのべる
そのあたたかさ
無関心ではいられない
そのあたたかさ
あなたへのやさしい関心
さみしいといえるなら
素敵なこと
だれかがきいている
断絶のへりからのことば
あなたの呼ぶ声が
だれかに届いてちからになる
『断崖はさみしい
おちていく途中の無関心
それは芸術ではない』
ひとは呼びあうものだ
そっと名前をよんで
底についてしまう前に
呼びあうものなのだから
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